
怒った時に、自分を少し遠いところに置くことで怒りを鎮めることができます。え?当たり前ですって?
オハイオ州立大学のDominik Mischkowskiらの実験は、被験者がアナグラムの課題をやっている時に邪魔が入るというものです。この時に「自分を状況から遠ざけて、状況を眺めてください」と言われるグループでは、怒りが減ります。自分を状況から遠ざけるというのは怒りのコントロールにおいても有効なんですね。たしかに、状況から少し遠ざかることで、事態を客観的に見ることができ、怒りを鎮めることができそうです。しかも、ただ「自分を状況から遠ざけて、状況を眺めてください」と言われるだけというのは単純な手法でいいんですね。
ちなみに、以前”箱と自分から脱出するクリエイティブ思考”という記事では、客観的になることでよりアイデアが生まれやすくなるということを書きました。一方で、”ストーリーを売れ: ”入り込んで”説得する”という記事では、具体的になることで説得をしやすくなるということを書きました。人は具体的になってその物事に”近づく”ことで客観的でなくなり、また批判的に物事を考えなくなります。
主観的・具体的になってしまうと、怒りを鎮めることも難しいし、その状況の解決策を見つけたりそもそも判断する力も減ってしまうので、トラブル時は要注意ですね。
この記事は以下を参考に書きました。
Ohio State University. "'Self-distancing' can help people calm aggressive reactions, study finds." ScienceDaily, 2 Jul. 2012. Web. 9 Jul. 2012.
(文・絵: やまざきしんじ)