2012年07月11日

宝くじに当たったら、強気?弱気?

リスク傾向と頻度.jpg

人生の様々なことは確率的に発生します。もっと簡単に言えば、人生は偶然に左右されます。

そういえば、以前セキュリティ製品を販売していた時は、情報漏えい事件などが報道されると商品が売れるといったことがよくありました。人間は、このように偶然の事故があるとリスクを回避しようとするように思えます。

これは、稀に起こる悪いことがリスクを回避させようとしているとも考えられます。それでは、宝くじに当たるといった稀に起こる良いことがあったら、どうなるでしょうか?

稀に起こることを過大に見積もってリスク傾向を助長するのでしょうか?それともリスク傾向は抑制されるのでしょうか?


ケースウェスタンリザーブ大学のHeath Demareeらの研究はこのリスク傾向に関するものです。被験者は架空の50ドルを持ってゲームをします。13%の確率で勝てるジャックポットつきのスロット、50%の確率で勝てるスロット、87%の確率で勝てるがほとんど得しないゲームの3つのゲームを被験者に割り当てて25回づつゲームをしました。ちなみにどのゲームも長時間やると、損も得もしないように設計されています。

被験者がこれらのゲームをやった後に、リスク傾向を調査すると、13%で勝てるゲームで勝ったり、87%で勝てるゲームで負けたりといった稀な結果が起こるとリスク傾向が抑えられることが分かりました。逆に50%で勝ったり負けたりするゲームをするとリスク傾向が助長されます。

つまり、良いことにしろ、悪いことにしろ、稀なことが起こると、人はリスクを取ろうとする傾向が抑えられ、安全志向になるようです。


この記事は”Case Western Reserve University”の"A Surprise Win or Loss Impacts Taking Future Risks"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
posted by さいころ at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動
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