2012年07月12日

ソーシャルメディアで、倫理観も変わってる?

自己愛は変化する.jpg

ソーシャルメディアによって自己愛(ナルシシズム)が向上するという研究がありますが、実際にはそれほど向上しないというのがノースカロライナ大学ウィルミントン校のBruce McKinneyらによる新しい研究のポイントです。


この研究では233人の大学生について、ソーシャルメディアに費やした時間と、自己愛や開放性の関係について調査しました。その結果、ソーシャルメディアはエゴを増長するよりも、自分の生活を友だち達と共有するためにアクセスしているといった使い方をしていることが分かりました。これまでの研究ではシェアするというのがあっても、同時にソーシャルメディアの使用が自己愛を増長しているとしていましたが、この結果はそれを否定するものです。

この研究での主張はソーシャルメディアの使用の拡大に伴って、自己愛的な行動(例えば自分の写真を載せるなど)の標準が変わってきたというものです。


たしかに、昔はプライバシーのために電話ボックスの中で電話していましたが、現在は携帯電話を使って歩きながら電話したり、人ごみの中でも電話したりします。つい5年くらい前までは、誰でも見えるネット上に写真を載せることを避ける人が多かったのですが、最近はホイホイ載せる人も増えてきました。

このように最近のソーシャルメディアの拡大にともなって「自分の写真を他人に見せる」ことも普通になってきて、その結果として私たちの倫理観や自己愛についての考え方が変わってきたのかもしれません。


この記事は以下を参考に書きました。
University of North Carolina Wilmington. "Redefining what it means to be narcissistic in a social media world." ScienceDaily, 11 Jul. 2012. Web. 12 Jul. 2012.

(文・絵: やまざきしんじ)
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