2012年07月18日
オークションでは赤を使え
色にはさまざまな力があります。いや、心理的な影響があります、というべきでしょうか。これまでもさいころニュースでは、"女性=ピンクの落とし穴"、”やっぱり男性にモテる服”、”やっぱり女性にモテる服の色”、”ビールは缶の色も大事”などいくつか色に関する研究を紹介してきました。
今日はバージニア工科大学のRajesh Bagchiらは色とオークションとの関係について行った研究を紹介します。
1つめの実験のeBayにWiiを出品するというテストでは、赤い背景では入札時に平均$20.82づつ金額が上がりましたが、青い背景では平均$19.22づつだけ金額が上がりました。背景の色で入札時の金額の上がり幅が8%も増えるのです。ちなみに、背景の色は商品の金額の評価自体は変えませんでしたが、他の入札者との競争を煽ることはできました。
2つめの実験はオークションでなく$790のパッケージ旅行に、いくらなら買うかと聞くものです。この実験では、赤い背景では平均$684、青い背景では平均$712のオファーがありました。オークションとは違って金額が低いのは、オークションでは赤い色が他の落札者との競争になっていたのが、この実験では売り手vs買い手という対決になっているからと考えられます。
この実験は、赤い色が興奮させるために起こる当たり前のことという解釈もできますが、実際に店舗やウェブサイトの実験の際のヒントになるのではないでしょうか?
服の色の実験もそうですが、赤は様々な効果がありそうな面白い色ですね。
この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "Selling on eBay? Get higher bids with a red background." ScienceDaily, 17 Jul. 2012. Web. 18 Jul. 2012.
Rajesh Bagchiら, 2013, "The Effect of Red Background Color on Willingness-to-Pay: The Moderating Role of Selling Mechanism.", Journal of Consumer Research, February 2013
(文・絵: やまざきしんじ)
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