2012年08月03日
長距離バスの心理学
バスで座る席を決めるとします、どの場所に座りますか?なんとなく。手前や奥の隣が空いている場所から人が座って行くことと思います。それでは、全部の席が隣に人がいるとします。それならばどの場所に座りますか?逆に、既に座っている人は、どのような戦術を使って、知らない人が隣に座るのを回避しているのでしょうか?荷物をシートに置いておく?寝たふり?
イェール大学のEsther Kimらは、このようにいつも漠然とみんながやっているバスでの行動を研究しました。何やら文化人類学っぽい研究ですが、立派な心理学とも言えますよね!!(え?違いますか?)
この研究から分かったことは、人は
・他人と目を合わさない
・窓側に身体を傾けて、通路側の席に脚を伸ばす
・空いている席に大きなカバンを置いておく
・通路側の席に座っておき、ヘッドフォンなどで音楽を聞いて、「すみません窓側に通してもらえますか?」というお願いを聞かない
・どうでもいいもの(例えば本とかお弁当の空とか)を空いた席にとりあえず置いておく
・窓の外を無心に見つめる
・寝たふりをする
・ぱっと見は誰かがいるかのように、空いている席にコートをかけておく
といった様々なテクニックを使って隣に人が座るのをガードします。どれも覚えがありますよね!!
もちろん、最終的に満員になりそうな時でもこのようなテクニックを駆使します。しかし、満員ならば特定の人が来たら、アイコンタクトや荷物をどけるフリをして「どうぞ座って下さい」というメッセージを送ったります。これは、同じような年齢、性別といった気に入りそうな人を隣に座らせるというのではなくて、隣に座っても害がなさそうな人を探して座らせます。つまり、人は隣に人が来なければもちろんいいですが、隣に誰かが来る場合は”変な人”が隣に座るリスクを最小化するようにしているんですね。
この記事は以下を参考に書きました。
Wiley. "Strangers on a bus: Study reveals lengths commuters go to avoid each other." ScienceDaily, 1 Aug. 2012. Web. 3 Aug. 2012.
(文・絵: やまざきしんじ)
この本はパーソナルスペースについて書いてある古典ですよね。ちょっと古典すぎるかもしれませんが。
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