ペンシルバニア大学のAdam Grantとミシガン大学のJane Duttonは、人が他人のためと自分のためとどちらのために行動するかについて研究しました。
この研究の中で、卒業生を対象として大学のための寄付を募るコールセンターでの募金者32人を対象としたものです。
この実験では被験者は、それぞれウェブに記録を毎日15分します。被験者は以下の2つのグループに分けられました。
・後援者グループ 他者に貢献して、相手がいい気分になったと思うことを書く
・受益者グループ 相手から感謝されたことを書く
そして、日記には、考えや感情や行動などを記述しました。
ちなみにコールセンターの仕事は、時給制なのでどれだけ仕事をするかは本人のモチベーションに依存します。そこで、この研究の前後2週間でどれだけ電話をするかを調べました。
すると、受益者グループよりも後援者グループの方が、より仕事のパフォーマンスを上げていることが分かりました。相手に感謝されるよりも、相手にどう貢献しているかがポイントということですね。

この研究結果は、仕事のモチベーションをあげるいいツールになりそうですね。
この記事は以下の論文を参考にしました。
Adam Grantら, 2012, "Beneficiary or Benefactor: The Effects of Reflecting about Receiving versus Giving on Prosocial Behavior.", Psychological Science, 2012
(文: やまざきしんじ)