2012年08月24日

モチベーションが高いと時間は短く感じる

モチベーションと時間経過.jpg

アラバマ大学のPhillip GableとBryan Pooleの二人はモチベーションと時間について研究しました。この研究から、1つの実験結果をご紹介します。

この実験では140人の学生が被験者になりました。そして、
幾何学模様(ニュートラル)
花の写真(低モチベーション)
美味しそうなデザートの写真(高モチベーション)
の3つの写真を0.4秒〜1.6秒といった短時間だけ見せて、それぞれの表示時間がどのくらいかを被験者が判断するというものです。

この実験の結果、被験者は写真によって時間を短く感じることが分かりました。幾何学模様の写真(ニュートラル)と花の写真(低モチベーション)では統計的な差はありませんでしたが、美味しそうなデザートの写真(高モチベーション)を見た時は被験者は時間をより短いと感じたのです。

これは、人はモチベーションが高い時に、時間を短く感じていることを示しています。別の実験では、最後に食事をとってから時間が経つと、食べ物の写真を見た時間をより短く感じるということを確認しています。つまり、モチベーションに比例して、さらに時間を短く感じるようになるのです。

モチベーションが高い時に、時間が短く感じるのは当たり前という気もします。しかし、当たり前と思っていることと、実際に確認することの間には大きな差があります。こういうちょっとしたことを一つづつ確認していくのが心理学の実験の面白さですよね。


この記事は以下を参考に書きました。
Philip Gableら, 2012, "Time Flies When You're Having A Approach-Motivated Fun: Effects of Motivational Intensity on Time Perception",Psychological Science, DOI: 10.1177/0956797611435817


(文・絵: やまざきしんじ)
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