2012年08月27日
怖いと言うか、リフレーミングか、どっちがストレス?
カリフォルニア大学ロスアンゼルス校のKatharina Kircanskiらは、感情と言語の関係を研究しました。この研究では、クモ恐怖症の人が、クモに近づいた時の言葉と実際の気分の関係を調べました。
実験では、クモ恐怖症の人を4つのグループに分けて、クモに近づく時に以下のいずれかの指示をします。
・クモに近づく時に現在のネガティブな感情を言葉にします(怖いグループ)
・クモに近づく時に、中立な言葉を使って、その状況を”再評価”するようにします(リフレームグループ)
・クモに近づく時に、関係ない話をします(中立グループ)
・特に何も指示をしません(指示なしグループ)
すると、ネガティブな感情を言葉にした怖いグループが、一番、落ち着いていて、また他のグループより少しクモに近づくことを恐れませんでした。このことは、恐ろしい状況ではそれを口にすることはやはり良いということを示しています。また、1週間後に別のクモを使った実験でも、ネガティブな言葉を発していたグループが一番落ち着いていました。
嫌なことは、そのまま口にした方がストレスが減るというのは説得力のある理論ですが、一方で嫌なことは”再評価”する方がいいという意見も説得力のあるものです。この研究結果は、クモ恐怖症での実験ということで、あるヒントを与えてくれますが、どこまでこの理論が通用するかという適用範囲が難しい研究結果でもあります。
この記事は以下を参考に書きました。
Association for Psychological Science. "Language, emotion and well-being explored." ScienceDaily, 23 Aug. 2012. Web. 27 Aug. 2012.
(文・絵 やまざきしんじ)
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