2012年09月14日

そのアイスを食べるのはセルフコントロールの中か?外か?

疲れたらアイス.jpg

以前、”ダイエット中は怒りっぽい”という記事を書きました。この記事はダイエットというセルフコントロールをしている時は、セルフコントロールの資源がダイエットに取られるので、他のセルフコントロールがしづらくなるというものです。


このように人間のセルフコントロールの資源は有限で、いろいろな物事を自制していると、どこかでその分セルフコントロールが効かなくなるということがこれまで言われてきました。がんばって残業をしていると帰りのコンビニでつい甘いデザートを買ったり、帰宅してから高額な趣味のものをアマゾンで買ってしまったりというのもセルフコントロールと関係がありそうです。

最近の研究では、インセンティブ(アイスクリーム好きの人は、暑い日にはアイスを自重するのが大変でしょう)、タスクの困難度の認識(社長の前で、怒りを抑えこむのは簡単です...特にボーナスの直前なら)、意志についての信念(セルフコントロールは有限か?無限か?)、といったことがセルフコントロールに影響を与えていると言われています。

また、このセルフコントロールについても2つの考え方があります。例えば、残業の後で、帰りのコンビニでデザートを買ってしまう場合に
・残業でセルフコントロールの力を使ってしまったので、”つい買ってしまった”セルフコントロールの欠如
・残業で疲れたし、残業代も少しもらえるし、”あえて、自分で買うことを選択した”セルフコントロールの範囲外とした

また、実際には「よし、この仕事を終えたら、帰りにデザートでも買ってがんばるぞー」と思って残業することもあります。これはセルフコントロールでなく、残業についてインセンティブを自分でどう与えるかということから来る話です。


セルフコントロールといってしまうと一緒くたにされてしまいがちですが、セルフコントロールの問題には、上記のような自分で決めたセルフコントロールの範囲の問題と、インセンティブの問題が絡んでいるのです。単に、「夜にデザートを買ってしまった」ということでも、別々の状況では、対処方法が違うということですね。

ちなみに、人間は自分をうまいこと合理化するので”つい誘惑に負けて買ってしまったデザート”でも、仕事の時に「これが終わったらデザートを買って帰るから、もうひと頑張りしよう」と考えてたんだから、と後付けで理由を作ってしまい自分は気づかないことがあるので注意しましょう。

この記事は以下を参考に書きました。
Association for Psychological Science. "Self-control may not be a limited resource after all." ScienceDaily, 12 Sep. 2012. Web. 14 Sep. 2012.

(文・絵: やまざきしんじ)
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