2012年10月01日

プロフィール写真を取るちょっとしたコツ

プロフィール撮影.jpg

写真を撮る際に、標準レンズで撮るのと望遠レンズで少し遠くから撮るのでは写真の歪みが違うというのは知られています。例えばこのページに解説があります。ただ、このページではモデルさんのポーズは同じなものの構図も違い、一概に評価できません。


それでは、撮り方でどのくらい違うのでしょうか?カリフォルニア工科大学のRonnie Bryanらはモデルとなる人をハーフミラーを使って、45cmと135cmの2つの距離で同時に撮影しました。その写真から全く同じ大きさで、左右の目がちょうど水平になるようにして画像を切り出して、被験者に様々な評価をしてもらいました。

下の写真は論文から引用したものです。左の写真が45cmの距離から撮ったもの、右の写真が135cmの距離から撮ったものです。

写真のゆがみ.jpg

この研究では、平均年齢33歳の23人の被験者にその人にどれだけ投資するかという調査を行いましたが、135cmからの顔がより投資を受けるという結果になりました。また、別の実験として平均年齢30歳の45人に魅力、能力、信頼を評価してもらったところ、全てで135cmからの顔がより高く評価されました。

ちなみに45cmと135cmというのは、標準的なパーソナルスペースの中(45cm)と外(135cm)と考えることが出来ます。人はパーソナルスペースの中に入って来られると不快に感じるというのは知られています。この135cmからの方が良いというのは、パーソナルスペースの外のためとも言えます。

また、別の実験では、135cmからの顔の方が、より平均的な顔と評価されました。平均的な顔は魅力的に見えるというのもよく知られた現象です。135cmからの顔の方がより平均的であることは、魅力や能力が高いとみなされる説明にもなっていますね。


これでフェイスブックなどにプロフィール写真を載せる場合には、広角レンズでなく、少し遠めから撮った方がいいということが、分かったのではないでしょうか?その理由にはパーソナルスペースと平均顔が隠れていそうですね。


この記事は以下の論文を参考に書きました。また、顔写真も以下の論文からの引用です。
Ronnie Bryanら, 2012, "Perspective Distortion from Interpersonal Distance Is an Implicit Visual Cue for Social Judgments of Faces", PLoS ONE 7(9): e45301. doi:10.1371/journal.pone.0045301


(文・絵: やまざきしんじ)
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