
サリスベリー大学のWayne Deckerは質問紙を使って、仕事での”さぼり”についての調査をしましたた。これは192人の男子学生、158人の女子学生、一人の性別未回答の学生からなる351人のマネージメントコースの学部生を対象として6ページからなる質問紙で調査を行いました。なお、351人のうち33人は以前マネージャークラスの仕事をしていて、74人はフルタイムで働いていた経験があります。
この調査では、仕事での”さぼり”と”遊び”など以下の7つの傾向について調査しました。
1.サボり傾向
2.仕事を遊びやゲームとみなすか
3.上司のリーダーシップの質
4.仕事の負荷
5.上司による監視
6.内発的モチベーション
7.楽しみの重要さをどのくらいとみなしているか
すると、この調査から仕事のサボり傾向は、順に
仕事の負荷が高いとサボらない (-0.54)
上司による監視が高いとサボらない(-0.42)
モチベーションが高いとサボらない(-0.34)
仕事を遊びやゲームとみなしているとサボる(0.32)
ということが分かりました(カッコ内は相関係数)なお、上司のリーダーシップはほとんど関係ないということが分かりました。
この研究では仕事を遊びやゲームとみなしているとよりサボるという結果になりましたが、別の研究ではそれほどではないという結果になっています。また、デザイナーなどクリエイティビティが必要とされる職種では、遊びの要素を入れることでより仕事の成果に結びつくという研究もあります。
また、この研究は大学生を対象としているため、比較的低レベルの仕事を対象とした調査となっている部分があります。そのためにサボらせないポイントは、「ちゃんと仕事を与えて」、「ちゃんと監視する」という少しあたりまえものになってしまっています。
この記事は以下の論文を参考に書きました。
Wayne H. Decker, 2012, "Unauthorized Fun at Work (Goofing Off): Predictors and Implications", International Journal of Business and Social Science Vol. 3 No. 5; March 2012
(文・絵: やまざきしんじ)