
スペインのグラナダ大学のAna Santos-Ruizらが、スキルのある人とない人の意思決定と唾液のコルチゾール濃度の関係について調査しました。通常、コルチゾール濃度は、ストレスとの関係が知られており、ストレスがかかると濃度が上がることが知られています。また、最近の研究では意思決定へのストレスの影響について明らかになりつつあります。
この研究では40人の健康な女性がアイオワ・ギャンブル課題という課題をしてもらい、それからバーチャル・リアリティを使って架空の観客の前でスピーチをするというストレスをかけました。それから視床下部・下垂体・ 副腎皮質系の活動状況を調べることでストレスを調査し、また唾液のコルチゾールレベルを調査しました。
これによって、意思決定のスキルが、ストレス対処に大きな役割を持っており、コルチゾールレベルを低く抑えることが分かりました。
結論自体は予測できることかもしれませんが、バーチャル・リアリティを使うというのが面白かったです。最近はヘッドマウントディスプレイの値段も下がってきており、またコンピュータグラフィックスの精度も高くなって来ました。バーチャル・リアリティを使った認知行動療法の研究というのも読んだことがありますが、様々なところでヴァーチャル・リアリティが使われてきましたね。
この記事は以下の記事を参考に書きました。
University of Granada. "Saliva analysis can reveal decision-making skills." ScienceDaily, 10 Dec. 2012. Web. 11 Dec. 2012.
上の絵は、以下の論文のものです。
Ana Santos-Ruizら,"Can decision-making skills affect responses to psychological stress in healthy women?" Psychoneuroendocrinology, 2012; 37 (12): 1912 DOI: 10.1016/j.psyneuen.2012.04.002
(文: やまざきしんじ)