
アイオワ大学の Susan Cookとミシガン州立大学のKimberly Fennらは184人の小学校2〜4年生を対象とした教育におけるジェスチャーの役割を研究しました。
この実験では、教師が口頭でだけ問題と伝えるよりも、手振りをつけて問題を伝えることで、算数の問題がより解けることが分かりました。
例えば
4+5+7 = ?? +7
という問題で、??に入る数は何かという問題です。この問題を説明する時に、口だけで説明するよりも教師が手を使うことが大事なのです。
この研究は別の似たような研究があります。2009年にシカゴ大学のSusan Goldin-Meadowと当時シカゴ大学にいたSusan Cookらの行ったものです。先ほどと同じような問題(例えば9+2+3 = ?? +3の??に入る数を答えさせる)を解く方法を、計算の時に使うV字のような手振りを子供に教えて解かせるというものです。この実験では上手くジェスチャーを覚えた子供は、ジェスチャーを覚えていない子よりも約50%も正解率が上がったという結果になりました。
これらの研究は計算においても、ジェスチャーが大事ということを示しています。教師がジェスチャーを使ったり、生徒がジェスチャーを使ったり、どちらにしろ正しくジェスチャーを使うことで、より正しく計算ができるようですね。
この記事はミシガン大学の"TEACHERS’ GESTURES BOOST MATH LEARNING"と以下の論文を参考にしました。
Susan Goldin-Meadowら, 2009, "Gesturing Gives Children New
Ideas About Math", Association for Psychological Science Volume 20−Number 3 pp.267-pp.272
(文・絵: やまざきしんじ)