2013年08月20日
右脳派vs左脳派、これってホント?
一般的に右脳vs左脳という言葉で何かを語る時には、おおよそ間違っていることが多いと思います。
左脳派は、ロジカルで分析的で、細かいところが気になる。
右脳派は、クリエイティブで、主観的で直感的で、全体的に把握する。
こういったことはよく言われますが、このような左脳派vs右脳派という対立図式は、一般的にはよく言われるものの、このような左脳派や右脳派などはないというのが定説だと思います。それでは本当のところはどうなんでしょうか?
ユタ大学のJared Nielsenらの研究では、7歳から29歳の1011人のfMRIでの脳の画像を解析して、右脳派と左脳派といった個人差があるかを確かめるというものです。
この研究では、個人が右脳を優先的に使うとか、左脳を優先的に使うといった偏りを見つけることはできませんでした。やはり、右脳派vs左脳派なんてのは存在しないということです。
(図は参考論文より)
脳の各領域の接続については個人差があるようですが、右脳派vs左脳派といった単純な図式ではないようです。
”分析的vs直感的”といったような内容で、左脳と右脳という言葉を安易に使っている人も多くみかけますが、「あの人は直感派だよね〜」というのを敢えて「あの人は右脳派だよね〜」という必要は全然ないと思います。
この記事はNielsen JA, Zielinski BA, Ferguson MA, Lainhart JE, Anderson JS, 2013, "An Evaluation of the Left-Brain vs. Right-Brain Hypothesis with Resting State Functional Connectivity Magnetic Resonance Imaging.", PLoS ONE 8(8): e71275. doi:10.1371/journal.pone.0071275を参考に書きました。
(文: やまざきしんじ)
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