2013年10月31日

ポップコーンが広告の邪魔をする

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CMというのは、単に「この商品はこんなに良いから買って!」というメッセージを発しているものではありません。

人は、「単純接触効果」というものに縛られています。これは、ある物や人などを何度も見ると、それに好感を持つというものです。全く知らない製品よりもどこかで名前を聞いたことある製品の方が良いものと思います。実際には、明確に覚えていなくともこのような単純接触効果は働きます。

例えば、以前書いた記事では、「タイガーウッズに似た顔の人から商品を買うか」ということを書きました。これは顔を合成して作ったタイガー・ウッズの要素が35%含まれたセールスマンから物を買うかというものでした。この結果は、タイガー・ウッズのスキャンダル前後で、そのセールスマンから物を買いたいかどうかが変わるという面白いものでした。


今回は、ドイツのケルン大学のSascha Topolinskiらが行った、この単純接触効果の邪魔をする研究についてご紹介します。

これは映画の間のCMの時にポップコーンを食べると、単純接触効果がなくなるというものです。そう聞くと、ポップコーンを食べたことで食欲が満たされるので、商品などへの欲求がなくなるから効果がなくなるだけではないのか、と思われるかもしれません。

しかし、Saschaらの実験は、きちんと一週間後にその効果を検証しています。また、ポップコーンを食べる組と角砂糖を食べる組に分けており、カロリーの摂取という点では同様な条件にしています。


この実験は本物の映画館で行われ、映画の合間にはCMが流されました。このCMは本物を使用していますが、外国でやっている親しみのないブランドのものです。ここで消費者は、渡されたポップコーンか角砂糖を食べながらCMを見ました。

そして1週間後に96人の被験者が、研究室に呼ばれ、並べられた商品の好感度を尋ねられます。商品の半分は見たことがないもので、半分は映画の時にCMを見たものです。すると、角砂糖を食べた被験者は、CMで見た商品に良い印象を持っていました。一方で、ポップコーンを食べた被験者には特に広告の効果はなく、CMを見た商品に良い印象を持っていませんでした

また、同様に1週間後に188人の被験者が、研究室に呼ばれ、今度はお金を渡されて6種類の化粧水のどれを買うか、もしくは6種類のチャリティーのどれに寄付をするかを選びました。今回も同様に半分はCMで見たもの、半分はCMで見ていないものです。
すると、映画のCMの間に角砂糖を食べた人たちは、映画のCMでやっていたブランドをより選びましたが、ポップコーンを食べていた人たちは特にCMの効果を受けませんでした。


つまり、CMをやっている時にはポップコーンやお菓子をもぐもぐしているとその効果から抜け出せるようです。逆に、宣伝をしたい時には、相手に渡すお菓子は時間がかかるものでなく、すぐ食べてしまえるような小さな和菓子などにするといいということですよね。


この記事はケルン大学の"Popcorn in the Cinema: Oral Interference sabotages advertising Effects"を参考に書きました。

写真はFlickrのrpb1001さんのものを使用しました。


(文: やまざきしんじ)
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2013年10月29日

動画広告は87%見られるが、読み込みに時間がかかる動画は55%しか見られない

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最近はGoogleの動画広告サービス、スマートフォンの普及や帯域の拡大などもあり、動画広告が増えてきています。でも、どういう動画広告が有効なんでしょうか?

最近は動画広告も流行ってきつつあり、様々なことが言われていますが、ほとんどのものは自分の経験談やどこかで聞いた少数の事例を話しているだけではないでしょうか?


マサチューセッツ大学アーメスト校のRamesh Sitaramanらは、この動画広告に関して6億5000万以上の広告へリンクされた2億5700万以上のデータと、3億6700万以上の広告が挿入されたビデオを解析し、広告がどこまで見られたか、といったことを解析しました。


まず、全ての視聴者は同じような行動をしていたわけではないことが分かりました。一回だけ見る視聴者もいれば、特定のサイトを何度もヘビーウォッチャーもいました。ヘビーウォッチャーは、一つの動画を何度も見るし、広告も気にしませんでした。

また、短い動画に挿入された広告は途中で止められる可能性が高いのに対して、映画やテレビ番組のような長い番組に入っている広告はより最後まで見られました。これは、当たり前でしょうか。映画やテレビ番組といった長い番組には、より価値がみなされているためか広告をそのまま見るのです。


また、この研究では、動画の読み込みに時間がかかるビデオと、ビデオがはじまる前にかならず広告を見せられる動画のどちらが多く見られるかも確認しました。最近の日本の環境では、あまり読み込みに時間がかかるということは少なくなったと思います。一方、ビデオがはじまる前に動画が流れると、そのまま停止してしまう経験はよくあります。

この結果は、動画開始10秒の時点で、読み込みに時間がかかる動画は45%の視聴者が停止していましたが、最初に広告が出る動画は13%の視聴者が停止しただけでした。

逆に言えば、読み込みに時間がかかる動画は55%の人だけが見て、最初に広告があると87%の人に見てもらえるということですよね。これは動画の冒頭に広告を入れることは視聴者がアリとみなしているということです。この停止率の違いについては、動画の読み込みに時間がかかる場合はどれだけ待てばいいか分からないが、最初に広告が流れる場合は待ち時間の見当がつくからと考えられています。


また、広告を全部見る割合は、平日と土日では特に変わらないことも分かりました。平日は忙しいし、土日は時間があるといった差も考えられましたが、そのような差はないようです。


私も動画には注目していますが、うちの塾ではYoutubeで多少動画をアップしていますが情報提供といったレベルで、まだYoutubeを活用できているとは言えません。また、動画活用といっても、個々人の経験や神話レベルの話がまだまだ多く、データから実証的に有効といった手法はまだまだ明らかになっていないように思います。今回は、アカマイ社から提供された匿名化されたデータを元にした研究のようですが、これからもこのようなビッグデータ的な研究が増えると、より消費者の行動がわかっていきますよね。楽しみです。

この記事はマサチューセッツ大学の"UMass Amherst Researcher Quantifies the Effectiveness of Video Ads"を参考に書きました。


(文: やまざきしんじ)
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2013年10月03日

1杯のワインの心理学

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普通の人は、グラスに1回注がれたら、それが一杯と考えます。「昨日の飲み会でどのくらい飲んだ?」と聞いたら、「ビール3杯くらい」とか「ビール4杯くらい」とか答えるでしょう。でも、1杯ってどれだけですか?でも、「ビール800ml飲んだ」と答える人はいないでしょう。


では、コップ1杯っていつも同じなんでしょうか?


今日はアイオワ州立大学の准教授Laura Smarandescuらの研究を紹介します。これは、ダイエットの心理学で有名なコーネル大学のBrian Wansinkとの共同研究です。

この研究では被験者に様々なグラスに1杯注ぐように言われました。

まず、普通よりも広いワイングラスには平均で12%多くを注ぎました。この実験はよく似たものをWansinkが以前に行っています。細いグラスと太いグラスでは、経験のあるバーテンダーでも注ぐ量が違うというものです。子どもにジュースをあげる時には、細いコップを用意しておくのがよさそうですよね。

これは人は幅よりも高さに注目するということです。そのために細いグラスからにはあまり多く注ぎません。コップに入れた液体の体積は、1/3x半径x半径x高さという式で表され半径の影響が大きい(2倍の高さだと体積は2倍だけど、コップの幅が倍になれば体積は4倍になる)のですが、直感はこの計算式とのズレがあるようです。

また、透明なグラスには赤ワインよりは、白ワインを9%多く注ぎました。以前、お皿の色とパスタソースの実験というものがありましたが、似たようなものですね。透明なコップに注いだ時、コーラの方が、サイダーよりも少なく注ぎそうですね。

ちなみに、グラスを手に持って注ぐのとテーブルにグラスを置いて注ぐことと、テーブルの大きさはあまりありませんでした。


ここまで、1つのコップに注ぐ量ということを書いてきましたが、実際に人は「300ml飲んだ」から満足するというよりも、「1杯飲んだ」、「2杯飲んだ」といったような認知が影響を与えています。お酒を飲み過ぎないように、家では小さめのコップで晩酌をするのがいいのではないでしょうか?缶から直接ビールを飲むよりも、コップに移して飲むというのも、飲んでいることが見えるので効果のあることですよね。


今回の研究に似たものとして、以下のものを以前に紹介したことがあります。
「小さなお皿と大きなフォーク」
「お皿の色でもダイエット」
「ダイエットには骨付きチキン?」


この記事はアイオワ州立大学の"Over the limit: ISU researchers test how size, shape and color of wine glass affect how much you pour"を参考に書きました。

記事中の写真はFlickrのHeather Cowperさんの写真を使用しました。

(文: やまざきしんじ)
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2013年06月21日

肥満の原因は食べ過ぎ、運動不足、どっちだと思いますか?

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皆さんは、肥満の原因はなんだと思いますか?


ほとんどの人は肥満の原因は食べ過ぎか、運動不足かと考えているのではないでしょうか。もちろん、仕事のストレスや遺伝なども要因としては考えられますね。

肥満の原因が、食べ過ぎなのか、それとも運動不足にあるのか、どちらを信じているかによって、体重が変わってくるという研究がミシガン大学ロスビジネススクールのBrent McFerranと香港科学技術大学のAnirban Mukhopadhyayによって最近行われました。

この研究は計5カ国で行われたものです。まず、韓国、アメリカ、フランスの3カ国を対象とした研究では、食事が肥満の原因と考えていた人の方が、よりBMIが低かったことが分かりました。これはありそうなことですよね。

そして、カナダでの研究では、運動不足が肥満の原因と考えている人は、よりチョコレートをたくさん食べていることが分かりました。これによってBMIの原因は、やはり食事量にありそうだということが分かりました。

最後に、香港の研究では、運動不足が肥満の原因とプライミング(暗示)された人は、食べ過ぎが肥満の原因とプライミング(暗示)された人よりも、より多くのチョコレートを食べてしまうことが分かりました。


この研究では、肥満の原因が食べ過ぎよりも、運動不足と考えている人はより食べてしまうということですよね。私は、食べる量も大事だけど、意外と運動が大きな要因と考えていたのですが、BMIという観点から見ると、危険な考えだったみたいですね。


この記事はAssociation for Psychological Scicenceの"Beliefs About Causes of Obesity May Impact Weight, Eating Behavio"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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2013年02月26日

男性が作った?女性が作った? 売るためのデメリットの解消法

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もし、わたしの使っているゴルフクラブが女性がつくったものであると知ったら、あなたはどう思うでしょうか?

あんまり飛ばなさそうだけど、キレイなデザインで使いやすそう。

こんな感じでしょうか?


南カリフォルニア大学マーシャル校の Valerie Folkesとオハイオ州立大学の Shashi Mattaが、ジェンダーステレオタイプを通した商品知覚に関連した実験をしました。

最初に大学生にクラシックを聞いてもらったのですが、男女それぞれの指揮者の音楽を評価してもらいました。すると、

男性指揮者の音楽は、パワフルと評価された。
女性指揮者の音楽は、繊細ですがパワフルではなく、男性の指揮者よりも質が劣ると評価された。


この後、同じように男女の指揮者を評価してもらったのですが、今度は事前に女性指揮者の能力についてちょっとした説明しました。すると、女性指揮者の音楽は、繊細であると同時に力強いという評価を得ました。

この実験は、女性らしさの負の面を最初の説明で消すことができることを示しています。また、女性指揮者の能力の説明によって繊細さを音楽の質を左右するものとみなすようになったとも言えます。


私たちは、男性が作ったゴルフクラブは無骨だが力強く、女性が作ったゴルフクラブは繊細だが力強くない、とみなしてしまう傾向があります。これはジェンダーステレオタイプ(性的ステレオタイプとも言う)という、男性らしさ、女性らしさのイメージを、製品にも投影してしまうということが言えるのです。

しかし、この実験はそのステレオタイプのマイナス面を情報を上手く与えることで解消することが出来ることを示しています。


実は、私のゴルフクラブの作り手は、マーガレット・ヘルムステッターという女性で三代続くゴルフクラブメーカーで、グレッグ・ノーマンも若い頃にそのドライバーを使っていた。マーガレットの代に入ってからは、材料や製法は変わったものの、その「プロのための用具」という思想はそのままに、女性ならではの細やかさを加えて、「飛び。しかもコントロールできる」をコンセプトにしている。

といった作成者の情報を提供することで、ゴルフクラブにまつわる女性的なジェンダーステレオタイプの悪い面が消えるようです。

(ちなみに上のゴルフクラブの話はあくまで架空の話です)


この記事は以下を参考に書きました。
USC Marshall School of Business. "Marketing technique: Activating gender stereotypes just to knock 'em down." ScienceDaily, 12 Feb. 2013. Web. 26 Feb. 2013.


(文・絵: やまざきしんじ)
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2013年01月09日

ダッチオークションでスリル満点化?

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皆さんは、ダッチオークションというのを知っていますか?

私は知らなかったのですが、最初は高い金額ではじめて、そこから入札がないとどんどんと値段を下げていくというオークションの方法です。

例えばパソコンを売るときに、10万円で買う人いない?、じゃあ9万円なら?、じゃあ8万円なら?、とどんどんと値段を下げていきます。買い手は、その値段なら買っていい、という時に入札をします。


ドイツのカールスルーエ工科大学のMarc Adamらは、このダッチオーションでの参加者の興奮状態について心拍数や皮膚電位などで調べました。

この研究によると、ダッチオークションは金額がどんどん下がっていくもののためか、参加者は興奮することが分かりました。また、ある程度興奮した参加者は、そこから自分の入札を遅らせることで、さらにスリルを味わい興奮をします。

逆に、そこで入札をしてしまい落札してしまうと興奮はそれほどしません。よくあるパターンかもしれませんが、むしろ買わないで、ギリギリまでねばってる方がスリルが味わえるんですね。


買わないほうが興奮するというのがなかなか皮肉な結果ではありますが、スリルを味わえるという点で居酒屋さんなどでイベントっぽくダッチオークションを組み合わせると面白いかもしれません。落札者以外の人がスリルを味わえるという点で体験型のイベントにピッタリですね。


この記事は以下を参考に書きました。
Karlsruhe Institute of Technology. "Time pressure enhances thrill of auctions." ScienceDaily, 3 Jan. 2013. Web. 9 Jan. 2013.

(文・絵: やまざきしんじ)
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2013年01月07日

ダイエットの失敗理由トップ4

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新年を迎えて、様々な目標を立てている方がいますね。よくある目標としては、ランニング、英語の勉強、ダイエット、読書などでしょうか?昨年と全く同じ目標を立てた方もいるかもしれませんね。

ロヨラ大学の栄養と体重管理の専門家Jessica Bartfieldによると、20%の人だけがダイエットに成功するそうです。それでは、ダイエットのポイントはどういうものでしょうか?ダイエットのコツは”新年の決意”や”ガッツ”でなく、”技術”です。


それでは、ダイエットの技術を高めるために、Bartfieldが挙げたダイエットで失敗する理由のトップ4を見て行きましょう。

1.食べるもののカロリーの過小評価
専門家も含め多くの人は、自分の食べるカロリーを過小評価します。計量カップとスプーンできちんと測ってみると、意外と多いことに気づきます。

2.消費するカロリーの過大評価
1週間あたり1キロの体重を減らすためには、1日あたり1100kcalを削減する必要があります。これを運動で行うためには、毎日120分以上の活動が必要です。
毎日30分だけ、軽運動の時間を増やすようにするのが現実的で、毎日1万歩歩くことを目指しましょう。しかし、このことは食べることを正当化できませんので注意しましょう。

3.食事のタイミングが悪い
最適な食事タイミングは、起きて1時間以内に朝食を食べて、3,4時間ごとに健康的な食べ物を食べてください。また、新陳代謝を安定させるために、5時間ごとには何かを食べましょう。

4.睡眠時間が短い
睡眠時間が6時間未満だと、グレリンという食欲を刺激するホルモンが高くなるという研究があります。さらに、睡眠時間が少ないと、ストレスを増すコルチゾールのレベルが上がってしまいます。


これは具体的なダイエットの方法ではないかもしれませんが、この4つの理由には思い当たる人が多いのではないでしょうか?


この記事は以下を参考に書きました。
Loyola University Health System. "Top four reasons why diets fail." ScienceDaily, 3 Jan. 2013. Web. 7 Jan. 2013.

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年10月21日

古い小説や映画を何度も消費するのは前向き?後ろ向き?

皆さん、お気に入りの小説やテレビ番組はありますか?

私は高校時代に読んだお気に入りの小説があります。5冊の長編小説なんですが、これまで50回くらいは読んでいて、結婚するまでは1年に一回以上、今でも2年に一回は読み返しています。


また、スティーブ・ジョンソンの「ダメなものは、タメになる テレビやゲームは頭を良くしている」という本では、最近のテレビ番組はDVDを売るためにプロットなどが複雑になっており、昔のドラマは1回見たら終わりというのに対して、何度も何度も見直して楽しめるような作りになっているということが述べられていました。
これは確かにその通りで、最近のドラマは何話にも渡る伏線の貼り方が、注意して見ないと気づかないちょっとした他の番組のパロディといったものが多く取り入れられています。




このようなコンテンツの繰り返しの消費についてScientific American MINDの2012 11/12月号の中に面白い記事がありました。"Why You Like to Watch the Same Thing Over, and Over, and Over Again"(なぜ、あなたは同じものを何度も何度も何度も見たがるのか?)という記事です。

この記事は、アメリカン大学のCristel Antonia Russelと、アリゾナ大学のSidney J. Levyの二人のマーケティングの調査を紹介しています。

コンテンツの繰り返しの消費は、楽しいこと、興奮すること、リラックスすることが分かっているので繰り返すということが基本としてあります。

さらに昔見たものと同じコンテンツを消費することで自分の成長を確認したり、もしくは自分の昔の失敗を思い出したりするという効果があります。

この記事では、「調査の前は、人はノスタルジーのような過去に戻るために、繰り返し消費をしていると思っていたが、実際にはとても前向きで将来を見たものだった」と述べています。


この記事を読んで、いつもの小説をまた読み返したくなりました。

(文: やまざきしんじ)
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2012年09月18日

男女の健康管理観はちがう?

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オーストラリアのメルボルン応用経済・社会研究所のDeborah Cobb-Clarkらは、オーストラリア世帯・収入・労働動態調査(HILDA)の7682家庭、13969人のデータを元に、カロリーを取り過ぎない、運動をする、タバコを吸わない、飲み過ぎない、といった健康的なライフスタイルの研究を行いました。


この研究は、健康に関しての「これまで自分が管理できている」という感覚と、食事、運動、飲酒、喫煙などについて、実際の健康的なライフスタイルをしているかどうかの関係に注目したものです。

この研究では「これまで自分は健康管理ができている」と感じていると、より健康的なライフスタイルをしていることが分かりました。たしかに、自分が健康管理が出来ていると感じていれば、自己効力感も増し、さらに健康的なライフスタイルになりそうです。


また、この研究によると、「これまで自分は健康管理ができている」と感じている女性は、男性よりもより健康的なライフスタイルをしており、そのライフスタイル自身に満足をしていました。一方、「これまで自分は健康管理ができている」と感じている男性は、女性よりもより自分が健康になれると感じていました。

このことは、この研究から踏み越えてしまう結論ですが、男性は健康自身が目的であり、女性にとっての健康にはその先の美容とワンセットで「美容と健康」と2つの軸があるからかもしません。


もちろん健康的なライフスタイルについては、「これまで自分は健康管理ができている」という感覚以外にも様々な要因があります。元の論文では、いろいろな分析がされているので、興味のある方は(英語ですが)見られると面白いと思います。

この記事は以下の論文を参考に書きました。
Deborah Cobb-Clarkら, 2012, "Healthy Habits: The connection between Diet, Exercise, and Locus of Control", Melbourne Institute Working Paper No.15/12

(文・絵: やまざきしんじ)

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2012年09月09日

なぜ、社会は変わらないか? システム正当化バイアス


社会はそのままであろうとします。反乱は、人類の歴史の中で、苦しみへの反動の時にだけ起こります。そして、私たちは反抗をするよりも、搾取を認め、ずっと権威に従ってきたのです。


どうして社会はなかなか変えられないか疑問に思ったことはありますか?ほとんどの人は、そう考えたことがあるはずです。

人にはそのままの状態を維持したい心理的な傾向がある、というのが一つの答えです。新しいどうなるか分からない選択をするよりも、知っていることを続けてしまうのです。

人は、変化の可能性に直面すると、いつものやり方に安心を感じます。このことは、どうして人は以前買ったものをまた買うか、いつも同じレストランに行くのか、同じ意見を擁護し続けるのか、といったことを部分的に説明します。

これは、”システム正当化バイアス”(system justification bias)と呼ばれ、Jostら2004の研究で、同じような効果が述べられています。

・貧しい人が、なぜか自分たちの立場を改善するような政策をそれほど強く支持しません。研究によると、低所得のグループが自分たちがもっとお金を得らるような税の変更に対して、高所得のグループよりも支持しませんでした。これは、支持される政策が、社会の地位に関係がないことを示します。
・奇妙なことに、より不利になる人が、恩恵のないシステムをより支持します。このことは、認知的不協和によっても説明ができます。あるアメリカの低所得のラテン系住民は、高収入のラテン系住民よりも、より政府当局を信頼しているのです。
・もっとも不穏なものとして、より公平でない社会では、人々はより社会システムを正当化します。より男女差別の価値観を男性が持っている社会ほど、女性は社会システムをより支持します

公平でない社会について、貧しい人は一生懸命働かないから貧しく、金持ちはそれに値するようことをしているから金持ちだといったように、そこにいる人は社会システムを正当化するのです。

これが、クリスマスにいつも七面鳥を食べ続けている理由と同じものです。


この記事はPSYBLOGの"Why Society Doesn’t Change: The System Justification Bias"を翻訳したものです。太字による強調は訳者によります。

(翻訳: やまざきしんじ)
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2012年09月01日

損切りは難しい?

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オハイオ州立大学のItzhak Ben-Davidらの研究は、株式の投資家の行動に関するものです。

この研究は、ディスポジション効果(disposition effect)に関するものです。このディスポジション効果というのは「投資家は、株価が上がった時は比較的早く売るが、下がった時にはなかなか売らない(損切りしない)」というものです。

このディスポジション効果については、様々な研究があり、この理論を支持するものもしないものもあります。


Ben-Davisらは、1990年から1996年の大型ディスカウントブローカーの77000口座の株式取引の分析しました。この研究結果によると「投資家は、ちょっとした下がった時よりも、ちょっと上がった時に売るという可能性は高くなかった」ということが分かりました。つまり、ディスポジション効果はないということです。


ちなみに、より損失がある人は、下がった株をより早く売る(損切りをする)ことが分かりました。また、男性と頻繁に株取引をする人は、上がった株をより早く売る(利確する)ことが多いことがわかりました。


この研究は、ディスポジション効果自体はなく、人はむしろそのような傾向よりも、別の傾向に依存しているということを示しています。実際に、私たちはディスポジション効果があるかないか、ということよりも、そのような傾向があるかもしれないので注意して冷静に売買をするということでしょうか。...私はバイ&ホールド派ですが。


この記事は以下を参考に書きました。
Itzhak Ben-David他, 2012, "Are Investors Really Reluctant to Realize Their Losses? Trading Responses to Past Returns and the Disposition Effect.", Review of Financial Studies, 2012; 25 (8): 2485 DOI: 10.1093/rfs/hhs077

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年08月20日

消費のペースを落としてみる

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新しくゲームを買った時に、最も楽しむためにはどうすればいいのでしょうか??
買った瞬間から、徹夜してガンガン遊びこむ?それとも、1日2時間までに制限して、ちょっとづつ遊ぶ??



直感的には徹夜で遊びこんだ方がよさそうですが、一方で、消費から得られる満足感がすぐに逓減(ていげん 次第に減っていくこと)していきそうな気もします。


カーネギーメロン大学のJeff Galakらはこのような消費から来る満足感についての研究を行いました。

この研究によると、消費者は、食べ物やビデオゲームを、
・相手が選んだペースで消費する
・自分で選んだ自由なペースで消費する
・自分で選んだペースだが、あまり早く消費し切らないよう制限つきで消費する
という3つのパターンでそれぞれどのくらいの満足感があったかを調べました。


すると、「自分で選んだペースだが、あまり早く消費し切らないよう制限つきで消費する」消費者が一番満足度が高いことが分かりました。これは、そのままどんどんと消費してしまうと満足度が低下してしまうので、消費ペースを抑えることで満足度が高いままで消費できるようなのです。

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この研究は、消費者として、普段のお金のお金や消費の仕方のヒントをくれます。最近は、このようなポジティブ心理学系の研究が増えてきましたが、まだまだ私たちも工夫の余地がありそうです。



この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "Don’t burn out: Enjoy your favorite products more by consuming them less frequently." ScienceDaily, 14 Aug. 2012. Web. 20 Aug. 2012.


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年08月18日

自信がある人には、どういう広告が有効?

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香港大学のEcho Wen Wanらは、消費者の自信と消費の関係について調べました。

この研究では、自信を持っている人はより抽象的なものに注意を払い、自信がない人はより具体的なものに注意を払うことが分かりました。


実験の中では、自信がある人は商品のより抽象的な広告に注意を払い、自信がない人はより具体的な広告に注意を払いました。また、健康についての広告については、自信がある人はより長期の健康を訴える広告に注意を払うことが分かりました。


この結果はどのように考えればいいのでしょうか??顧客セグメントを考える時に、商品やジャンルに対して自信があるかどうかで、適切な広告が変わってくるということです。自信がない顧客にはより具体的な特徴を伝え、より具体的なメリットを伝えることです。そして、自信がある顧客には、より抽象的なイメージや長期的な使用をイメージさせるといったことが考えられます。


この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "Targeting confident consumers? Focus on high-level product features." ScienceDaily, 14 Aug. 2012. Web. 18 Aug. 2012.


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年07月18日

オークションでは赤を使え


色にはさまざまな力があります。いや、心理的な影響があります、というべきでしょうか。これまでもさいころニュースでは、"女性=ピンクの落とし穴"”やっぱり男性にモテる服””やっぱり女性にモテる服の色””ビールは缶の色も大事”などいくつか色に関する研究を紹介してきました。

今日はバージニア工科大学のRajesh Bagchiらは色とオークションとの関係について行った研究を紹介します。

1つめの実験のeBayにWiiを出品するというテストでは、赤い背景では入札時に平均$20.82づつ金額が上がりましたが、青い背景では平均$19.22づつだけ金額が上がりました背景の色で入札時の金額の上がり幅が8%も増えるのです。ちなみに、背景の色は商品の金額の評価自体は変えませんでしたが、他の入札者との競争を煽ることはできました。


2つめの実験はオークションでなく$790のパッケージ旅行に、いくらなら買うかと聞くものです。この実験では、赤い背景では平均$684、青い背景では平均$712のオファーがありました。オークションとは違って金額が低いのは、オークションでは赤い色が他の落札者との競争になっていたのが、この実験では売り手vs買い手という対決になっているからと考えられます。


この実験は、赤い色が興奮させるために起こる当たり前のことという解釈もできますが、実際に店舗やウェブサイトの実験の際のヒントになるのではないでしょうか?

服の色の実験もそうですが、赤は様々な効果がありそうな面白い色ですね。


この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "Selling on eBay? Get higher bids with a red background." ScienceDaily, 17 Jul. 2012. Web. 18 Jul. 2012.
Rajesh Bagchiら, 2013, "The Effect of Red Background Color on Willingness-to-Pay: The Moderating Role of Selling Mechanism.", Journal of Consumer Research, February 2013


(文・絵: やまざきしんじ)

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2012年07月17日

商品カテゴリでも真ん中効果

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昨年、”真ん中効果(center-stage effect)”という記事を書きました。これは、人間は真ん中のものを選んでしまうというものでした。


今回もこの真ん中効果に関係する研究の紹介です。フランスのHEC ParisのSelin Atalayらの研究は、真ん中と商品選択に関係するものです。

研究の1つめは、ビタミン剤、ミールスナック(カロリーメイトみたいなやつ)、エネルギードリンクを消費者がどう探すかを視線追跡システムで分析したものです。すると、人は商品の決定の5秒前に真ん中のものを注視していることが分かりました。ちなみに、自分では真ん中を注視していることは認識していませんでした。

また2つめの実験では、たとえば栄養ドリンクを探している時は、様々な栄養ドリンクの中からその商品カテゴリの真ん中のものを選びがちであることが分かりました。これは、商品カテゴリでの真ん中のものであって、棚の真ん中というわけではありません。


真ん中効果もなかなか面白いですね。是非、お店に自社の商品をおいてもらう時や、ウェブ上でサービスを宣伝する時には注意してください。

この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "Are consumers aware that they are drawn to the center when choosing products?." ScienceDaily, 16 Jul. 2012. Web. 17 Jul. 2012.


(文: やまざきしんじ)
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2012年07月13日

なぜ中小企業の社長さんは、神社に寄付するのか?

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中小企業の社長さんがよく神社に高額の寄付をしたり、社会貢献に熱心なのを見ます。これってなぜでしょうか?お金がたくさんあればノブレス・オブリージュとして、社会貢献するのは当たり前という考え方もあります。でも、きっと別の説明もありそうですよね...


バージニア大学のBenjamin Converseらの研究は、コントロールできないことと寄付に関するものです。この研究によると、人は自分がコントロールできないものに直面すると寄付をする金額が上がるというのです。

実験では、被験者にお金を渡してから、いくつかの文章を読んでもらい、そして寄付を頼みます。すると、「大事なテスト、就職面接、病院での診断結果など、人生における重要な事柄について、未知の結果からしばしば学ぶ」といったような、コントロールできない事柄についての文章を読んだ被験者は、より寄付の金額を増やすことが分かりました。

また、さらに、このような寄付をした人は、物事が自分が望んだ結果になるとより考えるようになります。つまり楽観的になるのです。


この実験は、仕事をすれば定期的に給料がもらえるサラリーマンと違って、自分の意思決定やさらに様々な環境要因によって業績や生活が変わってくる経営者がより寄付をする傾向があることも示してくれそうです。

また、寄付というのは、自分自身の余裕にもなりますが、結果について楽観的になる潤滑剤という役割をも果たしているようですね。


この記事は以下を参考に書きました。
Benjamin Converseら, 2012, ”Investing in Karma: When Wanting Promotes Helping.", Psychological Science, 2012

Association for Psychological Science. "Investing in karma by doing good deeds." ScienceDaily, 9 Jul. 2012. Web. 13 Jul. 2012.


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年07月11日

宝くじに当たったら、強気?弱気?

リスク傾向と頻度.jpg

人生の様々なことは確率的に発生します。もっと簡単に言えば、人生は偶然に左右されます。

そういえば、以前セキュリティ製品を販売していた時は、情報漏えい事件などが報道されると商品が売れるといったことがよくありました。人間は、このように偶然の事故があるとリスクを回避しようとするように思えます。

これは、稀に起こる悪いことがリスクを回避させようとしているとも考えられます。それでは、宝くじに当たるといった稀に起こる良いことがあったら、どうなるでしょうか?

稀に起こることを過大に見積もってリスク傾向を助長するのでしょうか?それともリスク傾向は抑制されるのでしょうか?


ケースウェスタンリザーブ大学のHeath Demareeらの研究はこのリスク傾向に関するものです。被験者は架空の50ドルを持ってゲームをします。13%の確率で勝てるジャックポットつきのスロット、50%の確率で勝てるスロット、87%の確率で勝てるがほとんど得しないゲームの3つのゲームを被験者に割り当てて25回づつゲームをしました。ちなみにどのゲームも長時間やると、損も得もしないように設計されています。

被験者がこれらのゲームをやった後に、リスク傾向を調査すると、13%で勝てるゲームで勝ったり、87%で勝てるゲームで負けたりといった稀な結果が起こるとリスク傾向が抑えられることが分かりました。逆に50%で勝ったり負けたりするゲームをするとリスク傾向が助長されます。

つまり、良いことにしろ、悪いことにしろ、稀なことが起こると、人はリスクを取ろうとする傾向が抑えられ、安全志向になるようです。


この記事は”Case Western Reserve University”の"A Surprise Win or Loss Impacts Taking Future Risks"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年07月02日

人気のカードはどのカード?

トランプの心理学.jpg

トランプのカードと言われて思い出すのは、どのスート(種類)のどのカードですか?


ある程度の年代の人なら、キャンディーズの「ハートのエースが出てこない」という歌のサビを思い出すかもしれません。

それでは、「この52枚のトランプから一枚だけ選んで伏せて下さい」と言われたら何を選びますか?


カナダのサイモンフレーザー大学のJay Olsonらの研究は、ジョーカーのない52枚のトランプがどのように好まれ、そして覚えられやすいかというものです。

この研究によると、ナダのブリティッシュコロンビア大学の大学生96人の被験者に1/10秒だけカードが提示された時、被験者が一番識別したものは、スペードのエースでした。そして、次にスペード以外ののスート(種類)のエースでした。また、エース以外にも、スペードは見やすいという結果になりました。また、0.25秒だけカードを表示していき、覚えられやすいカードを調査すると、やはり一番覚えやすいのがスペードのエースで、次にスペード以外のエースが覚えられやすかったです。また、JQKという図柄のカードは覚えられにくかったという結果になりました。


また、48人の被験者に2つのカードからどちらのカードが好きかを調べる調査では、一番好まれたのはハートとスペースのエースでした。また、スートとしては、ハート、そしてスペードが好まれている事がわかりました。また、女性は2や3といった数字の小さなカードを男性よりも好むことが分かりました。

また、オンライン、およびオフラインで、「任意のカードを選んでもらう」という実験では、一番選ばれたのはスペードのエースでした。また、ハートのエース、クイーン、キングも人気のあるカードでした。一方、一番選ばれなかったのは6で次に5でした。

なお、詳細なデータは"Psychology of Magic"のページに詳しいです。論文や各カードごとのデータも読めます(英語ですが)


トランプのカードの研究というのはあまり心理学っぽくないですが、手品の心理学という切り口で研究しているのは面白いですね。

この記事は以下の論文を参考に書きました。
Olson J A., Amlani A. A., Rensink R. A. (2012). Perceptual and cognitive characteristics of common playing cards. Perception, 41(3), 268–286. doi:10.1068/p7175

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年06月29日

本の重さは中身次第

ほんだな.JPG

皆さんが持っている本の重さはどのくらいでしょうか?

私が持っている一番重い本は未読の”西洋古典学事典”です。判型が大型で1675ページもありますが、中を読むとさらに重く感じるようになるかもしれません。


プリンストン大学のJesse Chandleraらの研究は、本の重さを人がどう感じるかというものです。この研究によると、人はその本の重要性を知ると本の重さをより感じるようです。

本の内容が”重要”な場合は、本の内容をよく知っているとあまり知らない人よりも、本の重量を重く感じます。

逆に、本の内容が”軽い”場合は、本の内容をよく知っているとあまり知らない人よりも、本の重量を軽く感じるのです。


そして、これらの感覚の差は10%以上にもなるようです。人の感覚は、周りの状況や知識によって変わるといった実験はいろいろありますが、重さと本の重要性もやっぱり関係があるんですね。


この記事は以下を参考に書きました。
Jesse Chandlerら, 2012, "To judge a book by its weight you need to know its content: Knowledge moderates the use of embodied cues", Journal of Experimental Social Psychology Volume 48, Issue 4, July 2012, Pages 948–952


(文・絵: やまざきしんじ)


事典なので、まだ通読していません。通読したらもっと重くなるかもしれません^^;;

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2012年06月27日

値段を決めると後悔の法則

オファーすると悲しい.jpg

オークションで競り合いをして後悔をしたことはないでしょうか?普通のお店で15,000円で売ってるものを、10,000円で買えたらラッキーと8,000円くらいで入札して、競り合った結果13,000円で買っちゃったなんてことありませんか?

もちろん、お店なら15,000円で売ってるので、2,000円安く買ったとも言えますが、別のタイミングなら10,000円で落札できたかもしれません。


ミシガン州立大学のDonald Conlonらの研究は、このような消費者の行動に関するものです。この研究によると、消費者は値段を決める側に回るのを好まないのです。

経済学的というか理論的に考えるなら、安い値段から順にオファーしていって、自分が妥当と思える金額までをオファーするだけなので値段を決める側に回っても問題ない気がします。

しかし、実際には人は自分のオファーを拒否されるとネガティブな気持ちになります。友達の持ってる素敵な服に対して「それを5,000円で売って!」とはなかなか言いづらいのは、「いやだ!」という言葉が怖いからです。

また、自分が値段をオファーした場合は購入しても後悔が残ることがあります。友達の持っている素敵な服に対して「それを10,000円で売って!」と言った時に、「いいよ!」と言われても、実は8,000円くらいで買えたんじゃないかとか5,000円が妥当だったんじゃないかとか考えてしまうのではないでしょうか?


一般的にはオークションというのは安く買うためのいい方法ですが、むしろ高く売るための売る側に良い仕組みなのかもしれません。行動には、入札する側、値段を決める側にリスクを伴うということですね。

ちなみにオークションでなくて通常の売買でも、消費者が値決めをするという機会はいろいろとあります。例えば電気屋さんで商品を値切る時などですよね。うる側からすると、このような時に消費者にオファーさせない(お店がオファーをリードしていく)というのが、結局は消費者が満足する方法なのかもしれません。


この記事はミシガン州立大学の"Make me an offer, say online shoppers"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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