2012年06月20日

手を止めると、ギャンブルも止まる?

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「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」というのはジェームズ・ランゲ説として知られていますが、これは身体の変化がきっかけで感情を生むというものです。

イギリスのエクセター大学の Frederick Verbruggenらの研究は、手の動きがギャンブル行動に関係をしているというものです。

この実験では、高リスクと低リスクのギャンブルをキーボードで選択するというコンピュータゲームを被験者が行いました。このゲームをする時に、たまに「キーボードを押さない」という行動が入ると、人は高リスクのギャンブルを選択することが減るのです。つまり、手を止めるという行動をすることで、人はリスク行動を減らすのです。

そして実験から、この「たまに止める」という行動をすることでは、高リスクの行動を10〜15%程度減らすことができ、また、この効果は少なくとも2時間持続することが分かりました。


この結果はなかなか面白いもので、特に2時間も持続するというのが意外な結果でした。車の運転をする前に停止ゲームのようなものをすることで、事故率を減らすといった応用が考えられそうですね。効果はごくわずかかもしれませんが..^^;;


この記事は以下を参考に書きました。
University of Exeter. "Training people to inhibit movements can reduce risk-taking." ScienceDaily, 14 Jun. 2012. Web. 20 Jun. 2012.

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年06月13日

株式投資で、いいこと、悪いことどっちを見る?

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先日書いた「いいこと?悪いこと?どっちを見る?」という記事では、ハイヒールなどのファッションアイテムについて、良い幻想を持ってる人と、疑問を持ってる人がそれぞれ長所と短所について読む時間の差を説明しました。


同じニューヨーク大学のHeather KappesとGabriele Oettingenの研究から、今度は株式投資を使った実験を紹介します。

この実験は、オンラインでの株取引ゲームを使ったものです。被験者は18歳から66歳、平均29歳で、145人の男性、62人の女性の合計207人をウェブサイトで集めました。被験者の20%がアメリカ人で、80%はアメリカ国外に住んでいます。


最初に被験者は今後、株式投資を行うつもりがあるかどうかを尋ねられます。その後で、株式投資のいい面を考える幻想群と、株式投資の悪い面を考える疑問群の2つのグループに分けられます。

幻想群の被験者は「あなたが株式投資で大成功することを想像してください。お金を手に入れれば、旅行にいったり、ショッピングしたり、生活が充実します。あなたの株式投資が成功して、どれほど素晴らしいか考えてください」といった株式投資に幻想を持つような文章を読みます。

一方、疑問群の被験者は「株式投資でどこまで成功するでしょうか?たくさんのお金を稼ぐかもしれませんし、そうでないかもしれません。もしたくさんお金を手に入れることができるならば、旅行にいって、ショッピングしたり、生活が充実するでしょう。もしあなたの決定が成功したなら、どれほど素晴らしいか考えてください」といった株式投資の良い面とそれに対する疑問が含まれた文章を読みます。


この後で、被験者は、株式投資に関する6つの資料を読みます。ここで株式投資に対する長所と短所の資料それぞれを読む時間を測りました。

幻想群、疑問群のそれぞれが株式投資の良い面について読んだ時間と、悪い面について読んだ時間の差を以下のグラフに示します。グラフの上にいくほど良い面について読んだことを示します。

株式投資のプロコン.001.jpg

このグラフを見て分かるように、株式取引に幻想を持ってる人(いいと思ってる人)は、やはり良い面を読む時間が多いことがわかります。また、実際に株式投資をするつもりがあると、全体的に良い面を読む時間が増えています


「いいこと?悪いこと?どっちを見る?」では、毎日ハイヒールを履くつもりの人は幻想群が悪い面を多く読み、疑問群は良い面を多く読むという逆転現象がありましたが、この株式投資の実験では逆転現象が見られませんでした。これはハイヒールを毎日履く、というのと株式投資では、そのリアリティに差があるからかもしれません。もしかすると、デイトレーダーになろうという位の意気込みの人の場合は逆転現象(悪い面を良い面よりもより読む)ということが起こるかもしれません。


最初に株式投資に幻想を持っていると、良い面をより読むという傾向は気をつけないといけないということです。


この記事は以下の論文を参考にしました。
Heather Kappesら, 2012, "Wishful Information Preference: Positive Fantasies Mimic the Effects of Intentions", Personality and Social Psychology Bulletin, 2012; DOI: 10.1177/0146167212446163

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年06月06日

アルコールを飲むと魅力的?

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アルコールを飲むと魅力的になるのでしょうか?それとも、アルコールを飲んだと思うと魅力的になるのでしょうか?


(実際は特に魅力的にはならないので、自己評価の話です)


フランスのグノーブル大学のLaurent Bègueらの研究は、これを明らかにするものです。この研究は2つの調査からなります。

1つめの調査は酒場の調査での19人を対象としたものです。この調査では、お酒をたくさん飲んだ人は、より自分を魅力的と考えていることが分かりました。飲めば飲むほど、自分が魅力的と感じるみたいです。


2つめの研究では、94人の被験者が、偽のテイスティングを行います。このテイスティングでは、被験者はアルコール飲料かノンアルコール飲料かどちらかを飲みます。この時、それぞれのメンバーの半分は、アルコールを飲んだと思わされ、残りはアルコールを飲んでないと思わされています。つまり、被験者は、アルコールを飲んだ・飲んでいない、というのと、飲んだと思ってる・飲んでないと思ってる、という2つの条件に分かれているのです。


この後で被験者は、スピーチをします。その後、自分のスピーチがどのくらい魅力的で、楽しいものだったと思うかを質問されます。

すると、自分がアルコールを飲んだと思っている人は、自分のスピーチをより魅力的と評価しました。つまり実際に飲んだかどうかでなくて、飲んだと思ってるかどうかが大事なのです。ちなみにこの演説のビデオを別の人が評価しましたが、その結果は、アルコールを飲んだかどうか、アルコールを飲んだと思っているかどうかと、スピーチの魅力は関係がありませんでした。


つまり、人は実際にお酒を飲むかどうかでなく、お酒を飲んだと思っているかどうかで魅力の自己評価が変わっているんですね。面白い研究です。


この記事は以下の論文を参考にしました。
Laurent Bègueら, 2012, "‘Beauty is in the eye of the beer holder’: People who think they are drunk also think they are attractive", British Journal of Psychology. , DOI: 10.1111/j.2044-8295.2012.02114.x


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年06月05日

いいこと?悪いこと?どっちを見る?

ハイヒールの幻想.jpg

ニューヨーク大学のHeather KappesとGabriele Oettingenの研究は、ポジティブな幻想を持ってる人は、いいことと悪いことのどちらに注目するかというものです。この研究から1つの実験を紹介します。

アメリカでの77人の女子大生を対象とした実験です。この実験は17歳から23歳を対象としたハイヒールについての調査です。調査は全てコンピュータ上で行います。最初に被験者は、ハイヒール、スキニージーンズ、幅広ベルト、アンダーワイヤーブラ、リュックサックを、翌年にどのくらいの頻度で使うつもりかを尋ねられます。

次の3分間で画面に「美しいハイヒールを想像してください。それをあなたがはくとどんなにすてきでしょう。想像してください」といった文章が表示されます。

その後で、半分の人には「これらのハイヒールは素敵です。どれほどいいか、どれほどクールか。想像してください」といった内容が表示されます。もう半分の人には「しかし、すべてのハイヒールがそこまでは素晴らしくないかもしれません。あなたが考えているほど本当にクールでしょうか?あなたは本当にすばらしいでしょうか?」といった疑問が表示されます。
つまり、事前に被験者は、ポジティブな幻想をする(幻想群)か、疑問を持つ(疑問群)かの2つのグループに分けられるのです。


そのあとに、被験者はハイヒールに関しての長所と短所が書かれたウェブの文章を読みますが、この時に長所と短所を読んだ時間をそれぞれ計測します。

この長所を読んだ時間と短所を読んだ時間の差が下になります。

長所と短所の時間差.001.jpg

これを見て分かるように、幻想を持っている人は使用する気があまりない場合は長所に注目し、実際に毎日使うようなつもりがある場合は短所により注目します。一方、疑問を持っている人は使用する気があまりなければ短所に注目しますが、毎日使うつもりの場合は長所により注目します。

時計好きが、実際に買うつもりがない高級腕時計は雑誌でいい情報ばかり読んで、自分が実際に買いそうなデジタル時計については性能面についていい面と悪い面をウェブなどで慎重に比較するというのと似ているでしょうか?


人がいい情報と悪い情報のどちらを好むかというのは、幻想群と疑問群に対応するそのものへの態度と、実際にどのくらいそれと接するつもりかの2つによって変わってくるということですね。

この記事は以下の論文を参考にしました。
Heather Kappesら, 2012, "Wishful Information Preference: Positive Fantasies Mimic the Effects of Intentions", Personality and Social Psychology Bulletin, 2012; DOI: 10.1177/0146167212446163

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年05月31日

高齢者ドライバーの85%は運転に自信アリ!

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以前書いた「8割の学生は自分の実力を過大評価」という記事では、成績の悪い人の方が自己認識が甘いことを書きました。成績がトップクラスの人は自分の順位が実際よりもより低いと判断しますが、成績が下位の人(というか8割くらいの人)は自分の順位が実際よりも上だと評価します。

これは人のメタ認知能力が低く、自分の能力を評価することが出来ていないことをしめしています。


アラバマ大学のLesley Rossらの研究は、65歳から91歳、平均73歳の350人を対象とした運転能力に関する調査です。

この調査によると、85%の人が自分の運転能力が「良い」もしくは「素晴らしい」と認識していました。なお、自分の運転能力の評価は、過去5年間の事故とは無関係でした。つまり、過去5年間に事故をしていようがしていまいが、自分の運転能力は高いと考えているのです。


この結果は2つのことを示しています。学校の成績と同様に、運転能力についてもメタ認知能力はそれほど高くないということです。2つめはやはり老人の運転能力は少し怖いというものです。もし、身内で事故をした人がいたら、「あれは偶然で自分は大丈夫」と言われても、「運転は控えるように」とアドバイスしてあげてください。

この記事は以下を参考に書きました。
University of Alabama at Birmingham. "Gap exists between seniors' opinion of driving ability and performance." ScienceDaily, 29 May 2012. Web. 31 May 2012.

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年05月30日

プロフィール写真のアジア人とアメリカ人の差

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フェイスブックのプロフィール写真はどういうものがいいのでしょうか?これまで様々な記事を書きました(右側のソーシャルネットワークの心理学を見て下さい)


イリノイ大学のChih-Mao Huangとテキサス大学のDenise Parkの研究は、プロフィール写真と国民性の差異に着目したものです。

まず、台湾人とアメリカ人のプロフィール写真の顔の比率を見てみましょう。これは200人の大学生を対象にしたものです。

アジアとアメリカ人001.jpg

このグラフを見て分かるように、アメリカ人の方がより顔が大きく写った写真を使っているようです。また、住んでいる場所によっても、写真の顔の大きさは影響を受けているようです。

次にアメリカ人と東アジア人、それぞれ156人ずつの312人を対象としたプロフィール写真のうち何%の人が、全身、顔と身体の一部、顔を写真に載せてるかを示したものを示します。

アジアとアメリカ人002.jpg

これを見て分かるようにアメリカ人の方が、より大きく顔を出しているようです。


次に同じ写真で、どのくらいの笑顔をしているかの比率です。

アジアとアメリカ人003.jpg

このデータでは、かなり笑顔のタイプが違うことが分かるのではないでしょうか。アメリカ人の方が大きく笑ってますね。

これらのデータから分かるようにプロフィール写真にもやはり国民性が出ているようです。以前行ったソーシャルネットワークの心理学のセミナーの中で参加者のディスカッションの中でも、やはり大きく写っていることと、自然な笑顔が好印象ということは分かっています。しかし、アジア人は照れがあるのかなかなか大きく笑顔で写っていないみたいですね。

ちなみに、昨年書いた”Facebookの顔出し比率は、男性67%、女性61%”という記事では、あまり日本では写真を出していないようでしたが最近は顔出ししている人も増えてきたようです。また、調査してみたいと思います。


この記事は以下の論文を参考にしました。
Chih-Mao Huangら, 2012, "Cultural influences on Facebook photographs. ", International Journal of Psychology, DOI: 10.1080/00207594.2011.649285

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年05月26日

広告では「私たち?」、「あなたと私?」

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広告の文章を書く時には、「あなたと私!」と呼びかけるのか、「さいころユーザーの私たち」と呼びかけるのがいいのか、どちらでしょうか?

商品と感情的な結びつきの強いMiniのユーザーやハーレーダビッドソンのユーザーは、きっと会社から「私たち」と言われても違和感がないでしょう。一方、ティファールのフライパンユーザーが、メーカーから「私たち、ティファラー」とか言われると違和感がありそうです。

フロリダ大学の Aner Selaらの研究は、消費者とブランドとの関係と、ブランドからの呼びかけ方に関するものです。

この研究によると、ブランドから消費者へ「私たち」と呼びかけることで、より親近感を持ち、アイデンティティを共有します。ただし条件があって、消費者が既に親近感を持っている場合のみです。


実験では、被験者がウェルス・ファーゴ銀行とアテナという健康保険会社の広告から引用したもの読みました。すると、被験者は健康保険会社よりも銀行により親近感を持っていることが分かりました。まぁ、健康保険は更新の時期くらいしか会社とは接触しないからでしょう。

ちなみに広告では、「私たち」と書いたもの、「あなたとウェルズ・ファーゴ」と書いた2つのバージョンを用意しました。すると、ウェルズ・ファーゴを既に使っているお客さんにとっては、「私たち」と書いた広告がより効果ありました。

一方、アテナでは、顧客であるかどうかに関わらず「あなたとアテナ」と書いた広告がより効果ありました。


つまり、ウェルズ・ファーゴのように親近感を持ちやすいブランドの場合は、既に使用しているユーザーに対しては「私たち」と呼び掛け、それ以外の親近感を持ちにくいブランド、まだ使っていないユーザーに対しては「あなたと**」のように「私たち」を使わないのが有効なようです。

確かに、見ず知らずの人から馴れ馴れしく「私たち」と言われると反発したくなる気持ちが分かります。また、感情的に訴えるブランドの場合はユーザーは「私たち」と言いたくなる気持ちも理解できます。広告だけでなく、新規顧客率や親近感で、店員の対応やお店のデザインなどを変えるのがベストということかもしれません。また、広告も顧客向けか非顧客向けかの媒体によって呼びかけが変わってくるということも示していますね。


この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "Why do consumers dislike corporate brands that get too familiar?." ScienceDaily, 16 May 2012. Web. 25 May 2012.

この記事の元の情報はこちら。
Aner Selaら, 2012, "We' Are Not the Same as 'You and I': Causal Effects of Minor Language Variations on Consumers' Attitudes toward Brands.", Journal of Consumer Research, October 2012


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年05月22日

「安全、安心な携帯」、「いつも興奮の携帯」どっちの広告がいい?

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カナダのトロント大学ロットマン校のJacob Hirshらは、適切な広告と性格特性の関係を研究しました。これは、324人の被験者を対象としたものです。

この研究では、性格特性ごとに効果的な広告が違うことが示されました。例えば外向的な人には「XPhoneで、いつも興奮を手に」といった広告が効果的ですが、神経症傾向がある人には「XPhoneは、安全で安心」といった広告が効果的です。つまり性格特性ごとにアピールするポイントが違うのです。

言われてみれば当たり前のことですが、この研究では年齢や職業などの属性だけでなく、性格特性によっても広告がターゲティングされないといけないということを示しています。


これは2つのことを示しています。1つめには、やっぱり広告作成側には受け手の気持ちは分からないということです。当然、性格特性は人によって違いますので、自分の視点でしか広告の評価ができません。

2つめには、広告の評価には実際の顧客に尋ねる必要があるのですが、その数は意外とたくさん必要かもしれないということです。単に、特定の年齢・職業といったバリエーションだけでなく、様々な性格特性についても考えないといけないということです。

逆に広告効果のアンケートをした際には平均値を見るのでなく、このように性格特性ごとに評価を分析することでより効果的な広告ができそうですね。


この記事はAssociation for Psychological Scienceの"Marketing Is More Effective When Targeted to Personality Profiles"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年05月17日

タイガー・ウッズから物を買いますか?

店員がタイガー・ウッズに似ていると、お店から物を買いたくなるでしょうか?有名人に似ていると得なことはありそうですが、タイガー・ウッズに似ている場合は微妙かもしれません。


ウィスコンシン大学マジソン校のRobin TannerとAhreum Maengの研究は、タイガー・ウッズの顔をモーフィング(コンピュータ処理をして2つの顔を混ぜ合わせるもの)すると、消費者にどのような反応があるかというものです。

この研究の中の1つの実験は319人の学生を対象としたものです。

まず、元画像のセールスマンの写真がありますが、これに35%だけタイガー・ウッズをブレンドしたものと、タイガーと同じくらいの年齢で魅力度の別人の男性を35%ブレンドしたものの2つの画像を用意します。

タイガー顔は高評価.003.jpg

上の画像の赤い四角の2つの画像が、タイガー・ウッズブレンドと、別人ブレンドの2つの顔です。真ん中の画像はいわれてみれば、タイガー・ウッズに似てなくもないなー、といったレベルじゃないでしょうか?


そして、まず167人の学生を対象としてこのセールスマンから買いたいかを、+5(ぜひ買いたい)から、-5(絶対買いたくない)までの11段階で評価してもらいました。ちなみにこれは、タイガー・ウッズのスキャンダル(不倫騒動)の前に評価したものです。

タイガー顔は高評価.001.jpg

結果を見て分かるように、タイガー・ウッズに少し似ているサラリーマンからは商品をより買いたいと評価されます。



次に、タイガー・ウッズのスキャンダルの3ヶ月後に残りの152人が同様に評価をしました。

タイガー顔は高評価.002.jpg

これを見ると分かるように、スキャンダル後はタイガー・ウッズに似ているセールスマンからは買いたくないと感じているようです。


この実験自体はとても面白いものだと思います。たまたま評価の途中でスキャンダルが起こったからできたもののようです。


さて、この実験は何を示しているでしょうか?写真を見て分かるように、タイガー・ウッズに似ていると言われないと分からないような程度でも、好感度に評価するということです。これからはCGやモーフィングなどを駆使して、消費者が分からないようにタレントの顔などと合成することで、知らない間に好感度が上がるようなマーケティング行われるかもしれませんね。


(この記事中の写真は論文から引用しました)

この記事は以下の論文を参考にしました。
Robin TannerとAhreum Maeng, 2012, "A Tiger and a President: Imperceptible Celebrity Facial Cues Influence Trust and Preference.", Journal of Consumer Research, December 2012, DOI: 10.1086/665412

(文: やまざきしんじ)
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2012年05月14日

新しいお店の設計方法

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ミズーリ大学のSo-Yeon Yoonらの研究は、レストランでお客さんが待つウェイティングスペースのデザインに関するものです。ウェイティングスペースは狭くすればそれだけ、お店側のコストは下がります。しかし、狭くすることで顧客の満足度は当然下がってしまいます。これをデザインで解決することで、より満足してもらえるようになります。それではどのようにすればいいのでしょうか?


この研究で分かったデザインのポイントは以下の3点です。

・ウェイティングスペースの壁は、曲がっているか、曲がっているように見えるようなデザインをすること。四角いスペースよりも、外からウェイティングスペース全体が見づらいため。
・いくつかのウェイティングスペースを用意する時、可能ならば、レストランでの別々の端に用意するように。
・ウェイティングスペースを植物や装飾品などで、レストランから分けて、混雑しているように見えないようにする

つまり、デザイン上プライバシーに配慮することです。混雑している感覚は人を覚醒状態にしてしまうので、ウェイティングスペースのデザインとしてはリラックするようにするのです。


この研究の面白いのは、YoonらはCGを使ったバーチャルリアリティで行ったことです。これからは、お店のデザインではCGモデルを作って、オンラインで募った評価者に見てもらって最終決定をするなんてことも増えていくんでしょうね。


Balakrishnan-iLab-presentation-1.jpg
(上の写真は参考URLとしてあげたミズーリ大学での研究の写真です)

この記事はミズーリ大学のImproved Waiting Area Design Increases Customer Comfort, MU Study Findsを参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年04月20日

ポイントカードの心理学

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さいころはポイントカードが大好きです。ポイントカードには、夢と心理学がいっぱい詰まっていそうです。

韓国のソンギュングァン大学のMinjung Kooとシカゴ大学のAyelet Fishbachの研究は、お店でのポイントカードについての研究です。

1つめの研究は韓国の寿司屋で行った実験で、907人の通常のお客さんにポイントカードを渡しました。なお、複数人で食べた時に一人にポイントが付けられることもあるので、最初から5ポイントもらっていたり(参加者の5.3%)、最初から7ポイントもらっていたり(参加者の2.9%)といったこともあります。

この実験では、ポイントカードを渡す時に2つのタイプのポイントカードのどちらかを渡します。1つは、空欄に寿司マークのスタンプを押していくタイプのポイントカード、もう1つは寿司マークが10個ついていてそれをパンチで穴を空けていくタイプのポイントカードです。スタンプ型はこれまでの個数を意識させるようなもの、そしてパンチ型のポイントカードは残りの個数を意識させるようなものです。

(上のイラストは書店っぽいポイントカードですが、実際にはお寿司屋さんのポイントカードです)


この2種類のポイントカードで顧客の行動はどう変わるのでしょうか?

ポイントカード形式.004.jpg

上のグラフは、サービスを受けられるまでの個数がたくさんの場合と、あと少しでポイントが貯まる時のポイントのタイプごとの使用率です。見て分かるようにスタンプ型の場合は残りのポイント数にあまり関わらず使用されましたが、残り個数を意識させるようなパンチ型の場合は残りが多いとあまり使われず、残りが少なくなると使われるようになります。

また、1ヶ月以内の使用率だけでなく、1回使われてから、次に使われるまでの期間を調べたのが下のグラフです。

ポイントカード形式.005.jpg

これはお店のポイントカードをどのような形にするかというものです。この結果からは、最初はスタンプを押していき、スタンプが一定数貯まると残りを意識させるようにして、残り3ポイントになったらシールを貼ってはがしていくといった形式がよさそうです。え?お店では難しいですか?

お店のポイントカードの使用だけでなく、実は会社や家庭内でのポイントカードをどうするかというヒントもくれます。ポイントは、実績を意識させるか、残りを意識させるかということです。


ちなみに家庭内でのポイントカードについては、”さいころのポイントシステム””コツコツやるにはポイントカード”という2つの記事で紹介しました。こちらもご覧ください。


この記事は以下を参考に書きました。
Minjung Koo and Ayelet Fishbach, 2012, "The Small-Area Hypothesis: Effects of Progress Monitoring on Goal Adherence", Journal of Consumer Research(未刊)


(文: やまざきしんじ)
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2012年04月17日

ノマドは所有しない

グローバルノマド.jpg

ノマドという言葉は日本でも流行ってきています。最近は、テレビですらノマドに関するものをやっているようですね。まだ日本ではノマドといっても、喫茶店で仕事をしてる程度の人を言うことが多いようですが、グローバルノマドとでもいう国の制約を受けない人も増えてきています。


ノースイースタン大学の Fleura Bardhiらの研究は、このグローバルノマドと所有についての関係を調査したものです。ノマド的な観点が、所有や消費文化とどのように関わっているかを、国連やIMFや銀行やNGOのために働いて1年の60%以上を旅行しているような人を対象として調査したものです。

この調査でわかったことは、グローバルノマドは彼らは持ち運び出来る電化製品のようなポータブルなものを必要としているということです。また、電子書籍やデジタルな写真のようなものを好むことが分かりました。


ノマドにとって、所有は目的ではなく、所有することにはあまり意味がありません。今後、グローバルノマドは、将来さらに広がっていくとも言われていますが。ノマドを消費者としてみた場合は、「所有から、使用へ」ということをもっと意識して商品・サービスを考えていく必要がありそうですね。

この研究は当たり前のことしか述べていないように見えますが、日本でも「所有から、使用へ」の流れは確実にあるのではないでしょうか?


この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "What is contemporary global nomadism and how does it affect materialism?." ScienceDaily, 16 Apr. 2012. Web. 17 Apr. 2012.


(文・絵: やまざきしんじ)





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2012年03月30日

大ボリュームで売上アップ

大音量でお酒たくさん.jpg

若者向けのバーは、うるさいところが多いですよね。黒くってうるさいのであまり好きではありません。個人的にはうるさいところはあまり話ができないので、あまりお店にプラスじゃないような気がします。それでは実際のところはどうなんでしょうか?


すっかりおなじみかもしれないフランスの南ブルターニュ大学のNicolas Gueguenの研究は、若者向けの人気のある2つのバーで行ったものです。このバーで40人の18歳から25歳の男性を対象としたものです。

※フランスでは16歳から飲酒可能です。

この実験は土曜日の夜3回使って行ったものですが、店を以下の2つの条件で酒がどのくらいでるのかを実験しました。
・通常の営業で使用している音量である72デシベルで音楽を流す
・お店側としてもこれ以上大きくは営業できない大音量の88デシベルで音楽を流す

この実験では8オンス(227ml)のよくあるサイズのグラスを使って行いました。被験者がお酒を飲むところやオーダー数を、こっそりと観察して記録を取るということで実験をしました。それでは、お店が通常の音量の時と、大音量の時でどっちがお酒がでるのでしょうか?

その結果が以下となります。

音量と酒量.001.jpg

意外な結果でしょうか?

データを見ると分かるように、大音量になると速く飲んでいるようです。この理由としては2つのものが考えられます。1つは大音量だと人間は覚醒状態になってしまうので、それでお酒をより飲むというものです。もう1つは、大音量によって時間間隔が狂ってしまい、その結果としていつもよりも速いペースで飲んでしまうというものです。

今回の実験からはどちらが原因なのかは分かりませんが、お酒を出すお店や時間いくらで場所代をもらうようなお店の場合は、BGMを出来るだけ大きなボリュームで流すのがいいかもしれませんね。


この記事は以下を参考に書きました。
Nocolas Gueguenら, 2008, "Sound Level of Environmental Music and Drinking Behavior: A Field Experiment With Beer Drinkers", Alcoholism: Clinical and Experimental Research Vol. 32, No. 10 October 2008


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年03月29日

魔法のタッチで売上アップ

魔法のタッチ.jpg

触ったもの全てを金に変えるギリシア神話のミダス王は触るもの全てを金に変える力(ミダス・タッチ)があったそうです。現代においては、ミダス・タッチといえば、AppleII、マッキントッシュ、ピクサー、iPod、iPhone、iPadに関わったスティーブ・ジョブズを思い出す人もいるかもしれません。え?NeXT?いや、いいマシンでしたと思いますよ。


さて、現代のミダス・タッチは実はそれほど難しいものでなく、誰にでもできるものです。さいころニュースではお馴染みのフランスの南ブルターニュ大学のNicolas Gueguenらの研究は男性141人、女性115人の合計256人の客を対象としたものです。実験はレストランの男性一人、女性二人の店員が訓練を受けて行いました。

客となる被験者がテーブルに座ると、店員が「レストランのメニューを持って参ります。お食事の前に食前酒はいかがですか?」と勧めます。1〜3分後に店員が戻ってきて、メニューを「こちらがメニューになります」と手渡します。ここで、客ごとに以下の3つのいずれかの対応をします。

1.相手に触らずにメニューを渡します。そしてオススメはしません。
2.相手に触らずにメニューを渡します。それから、「今日は、シェフのスペシャリテの la choucroute de poissons(魚とキャベツ煮込み)がオススメです」と言います。
3.メニューを渡す時にほんの少し(1秒程度)相手の手に触ります。それから、「今日は、シェフのスペシャリテの la choucroute de poissons(魚とキャベツ煮込み)がオススメです」と言います。

それから、客が注文を決めるまで店員は向こうに行き、後で注文を取ります。

この結果、被験者である客が”la choucroute de poissons”をオーダーした割合は以下のようになりました。

タッチの魔法.002.jpg

わずか1秒のタッチがかなり有効であることが分かるでしょう。ほんのちょっと触るだけで客をコントロールできているのです。相手に触ることが有効というのはずっと言われいましたが、ここまで強力とは!

お店なら、会員証のやりとりで相手に少し触れてから、「こちらもオススメですよ」と一言添えるといった応用もありそうです。考えればいろいろとありそうですよね。

Nicolas Gueguenら, 2007, "The effect of touch on compliance with a restaurant’s employee suggestion", Hospitality Management 26 (2007) 1019–1023


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年03月22日

銃を持つと銃に見える

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人は自分の頭だけで物事を考えているし、自分でアイデアを考えていると思いがちです。しかし、心理学の数々の実験は「そうではない」ことを教えてくれます。

これを「無意識」と言ってしまうと全てが片付いた感じになってしまうのですが、実際にこのような研究が多いです。例えば、女性が赤い服を着ていると男性は近くに座ってしまったりロゴつきセーターを着ているとアンケートの回答率が上がったりします。


最近、ノートルダム大学のJames Brockmoleの行った研究では、被験者はコンピュータの画面に写る様々な人を見て、銃を持っているかどうかを判断するというものです。画面に出てくる人は、様々な格好や人種の人で、それぞれおもちゃの銃を持っていたりジュースや携帯電話を持っています。

この時、被験者の前に、ボールかおもちゃの銃を置いておきます。もし、被験者の前に銃があると、画面上の人も銃を持っていると思ってしまう確率が上がってしまうのです。

このように人は、自分の判断は自分自身の頭だけでやっていると思っていても、周りの環境の影響を受けています。自分が武器を持っていると、相手が持っているものも武器であると思ってしまいやすいのです。


この記事はノートルダム大学の"Holding a gun makes you think others are too, new research shows"を参考に書きました。

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年03月18日

ネットショップの心理学その4「試供品」

試供品.jpg

ネットショップの心理学シリーズの第4回、最終回は試供品についてです。ネットショップでは試供品が大事なものです。特に心理学のテクニックを考えると試供品には使える心理学テクニックが満載です。


まず最初に、試供品は商品の品質が分かるので最も大事な安心感を相手に与えることができます。実店舗で商品を販売する場合とネットショップの最大の差がこの安心感です。これを試供品は埋めることができます。

次に心理的距離です。ネットでのやりとりだけだったものが、実際に商品をやりとりすることで顧客との心理的距離を縮めると考えられます。

また、一貫性というものがあります。人は一度行ったことを続けて行いたくなるのです。試供品の手続きを一度すると、その後の購入の心理的ハードルが下がると考えられます。

返報性というのは、人に何かをもらうとお返しをしたくなるというものです。試供品を貰うと、申し訳ないので買いたくなってしまうのです。

さらに、試供品をもらった人限定というキャンペーンをすることで、希少性を発揮することができます。”限定”というキャンペーンはとても強力です。人は、「得ることへよりも、失うことが怖い」傾向があります。”このタイミングでしか使えない”特典を失うことが嫌なので、試供品を買った人だけ”到着後1週間”限定のキャンペーンに申し込みたくなってしまうのです。


そういえば、以前、”試飲についての2つの効果”という記事でスターバックスでの試飲について書いたことがありますけど、ネットショップの試供品はそれよりもさらに効果が大きいと言えます。そういえば、クロード・ホプキンスの「広告マーケティング21の原則」という本でも、試供品を薦めてましたね。この本は90年近く前の本ですが、今でも十分に通用する原則です。


(文・絵: やまざきしんじ)

以下の本はネットショップ運営者だけじゃなくて、販売・マーケティングに携わる人は絶対に買って読んでくださいね!


原著は1923年の本の本ですが、今でも十分に多くのヒントをくれる面白い一冊だと思います。


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2012年03月16日

女性=ピンクの落とし穴

女性らしさを表す色といえばピンクですよね。女性向けの商品やキャンペーンでは、イメージカラーにピンクを使うことがよくあります。
でも女性向けのものだからといって、なんでもかんでもイメージカラーをピンクにするのは逆効果かもしれないということを示唆する研究が最近発表されました。

エラスムス大学のStefano Puntoniの行った研究では、ピンク色を見ると女性は自分が乳がんになる可能性を過小評価し、卵巣がん研究への寄付をしないと判断するという非常に意外な結果が示されました。

Stefano Puntoniは、実験協力者の女性にまずピンク色の広告を見てもらうかジェンダーに関するエッセイを書いてもらい、ジェンダー(すなわち女性性)を意識するようにしました。その後、その女性たちに自分が乳がんになる可能性や卵巣がんの研究に寄付をするかどうかを評価してもらいました。

その結果、ジェンダーと無関係のニュートラルなエッセイを書いたグループが77%寄付すると回答したのに対し、ジェンダーに関するエッセイを書いたグループは42%しか寄付する意向を示しませんでした。つまり、女性性を最初に意識した女性協力者は、自分が乳がんになる可能性を低く見積もり、また卵巣がんの研究に寄付しないという傾向が示されたのです。

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ピンク色を見たり、ジェンダーに関するエッセイを書くことで、自らの女性性を意識した場合、女性性を脅かすというイメージのある情報に対して「否認」の防衛機制が働くのではないか、と研究者たちは仮定しています。(恐怖喚起アピールがあまりにも強いと逆に説得に抵抗するということも関係しているのかもしれませんね)

同研究者たちの別の研究では、乳がんのバナーの提示があるウェブサイトを、実験協力者の女性に見てもらい、その後先ほどみたウェブサイトに乳がんのバナーがあったかどうかを思い出してもらいます。その結果、そのウェブサイトがジェンダーとは無関係な一般向けサイトである場合、65%がバナーの存在を思い出しましたが、ウェブサイトが女性向けのものだった場合、思い出したのはわずか33%でした。バナー広告を乳がんのバナーから、マスカラのバナーにした条件では、こういったサイトの違いによる記憶の差は見られませんでした。

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この結果は、研究者本人たちも当初の仮説をひっくりかえす驚くべき結果であったため、「実験手法を間違えたのではないか?」と何度も追試実験を行ったそうですが、その度に同じ結果が示されたとのこと。


ピンク色=女性というイメージは、最近になって定着したものだそうです(昔のヨーロッパではピンクは男性の色でした)。色によっては、カラーイメージにも文化的違いがありそうですが、この結果は日本でも当てはまるのではないでしょうか?

乳がんや卵巣がんなど、女性特有の病気や女性性を脅かすというイメージと関連があるキャンペーンには、もしかすると女性性を意識させない色をイメージカラーにした方がいいのかもしれません。


Defend Your Research: The Color Pink Is Bad for Fighting Breast Cancer

(文・山崎有紀子)
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ネットショップの心理学その3「心理的距離」

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ネットショップの心理学として過去2回、”社会的証明””希少性”について書きました。今回は心理的距離です。


心理的距離というのは、その名の通りのものです。ネットショップの場合は、相手との心理的距離が遠いので、「身近に感じない」、「安心感がない」といったことがあります。これを解消するにはどうすればいいでしょうか?

一番ありがちなのは、トップ画像に顔写真を使うというものです。あまりでかでかと載せるとチープな印象もありますが、これは心理的距離を縮めます。また、スタッフ全員の顔と名前と一言を載せるというのもよくある有効な手です。店長が話している動画を載せるというのも最近では増えてきたんじゃないかと思います。

また、先日のネットビジネスEXPOin岐阜では、注文を受けたら必ず電話をするという話がありました。これは有効な手段です。実際に会う、電話をする、ネット経由、という順に心理的な距離は近いです。また、以前にメールチャットでは嘘をつきやすいという記事を書きましたが、これらも心理的な距離のためです。


ネットショップを運営する場合は、安心感と同様に、心理的距離にも気をつけて”相手に近づける”工夫をしなければいけませんよね。


次回は、ネットショップの心理学の最終回、その4「試供品」を書く予定です。

(文・絵: やまざきしんじ)

以下の本はネットショップ運営者だけじゃなくて、販売・マーケティングに携わる人は絶対に買って読んでくださいね!

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2012年03月15日

ネットショップの心理学その2「希少性」

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というわけで昨日のネットショップの心理学その1「社会的証明」に続いて、岐阜県主催の”ネットショップEXPOin岐阜”に参加して考えていたことは、ネットショップには「社会的証明」の次に「希少性」ということです。



この「希少性」というのは、”今しか買えない”、”ここでしか買えない”、”あなたにしか買えない”というものです。いわゆる「限定モノ」などをイメージするといいと思います。人間は”得をする”ことよりも、”損をしない”ことを重視するので、「今しか買えない」ものを逃さないようにします。そこで「希少性」が大事になるのです。


ちなみに、昨年友人が「影響力の武器」の本をテーマにしたワークショップをやりました。この中で「影響力の武器」のテクニックを使ってチラシを作るというワークをやったのですが、この時もやはり「社会的証明」と「希少性」がポイントになりました。一昨日のネットショップの講演会での販売促進でもほぼ同様の結果でした。

昨日の話の中で出てきた希少性のパターンとしては、
・商品を購入した人に、ご購入者だけが使える10%オフクーポンをプレゼント
・試供品を試していただいた方に限り、**を30%オフでご購入できます
・ここでしかもらえないノベルティプレゼント(マグカップなど)
といったことがあります。

講師の話で面白かったのは、渋谷の交差点横にあるドラッグストアで「全品10%オフ!」と叫んでも客は来ないけど、「赤い服を着ている方に限り、全品10%オフ!」と叫べば客がたくさん来るだろう、という話です。

残念ながら渋谷の交差点横のドラッグストアではそんな呼び込みをしていないと思いますが、絶対に有効でしょう。

一部の人は「公平じゃない」と思うかもしれませんが、「誕生日の人にはケーキプレゼント」とか、誕生月の人に「ワイン一杯サービス」といったキャンペーンはあちこちで行われています。ネットショップの場合は、結婚記念日(の月)の方には、「”奥さんに感謝を込めて”マッサージ&スパチケット30%オフ」というキャンペーンがあってもよさそうです。

ネットショップは通常のお店よりも様々なキャンペーンをしている印象があります。この”限定”をベースにして、”希少性”を使うことで消費者を刺激する工夫がネットショップの醍醐味ですよね。

次回は、ネットショップの心理学その3「心理的距離」を書く予定です。よろしくお願いします。

(文・絵: やまざきしんじ)

以下の本はネットショップ運営者だけじゃなくて、販売・マーケティングに携わる人は絶対に買って読んでくださいね!

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2012年03月14日

ネットショップの心理学その1「社会的証明」

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昨日は岐阜県主催の”ネットショップEXPOin岐阜”に参加してきました。別にネットショップをやってるわけじゃないのですが、ホームページの相談を受けたり仕事を頼まれたりすることがあるので勉強のために参加してきました。


ちなみに昨日の講演で一番記憶に残っているのは、「安心感・信頼感を出す」ということです。例えば
・会社案内・店舗案内をしっかり書く
・会社の歴史をちゃんと書く
・製品の製造工程を丁寧に書く
といったことです。加えて、注文をもらったら、電話をするというの有効です。

そういえば、正月に食べた博多久松のおせちには、「おせちと一緒に写っている家族の写真コンテスト」のチラシが入っていました。家族みんなで笑顔で写っているおせちの写真がホームページにあったら、「いいな」と思いますもんね。おせちという料理でなく、孫などと一緒に食べる姿をイメージできるので、おじいちゃん・おばあちゃんはちょっと高いのを注文してくれるかもしれません。さすがに、楽天で最も売れているおせちのメーカーだけあって、料理だけでなく、あらゆるところでクォリティが高いなぁ、と思いました。



”社会的証明”でこのような信頼感を作ることができます。有名な社会心理学者のロバート・チャルディーニの名著「影響力の武器」では、テレビのお笑い番組やコメディドラマに入っている「アハハ」という録音笑いについて取り上げています。ほとんどの人が録音笑いを不愉快に感じ、テレビ作家やタレントですら嫌う人が多いのに、それでも録音笑いが使われているのは、それが有効だから、ということです。この録音笑いは、とても面白い時やとてもつまらない時には効果がありませんが、微妙に面白い時には効果を発揮し、つられて笑ってしまうのです。

ネットショップにおいては、そもそもネット上のお店の信用が分からないというのがあります。そこで、会社の説明や歴史、購入者の声などを使って、この録音笑いのように背中を押してあげる必要があります。録音笑いというと偽物っぽいですが、これが”社会的証明”です。

自分のネットショップ、および商品の信頼感を「社会的に認められている」と顧客に伝える必要があるのです。社会的証明とは違いますが、スーパーで売ってる野菜に、農家の人の名前と顔写真が載っているのもこの信頼感を出すためですよね。

※と考えている時に、このさいころニュースでも同じ事が言えると気づいたので、近々、運営者の紹介を書きます。


ちなみに次回はネットショップの心理学その2「希少性」を書く予定です。よろしくお願いします。

(文・絵: やまざきしんじ)

以下の本はネットショップ運営者だけじゃなくて、販売・マーケティングに携わる人は絶対に買って読んでくださいね!

posted by さいころ at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動