2012年03月08日

複数のディーラーを回るとどれだけ安くなる?

値下げ交渉.jpg

車を買う時には様々なディーラーを回って値切り交渉をすると値段が下がります。それではいったいどのくらい下がるんでしょうか?これは日本のディーラーシステムと違うアメリカの研究ですが、ヒントをくれなます。


イェール大学のFiona Scott Mortonらが、カルフォルニアで2002年に車を買った1402人を対象とした調査です。

これによると、2つのカーディーラーを回って、値切ることで800ドル(約65000円)値下がりすることが分かりました。もし、値切りや調査が嫌いな場合は、詳細をチェックして2つのディーラーを回ることで230ドル(約18500円)安くなります。

商品の明細をちゃんとチェックすると、121ドル(約10000円)安くなります。
1つでなく2つのディーラーを回ると109(約9000円)ドル安くなります。
7つのディーラーを回ると600ドル(約48000円)安くなります。
何度も値切り交渉をすると302ドル(約24000円)安くなります。
車に関する情報が容易に手に入る場合、287ドル(約23000円)安くなります。

※円は2012/03/08のレートで換算

たくさん回ると値段が下がるのはたしかですが、値下げ交渉のために時間をかけるのも勿体無いです。上手くバランスを取ることが大事です。ただ、車を購入すことで得られる満足感は、実際に車を買って乗っている時間だけでなく、購入をアレコレ検討している時にもかなり高いです。あれこれ交渉をすることで、ハッピーな気持ちを長引かせるという戦略もあると想います。


この記事はカルフォルニア大学リバーサイド校の”How to Save $800 on a New Car”を参考に書きました。

元の論文情報は以下です。
Fiona Scott Mortonら, 2011, "What matters in a price negotiation: Evidence from the U.S. auto retailing industry", QUANTITATIVE MARKETING AND ECONOMICS Volume 9, Number 4, 365-402, DOI: 10.1007/s11129-011-9108-1


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年03月06日

空腹だと輝いて見える

空腹だと輝いて見える.jpg

人は、見えているものをそのまま見ているわけではないというのはよく言われています。これは、食べ物についても同様でお腹が空いていると食べ物が明るく見えているようです。


フランスのニース・ソフィア・アンチポリス大学のRémi Radelらの実験を紹介します。標準体重の42人の学生を使って実験をしました。3,4時間何も食べないで正午に研究室に来てもらいました。そして、片方のグループでは食事をしてもらって、片方のグループでは待ってもらってから空腹のまま実験をしました。

この実験はコンピュータの画面に1/300秒という人が認識できるぎりぎりの時間だけ映した80の単語を見て、表示されてた文字の明るさがどのくらいだったと思うかを調べるというものです。この実験から、空腹な人は、食べ物に関する用語はより明るく見えるということが分かりました。


食べ物は明るく見えると美味しそうに見えるというのは知っていると思いますが、人は空腹になると食べ物に関するものが実際に明るく見えてしまうということですね。


元の論文情報はこちら。
Rémi Radelら, 2012, "Evidence of Motivational Influences in Early Visual Perception: Hunger Modulates Conscious Access.", Psychological Science, 2012

この記事は以下を参考に書きました。
Association for Psychological Science. "When our eyes serve our stomach." ScienceDaily, 2 Mar. 2012. Web. 6 Mar. 2012.

(文・絵: やまざきしんじ)
posted by さいころ at 10:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2012年02月21日

全体を見るのは最初の2.6秒

ウェブページは2.6秒.jpg

ウェブサイトの設計では、最初の約2.6秒が肝かもしれません。


ミズーリ科学技術大学のSirjana DahalとHong Shengの研究は、25のロースクールウェブサイトのメイン画面を見てもらってどこを見ているかをアイ・トラッキングで調べました。

ユーザはウェブ画面の全体を約2.6秒かけて見ています。それから、各部分を見ます。ページにもよりますが、平均で

・トップの学校のロゴを6.48秒
・メインのナビゲーションメニューを6.44秒
・検索ボックスを見る時は6秒以上
・フェイスブックやツイッターへのソーシャルネットワークのリンクを5.95秒
・サイトのトップ画像を5.94秒
・ウェブサイトの最後を5.25秒

それぞれを見ていました。

この結果は、ページの設計時にどのように力を配分するかということに使います。私の感想では、思っていたよりもロゴを長く見るということや、ソーシャルネットワークへのリンクも大事なのか、というものです。


また、本論とはズレますが、個人的には10年くらい前に専用の機材を使わない視線解析のプログラムを仕事で作っていたこともあって、こういった研究にはトキメキます。最近はデジカメやケータイの影響で小型高性能のカメラがどんどん出来ているし、視線解析に必要なハードが1式10万くらいで手に入るようになったら相当いろいろな研究ができそうですね。やはりコストが10万を切ってくるとどこでもできるので”本当に使える”ようになってきそうです。最近、画像認識屋に流行りのMicrosoftのKinnectのような破壊的イノベーションが様々な所に影響を与えるのを楽しみにしてます。


この記事は、ミズーリ科学技術大学の”Eye-tracking studies: first impressions form quickly on the web”を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
posted by さいころ at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2012年02月17日

スーパーはなぜ左回りか?

スーパーは左回り.jpg

昨日書いた”利き手の心理学。その選択は”自由に”選んでる?”は、利き手側を選びやすいという話でしたが、この話に関連してスーパーの基本的な配置の話を思い出しました。


ご存知の方もいるかと思いますが、普通のスーパーは左回りの導線になっています。そしてコンビニもこのような配置になっています。スーパーの場合は入ってすぐに野菜コーナー、そして、魚、肉、最後に乳製品などという配置でしょう。コンビニの場合は入ってすぐ右に雑誌コーナー、そしてドリンクのある壁面、お弁当やデザートのあるコーナーになっているのではないでしょうか?共に、この回遊は左回りで行います。

これは外周に注目しやすいことと、冷蔵しないといけないものなど大型の什器を外側に置きたいということがあります。そして、ほとんどの人は右利きなので、右利きの人が商品を取りやすいために、このような左回りの配置になっています。できるだけお客さんにショッピングカートを持たせることで売上が上がるという話もありますが、やはり商品の取りやすさが売上にとって大事ということですね。

スーパーは外周に注目.jpg

もちろん、例外となる店舗もあります。駐車場との兼ね合いや、駅などの人がたくさん来る方向との兼ね合いで逆周りにせざるを得ない場合です。

右回りの店もある.jpg

コンビニやスーパーが普段とは違う右回りの導線をさせる場合は、どうしてそのような設計にしなければならなかったのかを考えてみると楽しいですよね。こういったことを普段からよく観察するのもきっと心理学です:-)


(文・絵: やまざきしんじ)

この手の話が好きな人にはオススメ。
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2012年02月16日

利き手の心理学。その選択は”自由に”選んでる?

利き手側を選ぶ.jpg

あなたはどのくらい自分で物事を決定しているのでしょうか?

有名なベンジャミン・リベットの実験では、人が手を動かす時に「手を動かそうとする」ことは「手が動き始めた」後に発生することが分かりました。つまり、人は「考えてから」動かしていると主観的に感じていても、実際には「動いてから」(後づけで)考えているのかもしれないのです。

私たちは、2つのものから物を選ぶ時にも、完全に自分の意志で選んでいるように思えますが、これはどうやら頭だけで選んでいるわけではないという研究が行われました。

ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチのDaniel Casasantoの研究は、右利きと左利きでは別のものを選ぶという実験です。右利きの人は右にあるものを、左利きの人は左にあるものを選びやすい傾向があることがこの研究では分かりました。これは物を取る時だけでなく、カタログの右と左に載っている時などにも、利き腕側の(つかみやすい側の)モノを選びやすいというのです。

人は好みや特徴などから合理的な判断をしていると感じていても、実際には”利き手側にあっただけ”なのかもしれません。


この記事は以下を参考に書きました。
Association for Psychological Science. "Left-handed? Different bodies, different minds." ScienceDaily, 14 Feb. 2012. Web. 16 Feb. 2012.


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年02月08日

ダイエットには朝食たくさん、しかもデザート付き!!!

朝食はいっぱい.jpg

ダイエットでは、朝食をたくさん食べる/食べない、昼食や夕食をあまり食べないといったことがいろいろ言われています。

さいころニュースでも以前に”ダイエットのコツは昼食を減らす”という記事で、昼食は減らしてもそれほどお腹がすかないということを書きました。


今日は、朝食についての研究を紹介します。これはイスラエルのテルアビブ大学のDaniela Jakubowiczらによるものです。32週間の長期に渡る研究です。

ちなみに食事にはグレリンという食欲に関するホルモンを調整する働きがあります。朝食は、一番効果的にグレリンを調整できます。


この研究では、193人の肥満の大人が、2つのダイエットの方法に割り当てられました。両方共、1日、男性は1600kcal、女性は1400kcalの摂取に制限します。ちなみに、1つめの方法は朝食に300kcalの低炭水化物ダイエットで、もう1つは朝食に600kcal摂取する高タンパク、高炭水化物でいつもチョコなどのデザートがつくガッツリした朝食のダイエットです。

この実験では、開始後16週間でどちらのグループも一人あたり15kg減量しました。

その後、実験終了の32週間になると、低炭水化物ダイエットのグループは10kgの減量までリバウンドしていました。一方で、朝食をしっかり取っていたグループはさらに3kg減量して18kgまで減量しました。

朝食いっぱいダイエット.001.jpg

これはどういう意味でしょうか?

制限の強いダイエットは、続かない、ということを示唆しています。デザートや甘いものをずっと我慢しきれないならば、少しだけ朝食に取る。朝の豪華な食事で、一日の欲望を抑え込めるということです。

この実験では、低炭水化物ダイエットの被験者は食事に満足していませんでした。そのために何かのきっかけでダイエットのルールから抜けだしてしまうのです。一方で、朝食をしっかり食べていたグループは、デザートもついてくるため、その後、昼や夜にデザートを渇望するということが少なくなりました


ダイエットに関しては、一度制限をやぶるとどうにもでなれ、と過剰にカロリーを取ってしまう”どうにでもなれ効果(The What-The-Hell-Effect)”というのがあります。ダイエットでは守れないと「どうにでもなれ」となって過剰摂取をしてしまうので、朝食をある程度しっかり取ることが、長期的には有効なダイエットになるようです。しかも、ちょっとしたデザート付きです。

この記事は以下を参考に書きました。
American Friends of Tel Aviv University. "New diet: Top off breakfast with -- chocolate cake?." ScienceDaily, 7 Feb. 2012. Web. 8 Feb. 2012.

(文・絵: やまざきしんじ)
posted by さいころ at 10:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2012年02月07日

ダイエットには骨付きチキン?


今日は”ダイエットの心理学”というタイトルでイベントをさせていただきました。そこで、このイベントの中からちょっとした実験を紹介します。これはダイエット系で非常に有名な心理学者のブライアン・ワンシンクの実験です。

この実験は大学生に骨付きチキンを振る舞うというものです。ただし、大学生は2つのグループにわかれていて、片方のグループは定期的に骨を片付けて、もう一方のグループは骨を片付けないというものです。

骨付きチキンの実験.001.jpg

それでは、骨付きチキンを学生はどれだけ食べたでしょうか?その結果は以下の通りです。

骨付きチキンの実験.002.jpg

この結果を見ての通り、骨が残っていると、5本しか食べなかったのに、骨を片付けていると7本と40%も多く食べたのです。このことから、人の満腹感は、実際に食べた量だけでなく、その経験(食べた後が残っている)にも依存していることが分かると思います。

この結果はどう考えればいいでしょうか?こんな応用が考えられます。
・お菓子を食べる時は個包装のものにして、食べた後の袋は机の上にそのままにしておくといい
・回転寿司(くら寿司)にいった場合は、お皿はそのままにしておいて、ダストシュートみたいなところに投入するのは最後にする
・ビュッフェスタイルのお店にいった場合は、空いた皿は片付けてもらわずにそのまま重ねておく(ダイエットする場合)

みなさんも、食べ残しが見えるかどうかに注意してください。


ちなみに、以前ワンシンクの実験としては、”お皿の色でもダイエット!”という記事で、お皿とパスタソースの色が一緒だと、たくさん盛ってしまうという研究を紹介したことがあります。こちらもどうぞ。


(文・絵 やまざきしんじ)

この実験はこちらの本で紹介されているものです。なお、Amazonでは中古でしか手に入りませんが、購入する価値のある本です。
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posted by さいころ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2012年02月01日

ダイエットにも浪費癖にも効くクスリ!”あとで”

延期がいいよ.jpg

ポルトガルのリスボン・カトリカ大学のNicole Meadのチームのポテトチップを使った実験は、ダイエットだけでなく浪費癖にも効く手段を教えてくれます。

この実験では、オランダのポテトチップを105人の高校生にあげました。

ちなみに、高校生は以下の4つのグループに分けました。
1.すぐに食べていい
2.食べてはいけない
3.すぐに食べてはいけないが、あとで食べていい
4.自分で1〜3のどれかを選ぶ

そして、”すぐに食べていい”グループ、”食べてはいけない”グループ、”あとで食べていい”グループがそれぞれどれだけポテトチップを食べたかを調べました。

※4の自分で選ぶグループもどれかのグループにはりいます。

すると、”あとで食べていい”グループが一番食べた量が少なく、1週間で2.4回食べましたが、自由に食べていいグループは約4回食べました。そして、食べてはいけないグループは4.5回食べました。

ポテトチップの量.001.jpg

つまり、”あとで食べていい”という人はあまり食べないですむのです。ちなみに、これは最初に割り当てられていても、自分で選んだ人でも同様です。


これは”あとで食べられる”ということで、欲望が抑えられるためと考えられます。また、この研究では、”あとで”というのは時間を具体的に指定しないのがいいとしています。


たしかに、私たちは、物を買う時に「まぁ、今も買えるけど、あとで買おう」と思うことで、同様の戦略をとって購入欲を抑えることがあると思います。漠然と行なっていましたが、この”あとで”はとても有効な戦略なようです。

この記事はWebMD"New Weight Loss Strategy: Postponing a Snack"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
posted by さいころ at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2012年01月23日

サルだって、得より損しない?

足を掻くリスザル - 写真素材
(c) ぴち画像素材 PIXTA


昨日、NHK総合でやっていたヒューマンという番組は「人はどうであるか」ということをテーマにしたものでした。昨日の番組の中では生まれながらの(生得的な)特徴について、サルとの対比や、「どういう個体が生き残りやすかったか」という進化心理学的なことを含めて説明していました。


さて、昨日の”さいころニュース”の”得を選ぶ?損しないを選ぶ?”では人のリスク回避傾向について考えてみました。これは、普遍的なものでしょうか??


イェール大学のKeith Chenらはオマキザルを使って、サルも人と同じようにリスク回避傾向があることを示しました。

実験1
サルは、以下のいずれかを選びます。
E1 確実に1切れのリンゴがもらえる
E2 2切れのリンゴが置いてあって、1/2の確率で1切れは取り上げられる(1/2の確率で1切れ、1/2の確率で2切れもらえる)

実験2
サルは、以下のいずれかを選びます。
E1 1切れのリンゴがあって、1/2の確率でもう1切れもらえる(1/2の確率で1切れ、1/2の確率で2切れもらえる)
E2 2切れのリンゴがあって、1/2の確率で1切れ取り上げられる(1/2の確率で1切れ、1/2の確率で2切れもらえる)

実験3
サルは、以下のいずれかを選びます。
E1 最初に1切れのリンゴがあって、必ず1切れだけもらえる
E2 最初に2切れのリンゴがあって、必ず1切れは取り上げられて1切れだけもらえる

実験1はE2の方が確率的にたくさんのリンゴをもらえます。一方、実験2と3ではE1はパッと見ると得をするように見えて、E2ではリンゴが取り上げられるように見えます。

この3つの実験をすると、以下のような結果になりました。図中の赤字が、実際にサルが選んだ割合です。

サルのリスク回避.001.jpg

サルのリスク回避.002.jpg

サルのリスク回避.003.jpg

これを見て分かるように、サルも人と同様にリスク回避傾向があるんですね。人間の非合理的な傾向の多くは本能的なものが原因と考えられますが、人間だけでなくサルも同様なんですね。


この記事は以下を参考に書きました。
M. Keith Chenら,2006, "How Basic Are Behavioral Biases? Evidence from Capuchin Monkey Trading Behavior", Journal of Political Economy, 2006, vol. 114, no. 3


(文: SY)
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2012年01月19日

品切れ時に、消費者はどうする?

ドラッグストア3 - 写真素材
(c) takas写真素材 PIXTA


近所のドラッグストアに洗剤のアタックNeoを買いにいったら売ってなかった場合、あなたならどうしますか?

熱心な常盤貴子ファンならば、他のお店にいってアタックNeoを買うでしょうし、多くの人は、代わりにボールドやアリエールを買って帰ることでしょう。もし、奥さんから「アタックNeo買ってきて!」と言われた場合は、違う商品だと怒られそうなので、何も買わずに帰るかもしれません。


コロラド大学のThomas Gruenらが先進国を中心とした様々な国で行った大規模な研究は、日用品が品切れしていた時の消費者行動を明らかにしてくれます。

もし、洗剤がない時は、消費者は以下のような行動をします。つまり、40%はその店で購入をして、残りの60%は買わないことになります。

在庫切れの消費者行動.003.jpg

ちなみに、洗剤では品切れの際に32%の人が他の店で買うのに対して、ペーパータオルでは21%の人が、化粧品の場合は43%の人が他のお店で買います。なお、洗剤以外の商品の平均は以下のようになりますが、あまり洗剤と変わらないことが分かるのではないでしょうか。

在庫切れの消費者行動.002.jpg

ちなみにこの研究によると品切れは平均で約8%あります。世界平均が8.3%で、アメリカでは7.9%、ヨーロッパでは8.6%でした。また、在庫切れの理由は以下のような比率で、72%がメーカー側でなく店側の理由で品切れになっていることが分かるでしょう。

在庫切れの消費者行動.001.jpg


これらのから、単純に考えると、

品切れが8% × 店舗の理由72% × 品切れ時に買わない人60%

となり、店舗の都合で売上の3.5%がロスをしていることが分かります。心理学では在庫切れしない方法は分かりませんが、品切れの際の消費者行動は心理学の対象分野でもあります。


この記事はコロラド大学のThomas Gruenら著の"Retail Out-of-Stocks: A Worldwide Examination of Extent, Causes and Consumer Responses"を参考にしました。この資料にはここで紹介した以外にも様々な分析がされていますので、日用品について様々な示唆を与えてくれると思います。


(文: SY)


今回の資料は量的な研究です。古典的名著ですが質的なものはこちらの本がオススメです。
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2012年01月15日

商品情報取得におけるインターネットの価値


日本でのインターネット利用、特にショッピングにおいてのインターネットはどうなっているのでしょうか?インターネットの情報源としての重要性について軽く調べてみました。

まず、ショッピングにおいてのインターネットの重要性を総務省の「ICT インフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成 23 年)から見てみましょう。

インターネットの重要性.002.jpg

図のように、これまではショッピングの情報源として雑誌・テレビが利用率の高い情報源だったのですが、ここ5年間でインターネットが雑誌に並びました。

また、利用率だけでなく、インターネットが情報源として重要性と考えられているようです。

インターネットの重要性.001.jpg

図のようにここ5年間で「重要である」と答えた人が急伸しています。漠然とインターネットの重要性が増えているのは気づいていたのですが、ここ5年間くらいで一気に変わってきたのですね。実際にデータにあたってみて、グラフにしてみるとよく分かりました。


この記事は総務省の「ICT インフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成 23 年)を参考にしました。


図のデータについては上の調査から、以下の出典をもとにグラフを作りなおしています。
東京大学大学院 情報学環「日本人の情報行動 2005」、「2010 年日本人の情報行動調査」

(文: SY)
posted by さいころ at 10:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2011年12月16日

アンケートハガキの罠

アンケート - 写真素材
(c) jun.SU.ストックフォト PIXTA


以前、”一貫性の魔力”という記事を書きました。これは、人はそれまで行った行動を続ける(それに反しないようにする)というものです。ミルグラムの”服従実験”なども、それまで電撃を流してきたのだから、次にも電圧を上げてまた続けようとするという一貫性も多少働いています。


それでは、この一貫性バイアス(一貫性を保とうとする傾向)を使うことで、商品の購入を進める方法はあるでしょうか?


オランダのゲント大学のAnneleen Van Kerckhoveらの研究では、被験者に架空のものと実際のキャンディーバーのブランドについて質問しました。一部の被験者に「近々、この商品をどの程度を買いたいですか?」という質問をはさんだところ、買いたいと回答した被験者は該当するキャンディーバーをより買うようになりました。

つまり、「このキャンディーバーを買う」という回答と、自分の行動を一貫させたわけです。

ちなみにこの研究によると、この質問への回答と実際の購入行動の間は時間があいていてもいいとのことです。つまり、質問した直後にキャンディーバーを購入する機会がなくとも、例えば2,3日後などにキャンディーバーを購入する機会があるとその商品を買ってしまうことが多いのです。


ということは商品を売る人たちにとっては、店舗内でアンケートと称してハガキを書いてもらうといったことが考えられるでしょう。洋服屋では、「今後の改善のためのアンケートです。次回に使える金券をプレゼントします」といってお客さんにアンケートを書いてもらいます。そして、質問中に「他人にこの**を勧めますか?」、「またこのお店でジャケットを買いたいですか?」などと書いておくのです。もちろん、アンケートの回答を店員さんが見ているとベターです、お客さんはいいことを書いてくれるでしょう。そして、お客さんは自分の書いた回答の一貫性の罠にはまってしまうかもしれません。


元論文の情報はこちら。
Anneleen Van Kerckhove, Maggie Geuens, and Iris Vermeir. “A Motivational Account of the Question-Behavior Effect.” Journal of Consumer Research: June 2012,DOI: 10.1086/661936

この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "Why does stating your intention lead you to purchase your favorite brand?." ScienceDaily, 13 Dec. 2011. Web. 16 Dec. 2011.

(文: SY)
posted by さいころ at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2011年12月14日

お皿の色でもダイエット!

ホッキ貝とたらこのパスタ - 写真素材
(c) akiko画像素材 PIXTA


多くの現代人は、カロリーを取り過ぎです。ダイエットなどの”頑張る”方法でなくても、取得カロリーはいろいろあります。ブライアン・ワンシンクは皿を小さくすることで、食べる量を減らせるということを述べています。このことは「そのひとクチがブタのもと」という良著でいろいろと述べられています。是非、一読をオススメいたします。

そのワンシンクがジョージア工科大学のKoert van Ittersumと行った研究で、皿の色と食品の色に関して述べています。

この研究によると、白いパスタソースを白い皿に盛った時や、赤いパスタソースを赤い皿に盛った時は、よりたくさん盛ってしまいたくさん食べてしまうのです。以下のグラフのように、料理の色と皿が合っていると、見た目で少なく感じるためかよりたくさん食べてしまいます。

platecolor-graph.001.jpg

この理由は、色のコントラストが低いと、料理がより少なく見えてしまうためと考えられます。わかりにくいかも知れませんが、下の図のように、両者の色が似ているとサイズを錯覚してしまうためと考えられます。

platecolor.001.jpg

皿の大きさや色などちょっとしたことで、人は食べる量を変えます。これは減量をした人にとっては、食べる量を意識的に減らそうとする努力抜きに、また料理店にとっては材料費を増やさずに、コントロールできることを意味しています。


これまでに書いたダイエット関連の記事はこちらの”ダイエットの心理学”にまとまっていますので、こちらから各記事を読んでみてください。


この記事は以下を参考に書きました。
Van Ittersum, Koert, and Brian Wansink (forthcoming), “Plate Size and Color Suggestibility:
The Delboeuf Illusion’s Bias on Serving and Eating Behavior,” Journal of Consumer Research.

また、この研究の動画がここあります。英語ですが、見るだけでも雰囲気が分かると思います。


(文: SY)

そのひとクチがブタのもと
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プレゼントの心理学 オマケはつけるな!

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(c) 静流画像素材 PIXTA


クリスマスプレゼントに大事な人にはどういうプレゼントを送りますか?残念ながら、私はもらう予定も渡す予定もありませんが..orz

それでは、高級なカシミアのセーターをプレゼントするのと、彼女(彼氏)が音楽好きなので高級なカシミアのセーターに加えて3000円のCDギフト券をするのとどちらがいいでしょうか?

直感的には後者の方が高価で、もらった方も喜びそうですが、実際には逆です。カシミアのセーターだけを送りましょう。
高価なプレゼントに加えて安価なプレゼントを加えると、相手のプレゼントへの評価が低下してしまいます。このことをバージニア工科大学のKimberlee Weaverとミシガン大学のStephen GarciaとNorbert Schwarzが、プレゼントのパラドックス(The Presenter’s Paradox)として研究をしました。


この研究では、Ipod TouchとiPod Touchに1曲の無料ダウンロードとの価値をそれぞれ見積もらいました。その結果、無料ダウンロードがついている方が価値が低いと見積もられました。つまり、商品を全体として見て、価格を見積もると、その全体のうちの価格の安いものに引っ張られて、全体の価値が下がってしまうように見えるのです。

このことから言えるのは、一人にプレゼントを贈る場合は、あれこれと複数の物をまとめて贈るのでなくて、1点豪華主義で贈る方が効果的ということです。


また、Weaverらの研究では他の実験として、750ドルの罰金と、750ドルの罰金+2時間の奉仕活動と比べると、750ドルの罰金だけの方がより嫌だと感じており。5点満点の評価のプールだけがあるホテルの方が、5点満点の評価のプールに加えて3点の評価のレストランがホテルよりも価値があると感じることが分かりました。

これらの実験も人は全体として評価をするので、2時間の奉仕活動や3点の評価のレストランといった低い価値のものが、750ドルの罰金や5点満点のプールといった高い価値を減らしていると考えられます。

この研究結果はプレゼントだけでなく、商品の販売方法など本当に様々な応用が考えられるし、面白い結果ですね。


なお、以前書いた"気持ちをリセットする簡単な方法"という研究も、Norbert Schwarzのものです。


この記事は以下を参考に書きました。
Virginia Tech. "The paradox of gift giving: More not better, says new study." ScienceDaily, 12 Dec. 2011. Web. 14 Dec. 2011.

Kimberlee Weaverら,2012,The Presenter’s Paradox, Journal of Consumer Research, October 2012(予定)


(文: SY)
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2011年12月01日

”エルメスのパンツ理論”は本物か?

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私が昔から主張していることで”エルメスのパンツ理論”というのがあります。これは、ユニクロのパンツでなく、エルメスのパンツを履くと自分の自尊心やラグジュアリー感が向上するので、たとえ相手に見えないものでも良い、という理論です。ちなみにエルメスがパンツを売っているかどうかは知りませんが...


最新の研究によると、この”エルメスのパンツ理論”が正しいかどうかは、人の知性や能力は決まっているという見方をするか、鍛えることでどんどん伸ばせるという見方をするかによるようです。なお、この2つの見方を下にまとめます。

改善主義者(incremental theorist) 能力や知性といったものは鍛えることで増やせるという見方をする人。
能力主義者(entity theorist) 能力や知性といったものは固定的なものであるという見方をする人。


ミネソタ大学のJi Kyung ParkとDeborah Johnの研究では、能力主義者と改善主義者が、それぞれセクシーなイメージのあるヴィクトリアズ・シークレットのバッグと、知的なイメージのあるMIT(マサチューセッツ工科大学)のペンを持つことで、それぞれの被験者のセルフイメージがどう変わるかというものです。下に結果のグラフを載せますが、これはそれぞれブランド品を持つか普通の品を持つかで、そのブランドに関わる自己認識がどう変わるかを記載しています。

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これを見てわかるように、改善主義者はヴィクトリアズ・シークレットのバッグやMITのペンを持つと、それらのブランドに関わる自己認識が若干下がるのですが、能力主義者は大きく自己認識が増加していることが分かります。


つまり、能力主義者はブランド物を身につけることで、そのブランドに関わる自己認識が改善していくということです。言い換えれば、エルメスのパンツは能力主義者が履くと効果があるということでしょう。


ちなみに、以前”目標設定のポイント”という記事で、改善志向と能力志向によって標達成の満足度が違うということを書きました。この記事は、何かを行った時に、改善主義者は結果によらず満足度が高いというものです。

また、”エルメスのパンツ理論”とは逆に、ブランドの相手に与える影響として以前”名刺としてのブランドロゴ”という記事で、ブランドロゴがついたものを着ると見ず知らずの人でも相手からの好感があがることを書きました。


この記事は以下を参考に書きました。
"Got to Get You into My Life: Do Brand Personalities Rub Off on Consumers?" from Journal of Consumer Research


(文: SY)
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2011年11月28日

自分の頭と、他人のオススメ

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クリス・アンダーソンの”ロングテール”という本では、他人のオススメ(リコメンド)の重要性について書いています。

実際に、自分で考えることと他人のオススメとどちらがいいのでしょうか?カナダのブリティッシュ・コロンビア大学のElizabeth Dunnらが”If Money Doesn't Make You Happy Then You Probably Aren't Spending it Right"(お金が幸せにしないなら、どう使うのがいいの?)という論文の中で、「自分の頭でなく、群れに続け」ということを書いています。


この論文では、例えば映画を見る時に、映画の出演者やあらすじなどをちゃんと見て判断するよりも、みんなの採点を見るほうがより良いし。また、インターネットデートをする場合も、相手のプロフィール情報などを丹念に見るよりも、その前にその相手と話した人の印象を聞くほうがはるかに有用であるということが述べられています。


これは聞けばその通りのことで、事前情報から自分で判断するよりも、一度消費した他人の評価を聞くということが大事なようです。


ちなみに、この時に注意しないといけないのは、他人の評価も偏向するということです。例えば、10万円出して受けたセミナーは、自分の出費を正当化するために誰もが「10万円の価値があった」と言います。もちろん、これは言うだけでなく、そう思い込んでしまいます。これは、フェスティンガーの認知的不協和としても知られていることです。他人の評価が大事ではありますが、一方で相手の評価にはこの認知的不協和が潜んでいることも意識してください。


この記事はこちらの論文を参考に書きました。


(文: SY)


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2011年11月18日

保険は控えめに

賽子 ダイス サイコロ  - 写真素材
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私たちは、想像してるよりも、嫌な出来事にも上手く対応できます。そこで、保険にかける費用を抑えることができます。

誰もが、失うことを嫌っています。実際に、”リスク回避志向”として知られているように、私たちは何かを得ることよりも、失うことを避けることを重視します。


保険会社はこのことをよく知っているので、”失わない”という形で商品を宣伝しています。

・盗難にご心配ですか?
・せっかくの祝日が台無しになるのをご心配ですか?
・死ぬかもしれないとご心配ですか?

もう、心配しなくて大丈夫!保険が、その答えです!!

たくさんの広告がこのように作られていて、飽き飽きするほどで、平凡なやり方です。しかし、保険というものは特に油断がなりません、これは”心の平安”を売るものと称しているからです。

それでは、もし、実際に問題が起こった時、私たちが思っていたほどに苦しむのでしょうか?


保険を増やす罠

心理学の研究では、現実は私たちが思っているほど悪くないということを示しています。これは、"心理的な免疫システム"(未訳)のためです。

この記事の要約としては、人は将来の嫌な出来事が自分をどのような気持ちにするかを予測する時、あまりにも悲観的に考えてしまうのです。この理由は、無意識に、嫌な出来事をさらに嫌なものと評価してしまうためです。

実際に嫌な出来事が起こったとしても、それまでの自分自身や自分の決定を非難することを避けるために、それほど後悔しないのです。その結果、私たちは嫌な出来事の起こる前に思っていたほど、嫌な気持ちになりません。

このことは、すべての保険が無意味であるということではありません。私たちは自動車保険を必要としていますし、ドライブのリスクや健康保険のようなシステムを必要としていますし、他の保険も役に立つかもしれません。

しかし、保険を増やすことは、しばしば時間やお金の無駄です。もし機械が故障しても、保険に入っていなかったからといってそれほど後悔しません。お金を節約して、リスクを受け入れましょう。

人生はくじ引きです、しかし心配しなくいいです。くじに外れても思ったよりも頑張れるのです。


この記事はPSYBLOGの"Buy Less Insurance"を翻訳したものです。


(翻訳: SY)
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2011年11月15日

孤独な消費者のマーケティング

靴 東洋人 アジア人 横位置  - 写真素材
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アメリカでは、インターネットの急速な発展にも関わらず(もしかすると、それによって?)孤独と感じている人がここ20年で増えています。最近の研究では回答者の25%が人が重要なことを話しあう人がいないと答えていました。

それでは、このような孤独な消費者が増えたことは、消費活動とどのように関係があるのでしょうか?

アイオワ大学のJing Wangらは、孤独な消費者と孤独でない消費者に分けてそれぞれがどのような商品を好むかを調査しました。

この研究によると、孤独な消費者はマイナーな商品を好み、孤独でない消費者はメジャーな商品を好みます。ただし、あらかじめ「このメジャーな商品はみんなに人気がある」と伝えると、孤独な消費者もメジャーな商品を好むようになります。つまり、宣伝さえしてあれば、多数に人気のある商品は人気があるのです。

一方、宣伝がない場合に、孤独な消費者には好まれる商品は、特徴が孤独な好みに合致するからと考えられます。


このことは何を意味しているでしょうか?

孤独な消費者が多い市場向けの商品(高齢者や30代の独身男性など)では、孤独な消費者とそうでない消費者で、別々の製品選択をしていることを認識しないといけません。そして、孤独な消費者に対しては製品のスペックなどで宣伝して、孤独でない消費者に対しては実績で宣伝するということが効果的と考えられます。最近はソーシャルメディアの流行もあってバイラルマーケティング(口コミによる伝染的な手法のマーケティング)ということが言われていますが、バイラルマーケティングの逆に孤独な消費者向けのマーケティングというものもあるのではないでしょうか。


元の論文情報はこちら

この記事は以下を参考に書きました。
Journal of Consumer Research. "Social isolation: Are lonely consumers actually loners or conformers?." ScienceDaily, 21 Oct. 2011. Web. 15 Nov. 2011.


(文: SY)
posted by さいころ at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2011年11月01日

ショッピングでの、比較の罠

虫眼鏡 ルーペ 棒グラフ  - 写真素材
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キヤノン?それとも、ニコン?
アップル?それとも、WindowsPC?
こっち、それともあっち?それらは、本当にそれほど違うのでしょうか?いや、私たちが思ってるほどは違いません。



商品やサービスの比較をすることで良い取引ができると思われていますが、いつもそうなるわけではありません。それは、私たちの脳が不思議な方法で、とるに足らないことを大事に思ってしまうからです。


ポテトチップの研究

Morewedgeら,2010の研究を見てみます。この実験では、被験者はポテトチップをどのくらい楽しめるかを尋ねられました。なお、半分の被験者の部屋には高級なチョコバーなどが置いてあり、別の半分の被験者の部屋にはイワシの燻製やスパムのような軽食が置いてありました。

高級なチョコバーが部屋にあった被験者は、イワシやスパムを置いてあった部屋の被験者よりも、ポテトチップを楽しめないだろうと回答しました。これは奇妙なことです。部屋に何が置いてあったとしても、ポテトチップの価値は変わらないはずだからです。

この実験からは、人はそのもの自身を楽しめるのは、他の選択肢との比較をほとんどしていない時であることが分かります。良い物との比較は、楽しみを邪魔してしまうのです。


ちょっとした違いの酷さ

車や、家や、お菓子を買う時、私たちは似たような商品の中から1つ決めます。私たちは、この車はより速くて、こちらの家は少し大きくて、このチョコバーの方が大きいといったことを知っています。ところが実際には、そのものから得られる喜びの差は思っているよりもとても小さなもので、ほとんどないかもしれません。

もし、あなたが商品を買う時に比較を一生懸命するタイプの人間なら、買う前にどのくらい楽しめそうか、買った後にどのくらい楽しめたかを記録してみてください。この研究は、あれこれ比較せずにそのまま買えば、大したことじゃないということを示しています。たしかに、ある商品やサービスを最も安く入手することは良いことですが、様々な商品のモデルや特徴について一生懸命調べてはいけません。それは、それほど大した違いはないのです。

危険なのは、比較した時のちょっとした違いが、あなたの望みや余裕よりも、より多くの金額を使わせてしまうことです。そして、結局、より安い選択肢よりもぜんぜん幸せにならないのです。実際に、家や車のような高い商品を買う時に余分な支払いを検討すると、長期的に見て幸せが減るかもしれないのです。

つまり、幸せになるためには、とびっきりの満足でなく、”これで十分”を目指すのです。十分に機能して、しかもあなたを苦しめないものを選びましょう。


この記事はPSYBLOG"The Dangers of Comparison Shopping"を翻訳したものです。


(翻訳: SY)
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2011年10月12日

看板は見落とし注意

看板 広告 飲食店        - 写真素材
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シンシナティ大学のJames Kellarisらの北アメリカの100,000世帯を対象とした調査によると、新製品の広告で有効なメディアは、

1.テレビ
2.店内の広告などの屋内広告、雑誌の広告
3.屋外広告
4.ラジオ
5.インターネット
6.新聞広告

の順だそうです。日本ではどのような順位か分かりませんが、テレビ、屋内広告、雑誌の広告が有効というのは分かります。そして、手元にデータはありませんが、今後はインターネットの広告や広告ではない口コミの有効性が高まっていくだろう、という予測もできると思います。


また、Kellarisらの調査は、屋外広告の看板についてを指摘しています。この指摘は、看板が小さかったり、わかりにくかったりすることで、看板を見落としてしまうというものです。

調査対象の50%近くの人が看板を見落としたことがあると報告しています。特に35-49歳,50-64歳以外では、見落とすことが多いとのことです。これは老人や車に慣れていない若者やが、そばを通ってもお店に気づかないということでしょう。

日本では最高の消費者は高齢者になっています。看板のデザインを凝ったものにして、その結果オシャレだけどわかりにくいというものにならないように注意しないといけません。


この記事はシンシナティ大学の"UC Research Finds that Consumers Rely on Signage over Other Ad Media"を参考に書きました。


(文: SY)
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