2011年10月11日

子供への広告の影響

フライドポテト - 写真素材
(c) HAL画像素材 PIXTA


テキサスA&M国際大学のChristopher Fergusonらは子供が食べ物を選ぶ際の広告の影響を研究しました。これは3から5歳の75人を対象とした実験です。

被験者となる子供はアニメを見せられます。1つのグループは、アニメの合間のCMでフライドポテトのCMを見せられます。もう一方のグループはアニメの合間にディップソースつきのアップルスライスのCMを見せられます。

その後で、親がヘルシーなものを選びなさいというか、もしくは親は何も言いません。それから、子供に食べ物のクーポンを選ばせました。

この時に子供がフライドポテトを選んだ割合を下に示します。

フライドポテトを選んだ割合.002.jpg

図から分かるように、フライドポテトのCMを見せられた子供は、フライドポテトを選び割合が上がります。また、親がヘルシーなものを選ぶように言うことで、フライドポテトを選ぶ割合が減ります。

この結果は、CMの力を示していますし、同時に親の指示の力も示しています。CMの効果を消し去ることはできませんが、親はその力をある程度緩和することはできるのです。


元の論文情報はこちら
Christopher J. Ferguson, Monica E. Muñoz, Maria R. Medrano. Advertising Influences on Young Children's Food Choices and Parental Influence. Journal of Pediatrics, 2011; DOI: 10.1016/j.jpeds.2011.08.023

この記事は以下を参考にしました。
Elsevier Health Sciences. "Children's food choices are affected by direct advertising and parental influence, study suggests." ScienceDaily, 10 Oct. 2011. Web. 11 Oct. 2011.


(文: SY)
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2011年09月26日

店員の非礼が顧客を遠ざける

ウェイトレス - イラスト素材
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小売店やレストランでの顧客の対応は日本とアメリカでは違うかもしれませんが、ジョージタウン大学のChristine Porathらが店員の非礼に関しての研究をしました。

244人の消費者に対して質問をしたことろ、1/3の人が過去1ヶ月以内に店員の非礼な態度に遭遇したとのことです。これは質問で覚えているものだけなのです。実際には忘れてしまった嫌な経験がもっとあったはずです。

このような店員の非礼な態度は、顧客(消費者)に対するものだけでなく、他の店員に対するものかもしれません。他の店員にぞんざいな口を聞いていたり、怒っていたりという態度は、顧客に向けられたものでなくても顧客を不機嫌にします。


このような非礼は、まれに顧客から店長や社長などに報告されることがあります。しかし、往々にしてそのようなことは行われないので、気づかないことが大半です。

ちなみにこのような非礼があった場合のベストな対応は、その店員とマネージャーで謝るという単純なことです。

また、このような対処療法でなく、店員に対しての適切なトレーニングプログラムを用意して、店の中での振る舞いを教育する必要があります。また、店員のみでなく、店長などのマネージャー職が指導を行う際にも顧客の目を気にするような教育が必要です。


上記の研究はアメリカのものですが、ほとんどそのまま日本にも当てはまるのではないでしょうか?”よくない店員”の無礼な態度で気分が悪くなることもありますし、店長などが他の店員を大きな声で叱責していてこちらも気分が悪くなるといった経験もしばしばあります。

一方で一部の企業やチェーン店はどこにいっても高いレベルのサービスを提供しています。いくつかのお店で店員が顧客を遠ざけた結果として、このような高いレベルのサービスを行うお店が繁盛して、企業として大きくなっていくのですね。


この記事は以下を参考に書きました。
Boston College. "Rude employee behavior quietly sabotages the bottom line." ScienceDaily, 21 Sep. 2011. Web. 26 Sep. 2011.
http://www.sciencedaily.com/releases/2011/09/110920141540.htm

元の論文はこちら。
C. Porath, D. MacInnis, V. S. Folkes. It's Unfair: Why Customers Who Merely Observe an Uncivil Employee Abandon the Company. Journal of Service Research, 2011; DOI: 10.1177/1094670511404393


(文: SY)
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2011年09月22日

エモーショナルな広告は、ブランドイメージだけじゃない!

ビバリーヒルズのロデオドライブ  - 写真素材
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ニューロマーケティングということが最近はよく言われています。脳の領域を調べる様々な機器を使って広告に関しての効果を調べるといったことがよく行われています。


カルフォルニア大学ロスアンゼルス校のIan Cookらの研究は13人の男性と11人の女性の24人を対象としたものです。この研究では、それぞれの被験者が雑誌や新聞の24の広告を見ている時の脳の活動を脳波検査法(electroencephalography EEG)を使って調べました。

ここで広告には2種類あります。「リッター30km走ります」というような説明するような広告と、魅力的な女性が高級店でお酒を飲んでいるような感情的な広告です。

この研究では、説明するような広告を見ている時は、眼窩前頭皮質、前帯状皮質、へん桃体と海馬の活動が活発になりました。これらの領域は全て、認知的な処理に関わるもので、意思決定や感情の処理に関わっています。逆に、感情的な広告を見た時は、これらの領域の活動が低下します。


このことは何を意味するのでしょうか?説得するような広告を見た時に認知的な処理を行うことは当然ですが、ポイントは感情的な広告を見た時の反応です。感情的な広告を見た時に認知的な処理の活動が低下するということは、感情を抑制する領域の活動も少なくなっているということです。

これは感情的な広告の有効性の基礎付けを示唆します。これまでは、感情的な広告には商品や企業のブランドイメージを向上させると言われていましたが、それだけでなく消費者が「購買したい」と思っている感情の抑制を抑えるという効果もあるんですね。


元の論文はこちら。
Ian A. Cook, Clay Warren, Sarah K. Pajot, David Schairer, Andrew F. Leuchter. Regional brain activation with advertising images.. Journal of Neuroscience, Psychology, and Economics, 2011; 4 (3): 147 DOI: 10.1037/a0024809


この記事は以下を参考に書きました。
University of California - Los Angeles. "Buyer beware: Advertising may seduce your brain, researchers say." ScienceDaily, 21 Sep. 2011. Web. 22 Sep. 2011.

(文: SY)
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2011年09月20日

顧客接点の設計

コーヒー コーヒーカップ  - 写真素材
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以前、”試飲についての2つの効果”という記事を書きましたが、今朝行った喫茶店もなかなかにレベルが高かったのでご紹介します。

このお店は席数が20程度の小さな喫茶店で、店主とフロア係の男性1人でやっていました。コーヒーと器にこだわりのある小さなお店です。

ここでモーニングセットを頼んだのですが、まず注文時に「今月から、こちらのホットサンドのハムサラダを始めました、よかったらどうぞ」と言われ。こちらの注文後に「よろしければプラス100円で、サラダもつけられます」という質問がありました。

さらに、注文を受けてしばらくしてから、コーヒーとモーニングを出す少し前に「フレッシュは必要ですか?」と聞きに来ます。

完全に単純接触効果狙いですね!!つまり、店員と「繰り返し接する」、「やりとりを生む」ポイントと時間を増やして、店員への好感度を上げる狙いです。


さらに注文の品を出す時にも、「よろしければこちらに記入いただくと抽選で旅行があたります」といって小さな紙とペンをだし、さらに「お得なコーヒーチケットが期間限定でさらに安くなっていて本当にお得です。よろしければどうぞ」とダメ押しをしてきます。

喫茶店に入って、自分から何も話しかけないのに、こんなに店員さんとやりとりをしたのは初めてです。さらにいろいろなところがツッコミどころ、例えば「キャンペーンの旅行ってどこ?」とか「コーヒーチケットの有効期限はいつ?」などと店員とやりとりを促すような機会があります。


他のお客さんにも同じように接していたので、このお店はシステムとしてお客さんとのやりとりを増やすようにしているようです。またサラダのオススメやコーヒーチケットの販促などのアップセリング・クロスセリングだけでなく、抽選での旅行キャンペーンのような純粋なサービスが混ざっていて”売らんかな”という印象がありません。このように、明らかに接触回数・時間を増やすように顧客接点を設計しているようでした。


また、今回の滞在時に、フロアの人が別のお客さんからコーヒーの質問を受けていたのですが、その答えがイマイチだったのをフロアの人がカウンターに戻ってすぐに店主が「こうしなさい」と指示していました。このようにフィードバックをすぐに行うというのも、人を扱う上では大事なことです。


心理学的に見て非常に良いお店でコーヒーを飲むことができました。真摯にビジネスに向き合っているお店に出会えて朝から良い気分になれました


(文: SY)
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2011年09月19日

ヨダレが出るほど欲しいモノ

口元 - 写真素材
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日本語以外でも様々な言語で、「ヨダレが出るほど欲しい」というような言い回しがあるようです。

一つ目の実験は、コットンを口の中に入れて、お金を見た後に唾が出たかどうかを調査するというものです。ただし、この実験の前に、被験者の一部はお金を見る前に「自分がパワフルと感じる」ように、もう一方は「自分には力がないと感じる」ようにプライミング(条件づけ)しておきました。

この結果は「自分には力がないと感じている」被験者は、お金を見ると実際に唾を出すことが分かりました。ちなみに食べ物を見た時にはこのような条件は無関係に唾が出ますが、お金や何か欲しいものの場合は「自分にはお金がある」とか「そのモノを十分に持っている」と十分満足している時は、唾が出ないことがこの実験から示唆されます。


次の実験もおもしろいものです。男性を2つに分けて、一方には2枚の魅力的な女性の写真を見せて「どちらがいいですか?」と聞き、もう一方には「自分が美容院で髪を切ってもらうことを想像してください」といいます。その後で、高級なスポーツカーの写真を見せて、唾の分泌量を調べます。想像通り、女性の写真を見てから、スポーツカーの写真を見たグループはより唾が分泌されます。


これは、食べ物だけでなく、お金や商品に対しても同様の報酬システムが機能しているからと考えられます。これまで考えたことがなかったのですが、”ヨダレが出るほど欲しい”モノを見た時には本当にヨダレが出てたんですね。

元論文はこちら
David Gal. A Mouth-Watering Prospect: Salivation to Material Reward. Journal of Consumer Research, 2011

この記事は以下を参考に書きました。
University of Chicago Press Journals. "When do products (and money) literally make your mouth water?." ScienceDaily, 15 Sep. 2011. Web. 19 Sep. 2011.

(文: SY)
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2011年09月13日

980円より1000円!?

きのこ - 写真素材
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980円や1980円といった価格の商品はいろいろあります。1000円の商品よりも980円の商品の方が売れるというのは経験的に多くの人がわかっていると思います。

これは人は一番左側の数字が重要であるということをわかっているからです。980円と1000円の場合はさらに桁まで違っています。

価格の研究に関しては世界でも5本の指に入るといわれている研究者ラトガース大学のRobert Schindlerはこの”少し下”の価格についての研究について書いていました。

これまでの100の研究のメタ分析(過去の様々な研究をまとめて、精度をあげるような研究)から、この980円のような値付けには良い面だけでなく、負の要素もあるのです。


それは、980円や1980円のような値付けは、商品を安く思わせるだけでなく、同時に品質に疑問を抱かせるかもしれないのです。

顧客は、商品を選ぶ時に価格だけでなく、品質も重視しています。日用品の場合は価格を重視すること多いので、980円や1980円のような値付けも有効ですが、バッグや宝石などの贅沢品やコンサルティングサービスなどのとにかく品質が大事なものの場合は、98000円や、498000円のような価格よりも、11万円や55万円のような価格の方が有効と考えられます。


もちろん顧客が価格と品質のどちらをどのくらいの割合で重視するかにもよります。ただし、品質重視の商品の場合は、価格で安さのシグナルを出すことで、”品質もそれなり”というメッセージを同時に出してしまうこともあるのです。


この記事は以下を参考に書きました。
Rutgers University. "99-cent pricing may not be worth the penny, says expert." ScienceDaily, 6 Sep. 2011. Web. 13 Sep. 2011.


(文: SY)

posted by さいころ at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2011年09月09日

売れそうな商品名、売れなさそうな商品名

頻繁に処理する数字の源と根源


数字 - イラスト素材
(c) Shadowmanイラスト素材 PIXTA


商品やブランド名には数字が入っているものがいろいろあります。

コモドール64、ニコンのD60、Xbox 360...

こういった商品やブランドにつけられる数字にはある特徴があります。

シンガポール国立大学のDan Kingと、フロリダ大学のChris Janiszewskiはこのような数字についての研究しましたので、簡単にご紹介します。


まず、人は見慣れた数字を好みますそのため、1,2,3といった小さな数字や、10、20、30といった割り切れる数字を好みます。53や79よりは50や70を好ましいと思い、そして18や19よりも3や4を好みます。

次に1桁の素数2,3,5,7は好まれますが、2桁以上の数の素数は好まれません。2桁以上の数の場合は合成数(素数でない)が好まれます。そのため17よりも16を好みます。もちろん”24”という数字には特別な意味がありますが、そうでなくてもドラマのタイトルが”23”になることは考えられません(”18”や”21”といったタイトルならまだありそうです)。

この素数が好まれないのは足し算や掛け算で結果として17になることよりも、結果として16になることが多いことが関係していそうです。


それで、実際にブランド名や商品名を考えてみると、2桁以上の素数を使ったブランドや商品名はあまり思いつきません。2桁以上のものでも、下1桁が0で終わっているもの(ニコンのDシリーズのカメラやボルボのSシリーズの車)が多いです。また、そもそもブランド名や商品名に入っている数字は1桁のものがとても多いです。

このように人には小さな数字が好き、そして合成数が好きという特徴があるようです。もし、商品を作ったら"さいころ103"という名前にするよりも、"さいころ12"にした方が売れそうということですね。


この記事はAMAの"The Sources and Consequences of the Fluent Processing of Numbers"を参考に書きました。

元の論文はこちら

(文: SY)
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2011年09月05日

映画館のポップコーンは美味しい?

ポップコーン キャラメルポップコーン  - 写真素材
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人は、ある状況になると美味しさに関わらず食べてしまう習性があるようです。

南カリフォルニア大学のDavid Nealらがこのことを研究しました。映画館の中ではできたてのポップコーンでも古い(美味しくない)ポップコーンでも同じ量だけ消費されることをみつけました。ちなみに映画館でなく会議室では美味しいポップコーンはたくさん減っても、古いポップコーンはそれほど減りません。

これは映画館という”ポップコーンを食べる場所”では、ポップコーンを味に関わらず消費してしまうということです。


また、2つめの実験として、映画館で被験者の利き手側にポップコーンを置いた場合と、利き手の反対側に置いた場合の実験をしました。この時、利き手側にポップコーンがあると美味しいポップコーンも古いポップコーンも同じだけ消費されますが、利き手の反対側にあると古いポップコーンはそれほど消費されません。

つまり、たとえ”ポップコーンを食べる場所”でも、利き手の反対側にあるなど食べにくい状況になると、消費量が味に依存して減るということです。


体重に注意していう人はこのことに気をつけて、「海に来たらアイスクリーム!」、「映画館だからポップコーン!」などと思っていると、美味しくないものでもたくさん食べてしまうので注意しましょう。


この記事は以下を参考に書きました。
University of Southern California. "Habit makes bad food too easy to swallow." ScienceDaily, 1 Sep. 2011. Web. 5 Sep. 2011.

元の論文はこちら


(文: SY)
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2011年08月31日

ダイエットのコツは昼食を減らす

おからクッキー大豆 - 写真素材
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高価なダイエット食品や、空腹に耐える、運動をするといったことなしで体重を減らす方法はあるのでしょうか?コーネル大学のCarly PacanowskiとDavid Levitskyの新しい研究によると、昼食を軽くすることがポイントのようです。この研究は17人の被験者を対象とした約1ヶ月の実験からなります。


ダイエットについては、食事の盛の大きさ(ポーションの大きさ)を小さくすることが良いということはよく言われています。より小さい皿にして、1回分の盛りを10〜20%減らすといったことはよく言われています。

今回の研究では、昼食で食事量を減らしてもその後で”取り返そう”と間食を増やしたりといったことはしないことが分かりました。ちなみにこの実験では昼食を小さいポーションにすることで、250カロリーを減らすことができました。


研究自体は昼食のみを対象としたもので、夕食や朝食がどうなっているかを明らかにして、比較して昼食が有利といったものではありませんが。

この研究は苦労しないでダイエットをする第一歩を示しています。私の場合は昼食で、”なんとなく”大盛りにしてしまったり、なんとなく”〜定食”にするのでなく、普通盛りや単品で我慢してもそのあとでお腹が空くということはない(お腹が空くのは昼食をたくさん食べていても変わらない)ということを意識することが大事ですね。


元の論文はこちら

この記事は以下を参考にしました。
Cornell University (2011, August 29). Weight loss without the hunger: Eat a lighter lunch, scientists say. ScienceDaily. Retrieved August 31, 2011, from http://www.sciencedaily.com- /releases/2011/08/110829131320.htm


(文: SY)
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2011年08月25日

節約の秘訣は、小さな袋

キャンディーポーチ - 写真素材
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食べ過ぎないためには、小さなパッケージの食品を買うと良いというのはよく言われています。ポテトチップスならば、1つの120gの袋よりも、3つの40gの袋に小分けされていた方があまり食べません。

この小さな袋には、1袋ごとに「食べ終わった」という感覚があることと、袋ごとに次を開けるかどうかの選択を迫られることの2つの効果があります。


このような小分けのテクニックはお金などでも使えます。ある実験では、50ドル分の国際通話のテレホンカードを1枚もらうか、10ドル分の国際通話のテレホンカードを5枚もらうかでそれぞれがどの位の期間かかって使われたかを調べました。

その結果、1枚で50ドルのカードは全部使うのに平均で5.7週間かかったのに対して、5枚の10ドルのカードは全部使うのに10週間以上かかりました。小分けすることで消費量を約半分に抑えることができたと言えます。これも小分けの効果と言えます。


賢い消費者としては小分けをしておくことが大事、賢い小売者としては大きな袋で売ることが大事ということですね。


この記事はBarking up the wrong tree"A smart trick for increasing your self-control"を参考にしました。


(文: SY)
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2011年08月22日

スマートフォンの恐ろしい”チェック行動”

スマフォン スマホ スマートホン  - 写真素材
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今、スマートフォンが流行っていることを否定できる人はいないでしょう。70歳を越える母親からしょっちゅう「スマートフォンにした方がいいかしら??」という相談を受けますし、このさいころニュースもスマートフォンとiPadからのアクセスが6%程度になりました。

フィンランドのアールト大学のAntti Oulasvirta,Tye Rattenbury,Lingyi Maとアメリカのインテル研究所のEeva Raitaがスマートフォン使用の研究をしました。これは、フィンランドとアメリカの被験者を対象としたものです。この研究は、ラップトップPCとスマートフォンの使い方の差を調べることで、スマートフォンの使い方を明らかにしています。


AndroidのスマートフォンとPCに、操作の記録をするようなアプリケーションをインストールすることで、どのように使われているかを調査しました。

この研究の結果から分かったことは、意外なことではないかもしれませんが十分に注意しないといけないものです。

まず、スマートフォンを使うと”チェック行動”が習慣化されます。これは、メールのチェック、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアのチェックやニュースのチェックなど、短時間でちょっとチェックするという習慣ができてしまうことです。この”チェック行動”は1回ごとのチェックは短時間ですが、非常に高い頻度で行います。また、この”チェック行動”が習慣化されることで、使用者は自由な時間がどんどんと削られてしまいます。実際に、何をしてるでもなく、電車の時間中ずっとスマートフォンを使っているという人はよくいると思います。

また、”チェック行動”をしている使用者は、常に友達とつながっている感覚があってポジティブなものと捉えているよりも、使いすぎて時間がなくなるというネガティブなものと捉えているようです。


この”チェック行動”はスマートフォンを使うきっかけにもなります。つまり、電子メールをチェックしたついでに他のアプリケーションを使うというものです。”チェック行動”をきっかけにスマートフォンを使用して、様々なアプリケーションを使ってしまうのです。


この研究はいくつかのことを表しています。
1.スマートフォンの”チェック行動”は個別には短時間だが非常に高い頻度で行うことで多くの時間を奪ってしまう
2.この”チェック行動”をしたからといって使用者が幸福になるのでなく、逆にチェック中毒で時間がなくなるというようなマイナスの面を持つ
3.”チェック行動”をきっかけとしてスマートフォンの様々なアプリケーションを使う

 つまり、消費者としてはこのような”チェック行動”を自制しないといけないわけです。私もスマートフォンを使っているのでこれは非常に感じます。いや、もっと使用を減らすべきだ、と感じてはいるが減らせないという意味です。これは使用を減らすような仕組みを用意すべきということでしょう。


 また、アプリケーション開発者、特にゲーム開発者にとっては1つのデザインモデルを与えています。使用の呼び水となる”チェック行動”という短期間ですぐできる行動部分と、そこから切り替えて使う実際の”ハマる”ような長時間かかるゲームのメイン部分の2つの組み合わせという設計をすることが大事です。このような階層的なゲームモデルがこの研究から示唆されます。


この記事は以下を参考に書きました。
Aalto University (2011, August 18). Study exposes habit formation in smartphone users. ScienceDaily. Retrieved August 22, 2011, from http://www.sciencedaily.com-/releases/2011/07/110725101222.htm

元の論文はこちら


(文: SY)
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2011年08月18日

洋服メーカーは倫理的?

青い椅子 - 写真素材
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消費者は洋服のメーカーについて疑いを持っているようです。ミズーリ大学のGargi Bhaduriと Jung Ha-Brookshireの研究では、洋服のメーカーはグローバル化しており、製造に関して消費者が十分な情報を持つのが難しいものです。開発途上国での児童労働や過剰労働といった問題がマスコミなどに取り上げられることもあり、消費者は企業が”倫理的な方法で、持続可能な生産をしている”と主張しても疑っていることがわかりました。


一方で、もしこのような倫理的で持続可能なことが明らかであると示すことができれば、消費者は喜んで15〜20%のプレミアム価格を払うことも分かりました。

消費者がこのような持続可能性や企業倫理を確認するためには、権威のある国際認証機関といったものが有効なようです。このような機関からの認証などを、洋服のタグなどにつけてわかりやすく消費者に示すことが大事なようです。


実際には、オーガニック認証といったものは見たことがありますが、企業倫理に関する認証といったものは見たことがありません。認証機関の設立といった動きがあるのか知りませんが、最近では2次元バーコード、ARやデジタルサイネージといった新しい情報提供ツールもあり、洋服メーカーにとってはブランドイメージの発信というだけでなく、実際の企業の倫理面での実践をアピールしていくというのが今後のマーケティングの課題なんでしょうか。


この記事はミズーリ大学の"Consumers Willing to Pay More for Sustainable Apparel if Business is Transparent, MU Study Finds"を参考にしました。


(文: SY)
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2011年08月05日

身体の機能と外見の満足度が大事

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ベイラー大学の Renee Umstattdらが平均69歳の被験者1900人を対象とした、運動プログラムの研究をしました。この研究では、身体の機能への満足度と外見への満足度という2つの軸で行われています。まず、運動をすることで、身体の機能への満足度や外見への満足度が向上することが分かりました。

ちなみに男性は身体の機能への満足をより求めて、女性は外見への満足をより求めるという結果になりました。これは言われれば当たり前ですよね。また、より若い人の方が身体の機能よりも外見が大事という結果もありました。


そして、この身体の機能への満足度や外見への満足度が高くなると、より運動をして、健康状態がよくなり、BMIが改善して、また憂鬱も改善することが分かりました。また、外見への満足度が高いと、大学で単位をとったりといった社会的な行動も増えることが分かりました。

つまり、老人にとっては、身体の機能も外見も大事で、これらへの満足度が高いと肉体的な面だけでなく、社会的な面にとっても良い影響があります。


この研究で面白かったのは、やはり外見の影響でしょうか。老人が身体の機能に興味があるというのは明らかですが、外見への満足が高いとそこから運動をしたり、外へ出たりといったポジティブなフィードバックがあるということでしょう。

老人を対象としたマーケティングとしては、この身体への満足度と外見への満足の2つの軸で考えると面白そうです。そして、運動とこの満足度でポジティブなスパイラルを作っていって、社会的な行動へつなげていくといったストーリーを売るといったのはいかがでしょうか?


この記事はベイラー大学"Baylor Study Finds Satisfaction in Body Function, Body Appearance Differs in Older Men and Women"を参考に書きました。


(文: SY)
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2011年08月04日

ビデオゲームの面白さの原因は、現実と理想のギャップ

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子供はみんなビデオゲーム好きですよねー。私の甥っ子や姪っ子は総じてゲームが好きです。まぁ、友人でもビデオゲーム好きが多いので、子供だけでなくて大人も好きなんでしょうが…それではビデオゲームは何故楽しいのでしょう?

エセックス大学のAndy Przybylskiらが千人近いゲーマーを対象として行ったところ、ゲームの楽しさは”爽快感”や”上達の楽しみ”でなく、自分の理想に近い何かになれるから、ということだそうです。

もちろん、これは程度の問題でしょうが…つまり、ゲームをすることで、”なりたいけど本当はなれない”スーパーヒーローや騎士や悪漢になれるということがゲームの楽しみの原因ということです。

この研究では、ゲーマーに新しいアイデンティティ(違う性別やヒーローや悪党)になるチャンスを与えると、よい気分になりネガティブでなくなることを発見しました。また、理想的な自分と現実の自分が離れているほどゲームが楽しいということも分かりました。


では、ゲームは実際の自分から理想の自分への現実逃避なんでしょうか?これは難しい問題です。例えば子供のおままごとは現実逃避とも言えますし、一方で理想の自分(大人)に近づくシミュレーションとも言えます。また、実際にゲームを通じて人格形成をするといったことがあります。つまり一面的に現実逃避であると断定できないと思います。

もちろんゲームの面白さはこれだけでなく、”上達すること”の面白さや、”友達とのコミュニケーションツール”という側面もあると思います。

ちなみに、この研究はビデオゲームの設計者にとって、また親が子供にどのようなゲームをさせるかということについて示唆を与えるものですね。ゲームの暴力シーンうんぬんということだけでなく、どのような”ごっこ遊び”とみるか、何を演じているゲームなのか、を考えることが大事ということです。


ちなみにPrzybylskiの動画はこちらです。

Story from Andrew Przybylski on Vimeo.



この記事は以下を参考にしました。
Association for Psychological Science (2011, August 3). Getting to the heart of the appeal of video games. ScienceDaily. Retrieved August 4, 2011, from http://www.sciencedaily.com-/releases/2011/08/110803133553.htm


(文: SY)
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2011年07月29日

商品を10%高く売る方法

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物を売る時には、消費者にどういう気持にさせるのがいいのでしょうか?楽しい気持ちでしょうか?リラックスした気持ちでしょうか?


コロンビア大学のMichel Tuan Phamらの研究によると、この答えはリラックスした気持ちのようです。Phamらの研究は、670人以上を対象に6つの実験をしました。この実験は被験者がリラックスした状態とそうでない状態で、商品の価格をいくらに見積もるかというものです。ちなみに楽しい気分でリラックスした状態と、楽しい気分だがリラックスしていない状態というのも比較として行っています。


この6つの実験では、リラックスをすると商品の価格をより高く評価するということがわかりました。この時の商品は、通常の商品だけでなくサービスについても同様ですし、また、商品がどのようなジャンルの商品でもより高く見積もることが分かりました。購入者がリラックスさえしていれば、クルージングのようなリラックスするサービスの価格だけでなく、バンジージャンプのような興奮するサービスの価格、アイスクリーム、デジカメのような製品の価格も高く見積もってしまいます。

この見積もりの高さについて、オンラインオークションでデジカメに入札するという実験では、リラックスした人はそうでない人よりも11%も高い金額で入札をしました。リラックスをしていない人が入札した金額はほぼ市場価格ですが、リラックスをしていると市場価格よりも15%も高い金額で入札してしまいました。


それでは、何故リラックスすると、商品やサービスの価格をより高く見積もる、つまり商品やサービスに価値があるとみなすのでしょうか?Phamらによると、リラックスをしている状態というのは周りが安全で環境に気を配る必要がないため、より商品価値の評価だけに集中できるため、結果として商品の価値をより高く見積もるとしています。


この研究結果は、高級店がリラックスするように設計されていることの説明になります。また、お店では高級店でなくても顧客をリラックスさせるような仕掛けを作っていくことが大事ということも示唆しています。多くのお店ではリラックスさせるという仕掛けがないですし、会計中や商品の包装中にようやくリラックスゾーンに顧客を誘導するといったお店も多いです。高級店などではまず顧客を椅子に座らせてからといった接客を試みるところもありますし、お店側としては様々な仕掛けをする余地があるのではないでしょうか。


また、この研究とは別に、悲しい場合には商品の価格を高く見積もるという研究も有名ですが、お店としては消費者に悲しい気持ちにさせて売るというのは難しいのではないでしょうか。もちろん消費者としては悲しい気持ちの際に物を買わないように注意しましょう。


この記事は以下を参考にしました。
Columbia Business School (2011, July 28). The role of relaxation in consumer behavior. ScienceDaily. Retrieved July 29, 2011, from http://www.sciencedaily.com-/releases/2011/07/110728123126.htm


(文: SY)
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自動車レースと事故の関係

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研究の結果には2つあります。1つは当たり前の結果のもの、もう1つは意外な結果のもの。もちろん世の中の多くの事柄は実験や研究では明らかにされていませんので、ほとんどの心理学の研究は当たり前の結果を改めて確認するというものになります。

という前フリの通り、今回の研究結果も当たり前のものです。


アメリカのウェストバージニア州工科大学のGuy Vintaglioneが、同州の高速道路事故について2003年から2006年の4年分についての分析を行いました。

その結果、NASCARというアメリカで人気の自動車レースに続く5日間は、高速道路の事故が有意に多くなることが分かりました。分析したデータ量が少ないのが若干気になりますが、当たり前なのに面白い結果ですよね。

日本でも、F1の放送をした後は自動車事故が増えるのか?ヤクザ映画をテレビで放送した後は喧嘩が増えるのか?などが気になるところです。普段はあまり意識していませんが、人の行動はやはりレースなどのテレビ番組に影響を受けてしまっているんですね...


この記事はこちらを参考にしました。

元の論文はこちら
VITAGLIONE, G. D. (2011), Driving Under the Influence (of Mass Media): A Four-Year Examination of NASCAR and West Virginia Aggressive-Driving Accidents and Injuries. Journal of Applied Social Psychology. doi: 10.1111/j.1559-1816.2011.00783.x


(文: SY)
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2011年07月26日

化粧品の心理学

春のアイメイク9[1981469] - 写真素材
(c) 笑里ストック写真 PIXTA


女性は化粧品を好きな人が多いですよね。ファッションに対して情熱やお金をかけるのは理解できますが、服以上に化粧品に情熱をかたむけたり化粧品メインの雑誌があんなに出ているということは、男性の私からすると驚きです。

この化粧品についてスペインのバスク国立大学のVanessa Apaolaza-Ibáñezらが18歳から50歳の女性355人を対象とした調査を行いました。この調査では、化粧品が人にどのような影響をしているか、そしてそれはどのような要素によるものかということを明らかにしています。


まず、化粧品の効果ですが、感情をポジティブにさせるというものです。人は化粧品を使うことで、美しくなるなどそれ自体の効果や、自分の外見をケアする心配などから解放され、”自分を思いやっている”気持ち”や、セクシャルな魅力の上昇を感じて、ポジティブな気持ちになるというものです。

なお、このようなポジティブな気持ちは、化粧品のブランドから来ます。これは服でもほぼ同じだと思いますが、満足度の差はブランドへの満足度と解釈できます。1万円のTシャツでも1000円のTシャツでも機能性はあまり変わりませんが、着ている時の感情的な満足度は1万円のTシャツの方が高いのですよね?つまり、化粧品では、商品の機能以外の、化粧品を買ったり使うことでの”ポジティブな気持ち”といった情動の影響が大きいのです。

つまり化粧品を売る側としては、「これを使ってキレイになれます」という効果でなく、「これを使ったらどうなるかな?」というワクワク感のような情動の影響が大きいことを認識しておきましょう。


また、化粧品の実際の効果(機能)を実感するためには、パッケージデザインの影響が大きいこともこの調査から分かりました。素敵なパッケージデザインの化粧品は、化粧品としての機能も高いと認識するのです。パッケージや箱のキメや触り心地、ケースといったものが重要な要素になります。

これは化粧品の調査結果ですが、経験的にはパッケージデザインが機能を暗示するということは他の商品でもよくあることです。ソフトウェアなどでも画面デザインやCDやマニュアルなどのクオリティが製品自体の品質の証として認知されるということはよくありました。


この記事は以下を参考に書きました。
FECYT - Spanish Foundation for Science and Technology (2011, July 22). Do we buy cosmetics because they are useful or because they make us feel good?. ScienceDaily. Retrieved July 26, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/07/110721095846.htm

元論文はこちら

(文: SY)
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2011年07月20日

買い物の魔力に負けない4つのポイント

バーゲンセール[2217454] - 写真素材
(c) Joelストックフォト PIXTA


買い物をする場合に注意点はいろいろあります。思わず”やっちゃった”とならないように、またIYH(イヤッッホォォォオオォオウ!)となってしまわないように、特定の状況に特に注意しましょう。

今回は特にやっちゃわないための4つのポイントを書きます。

1.1つの店で複数買うのは罠
1つの店で複数のものを買う時は注意しましょう。2万円のシャツを買ったあとは1900円の靴下はついでに買っちゃえと思うかも知れませんし、5万円のジャケットのあとなら3900円のネクタイはついでに買っちゃうレベルかもしれません。さらに5万のジャケットと4900円のシャツを2枚買ったなら、ネクタイも2つくらい買っちゃってもいいか、と思ってしまうかもしれません。

つまり、先に買った大きなものがあとから選んだものの金額を小さく見せてしまいます。1つの店で複数買う時には、この”値段のコントラストの罠”にかかっているので注意してください。


2.カードを使うのは罠
クレジットカードを使うと、その月にいくら使ったのか分かりにくくなるため、自分の予算を把握しづらくなります。また、実際にいくら使ったかという実感も減ってしまいます。

カードでなく、出来る限り現金で払うようにしないと”カードの罠”にかかって、本来あるべき予算を超えてしまいます。


3.感動的な気持ちで買い物をするのは罠
感動的な映画や泣きたくなるようなドラマを見た後は、人は金銭感覚が変わることが知られています。ある実験では、3倍もお金を使うという結果になりました。

映画で号泣した後に買い物に行くようなことをすると、この”感動の罠”にハマって、本来よりも浪費してしまうことがあります。


4.疲れた時の買い物は罠
疲れている時の買い物も金銭感覚が変わってしまいます。以前書いた”ハードな日にはジャンクフードで”という記事では、疲れている時は長期的なメリットよりも短期的なメリットを重視してしまうことを書きました。

実際に、残業残業で疲れがたまっている帰り道に高価なものを衝動買いしたことがある人も多いと思います。”疲れた時の罠”はよくハマりやすいので注意しないといけないものです。


このように様々な罠があなたを浪費へと導きます。罠にかからないように十分に注意してください。


この記事は、Barking up the wrong treeの”Fast, easy tricks to avoid spending too much while shopping”を参考に書きました。



関連記事:
ハードな日にはジャンクフードで


(文: SY)

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2011年07月16日

”お一人様いくつまで!”の心理学

野菜 食べ物 玉葱 食材 [2473912] - 写真素材
(c) YO-HEY!!ストックフォト PIXTA


玉ねぎをスーパーでたくさん売るなら、どのように売りますか?

実験条件や商品によりますが、”お一人様いくつまで”という書き方で、販売量が30%〜100%増えるという研究があります。


近所の大手スーパーでは、この”お一人様いくつまで”ということはほとんど使われていません。一方、近所にある別の安売りスーパーではこの”お一人様いくつまで”戦略はよく使われており、ポイントごとにダンボールを積み上げてます。

あまり使っていないスーパーはもしかすると”お一人様いくつまで”を、バーゲンハンター(安売りのものだけ買う人)対策としてしか考えていない人もいるかもしれませんが、むしろ上手く使って販売促進をすることできるものです。

確かに
1.玉ねぎ1個35円
2.玉ねぎ1個35円(ただし、お一人様5個まで!)
3.玉ねぎ5個で165円

とあると1よりは2の方が売れそうです。しかし2と3ではどちらが売れそうか分かりません。

では、もう少し別の例で考えてみましょう。

1.プリンターのトナー1個980円
2.プリンターのトナー1個980円(ただし、お一人様3個まで!)
3.プリンターのトナー3個で2940円

プリンターのトナーの予備をどのくらい用意しておくか分かりませんが、このような場合は2が一番売れそうです。


つまり、売る商品をどのくらい家においておくか(家庭内在庫量)と、通常価格との差(実際には顧客がどのくらい”お得と感じる”か)によって、”XX個XX円”と使い分ける必要があるわけです。”お一人様3個限り”といった戦法はもっと使えるはずなんですが、近所のスーパーを見ているとまだまだ使われていないようですね。


この”お一人様いくつまで”というのは、いわゆる稀少性(今だけ、ここだけ、あなただけ)の一種とも考えられます。やはり、限定されると欲しくなるのでしょう。

(文: SY)
posted by さいころ at 10:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2011年07月15日

小さなお皿と大きなフォーク

パスタ[1529760] - 写真素材
(c) kono写真素材 PIXTA


食べ物の心理学としては、盛りつけの量(ポーションの大きさ)が多いとよりたくさん食べると言われています。また、食べ物はそのままで、より大きい皿を使うとよりたくさん食べてしまうという研究もなされています。これは、皿のサイズが小さいと同じ量の食べ物でも、よりたくさんに見えるためです。


しかし、ユタ大学のArul Mishra, Himanshu MishraとTamara Mastersが、これに加えて興味深い研究をしました。

Mishraらの研究は、人気のあるイタリア料理店で実験をしました。ここで大きなフォークと小さなフォークを使って、どれだけの量を食べるかを実験しました。皿の大きさの結論から推論すると、大きなフォークを使うと食べ物の量がより少なく見えるため、よりたくさん食べると考えられましたが、実際には小さなフォークを使った人の方がよりたくさん食べました。

通常のものよりも20%多く食べ物を取れる大きなフォークと、通常のものよりも20%少ない食べ物を取れる小さなフォークを使いました。例えば、最初に850gの量を盛り付けた時に、小さなフォークの人は540g食べて310g残したのに対して、大きなフォークの人は380g食べて470g残しました。これは、大きなフォークを使うと、食べ残した量が40%以上増えたことを意味します。なお、この食べ残しの量はほぼ常に40%増えました。


この原因としては、フォークのサイズが自分が食べた量の手がかりになっていると考えられます。これは、例えばカキやカニのように食べた後の殻があれば、それが食べた量の手がかりになって満腹度に影響するのですが、そのような殻がない時にフォークのサイズが満腹感の手がかりなっていると考えられます。


また、Mishraらの研究ではさらに面白い点がありました。

この研究はレストランで行われたものですが、研究室で実験を行うと小さなフォークよりも大きなフォークの方がよりたくさん食べてしまうという結果になりました。つまり、レストランと研究室では反対の結果になってしまうのです。これはレストランでは”がっつり食べよう”と思っているのに対して、研究室では”実験に協力しよう”と考えているためと考えられます。

このように実験場所によって被験者の行動理由が変わってしまい、実験結果も変わってしまうというのも、心理学の実験の面白いところです。


それでは、皆さんもうちでは小さなお皿と大きなフォークを使ってください。それと、商売されている人は大きなお皿と小さなフォークで、お客さんにたくさん食べさせて、稼いでくださいね。



この記事は以下の記事を参考にしました。
University of Chicago Press Journals (2011, July 14). Size matters: Why do people eat less when they have big forks?. ScienceDaily. Retrieved July 15, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/07/110714150949.htm

関連記事
蟹の殻の心理学


(文: SY)

また、食べ物の心理学を考える際には、以下の本がオススメです。
そのひとクチがブタのもと
ブライアン・ワンシンク
集英社
売り上げランキング: 167231
posted by さいころ at 16:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動