2012年04月24日

悲しい出来ごとは覚えてる?性格や性別で変わる?

自伝的記憶.jpg

自伝的記憶というのは、自分の人生を振り返った時の思い出す出来事です。

私は、大学2年生の時に、留年リーチで迎えた物理(熱力学)の試験をときどき思い出します。また高校の入学式の日に教室でラブクラフト全集を一人ポツネンと読んでいたことも強い記憶があります。

では、自伝的記憶ではどのようなことを思い出しやすいのでしょうか?


カナダのアルバータ大学のEkaterina Denkovaらの研究はこの自伝的記憶に関するものです。この研究では平均21.3歳の18−34歳の71人の被験者に、「家族の誕生を覚えていますか?」、「入院したことありますか?」などの115の自伝的記憶を聞き出して、性別や性格と覚えていることの間の関係を調べました。


まず、外向性の高い人は、男女共にネガティブなことよりもポジティブなことをより覚えている傾向があります。やはり、外向性は記憶にもポジティブな影響を与えているんですね。


一方、 神経症傾向の高い男性は、神経症傾向の低い男性よりも、よりネガティブなことを思い出します神経症傾向の高い女性では、同じネガティブなことを何度も何度も思い出す傾向があります。ちなみにこのような記憶の反芻はうつ病に関係していることが知られており、あまりよくない傾向かもしれません。ネガティブな記憶の反芻は落ち込んだ時に、ネガティブな記憶を思い出して悲しみ、そしてその結果さらにネガティブな記憶を思い出すという悪循環になるのです。


また、ネガティブな記憶を思い出す、”再評価”という方法で記憶に対峙する男性は、ネガティブなものをよりポジティブな記憶に”再評価”できる傾向があります。一方、ネガティブなことを思い出さない”抑圧”をする人は、特に効果がありませんでした

一方で、女性で、ネガティブなことを思い出さない”抑圧”をする人はネガティブなことを思い出しやすく、気分も落ち込みがちでした。

これを見ると、女性の方がネガティブな記憶への対処が苦手なようですね。性格や性別が記憶に影響を当たるのは、言われていれば当たり前だと思いますが、全然思いもよりませんでした。


この記事はイリノイ大学の"Personality, habits of thought and gender influence how we remember"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年04月16日

ネットいじめと、いじめはだいぶ違う

ネットいじめとリアルいじめ.jpg

カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の Jennifer Shapkaの研究は、バンクーバーに住む8から12歳の生徒17,000人と、10歳から18歳の733人の若者を対象としたものです。


この研究によると、若者の25%〜30%が、ネットいじめされるかネットいじめに加担したことがあると回答しました。一方、ネット上ではない普通のいじめは12%がいじめられるか、加担したことがあると回答していました。

なお、ネットいじめの95%は冗談のつもりで行われたもので、5%だけが害しようとして行われていました。このことは、若者がネットいじめの害を過小評価していることを示しています。”ちょっとした冗談”が重大な結果を招いてしまうのです。もちろん、ネットいじめは、被害者のメンタルヘルス、健全な発達、学校生活に影響を与えます。


普通のいじめには、いじめる側といじめられる側の権力構造の違い、積極的にいじめられる側を探すこと、攻撃性の加熱といった特徴があります。一方、ネットいじめではこのような特徴が必ずしもありません。ネットいじめでは、いじめる側、いじめられる側、傍観する側の三者の複数の役割を一人が同時に演じることがあり、また、ネットいじめでは、権力構造の違いといったものが必ずしも必要とされません。


子供のネット使用は最近、ますます増えています。小学校低学年くらいの子供がスマートフォンを使うのもしばしば見かけるようになってきました。この研究はカナダのものですが、ネットいじめはアメリカや日本でも同様に問題になっています。これからネットいじめ対策はますます重要になってきています。現在では、特定ホームページへのアクセス制限をするフィルタリングソフトのような対策になっていますが、限度を越えたネットいじめに介入していく仕組みが必要になるかもしれません。


(文・絵: やまざきしんじ)




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2012年04月13日

愛犬は仕事も手伝う?

犬がいると向上.jpg

ストレスは、欠勤や燃え尽きの主な原因で、仕事の生産性にも影響を与えます。

バージニアコモンウェルス大学の Randolph Barkerらは、仕事の生産性と犬の関係を調べました。この研究はノースカロライナ州の従業員が約450人の小売業者で行ったもので、この会社では毎日約20から30匹の犬が連れてこられていました。この研究では1週間にわたって自己評価と唾液からストレスレベルを調査しました。


その結果分かったことは、犬を職場に連れてくる人は、そうでない人と比べてストレスが低く、仕事の満足度・職場へのコミットメントが強いことが分かりました。つまり、職場に犬を連れてくることはポジティブな影響を与えるのです。

ちなみに「犬を会社に連れてこれるような権限のある人は、もともと満足度が高いのだろう?」という疑問もあるかもしれませんが、普段犬を連れてきていても、犬を連れてこない時は、ストレスや仕事の満足度は普段犬を飼っていない人と同じくらいになったので、犬を連れてくるかどうかが大事ということが分かりました。

これは、ペット自体がストレスの影響を減らすと考えられます。また、犬がいることで職場のメンバーとのコミュニケーションが増えると考えられます。

日本ではこのような会社はあまり聞いたことがありませんが、給料をあげるだけでなくこのような方法で従業員満足度を上げるのも1つの方法ですよね。また、犬が他社とのコミュニケーションを促すことで、社内のコミュニケーションの活性化にも貢献できそうです。


この記事はバージニアコモンウェルス大学の”Benefits of Taking Fido to Work May Not Be Far 'Fetched'”を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年04月11日

スマートフォンで悪夢を追い払う?

スマートフォンが夢を見せる.jpg

良い眠りと素敵な夢は、人の生産性を向上させます。それでは、私たちはどのくらい悪い夢を見ているのでしょうか?ノートに夢を記録している人はそれを知っているかもしれません。


人気の心理学者であるイギリスのハートフォードシャー大学のRichard WisemanはYUZAという開発メーカーと共にDream:ONというiPhoneアプリを作り、実験をしました。この実験の目的は、夢の記録でなく、夢をコントロールできるかを確認するものです。

このアプリでは睡眠をチェックして、夢を見ている時に注意深く、森を散歩したり、ビーチに座っているような楽しい出来事をイメージさせるような音楽を流します。夢が終わると、アプリはアラーム音を流して、被験者は自分の夢を書いて、データベースに送信します。また、ユーザはFacebookやツイッターで夢を共有することを推奨されます。


この実験で分かったことは、被験者の21%は嫌な夢を見ていて、15%は嫌な夢で苦しんでいることです。また、この実験から、ロンドン地区では32%が、スコットランド地区では25%が、ウェールズでは29%の人が楽しい夢を見ているといったように、地域ごとの傾向も分かりました。これ以上の詳細は、さらなる分析が出るのを期待してます:->


海外では、このようなスマートフォンと心理学実験(もはや実験なのか実践なのか悩むレベルですが)が増えてきました。日本でもこういった研究が増えてくると面白いんですが。


Dream:ONのホームページ、アプリの説明動画(英語)とダウンロードのリンクはこちらです。


この記事はAlpha Galileoの"Mass participation dream experiment launches"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)


リチャード・ワイズマンの本はどれも面白いですー。

これは新刊ですね。今調べたら、いつの間にか翻訳されてましたが、私もまだ読んでません^^;;


「心理学って役に立つの?」という問いに59秒で答えるという本です(原題が59seconds) 世の中の様々な”心理学っぽい”ウソっぱちを、実験から明らかにするという本です。実はさいころニュースの裏コンセプトとちょっと似てます:->


自己啓発書としても一級品です。これこそ、自己啓発といった一冊。

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2012年03月21日

ナルシシズムの養殖場

フェイスブックとナルシシズム.jpg

最近はフェイスブックを使う人も増えてきました。Mixiやフェイスブックのつながりで仕事をもらうこともあるんじゃないでしょうか?

一方で、最近は有名人でもないのに、
イイネ!やコメントをしばらくくれない人は友達を解除します。読みたいだけの人はフィード購読お願いします。
といったことを自己紹介に書く本当に素敵な人も増えてきました。

こういうのはなんなのでしょうか?


西イリノイ大学のChristopher Carpenterの研究は、フェイスブックとナルシシズムに関する研究です。この研究は292人を対象としたもので、フェイスブックの使用とナルシシズムに関して調べました。

この研究では、近況の更新や自分の写真をアップロードするといった行動はナルシシズムと相関があり、自尊心とは相関が無いこと。また、コメントが貰えなかったり、ネガティブなコメントがついた時に怒るといった行動もナルシシズムと相関があり、一方で自尊心が高い人は怒りづらいことが分かりました。

このようにナルシシズムには、自分をアピールする自己顕示と、相手に何かを要求する搾取という2つの面があると考えられます。自己顕示というのは、外見・知性・権力などのうぬぼれや優越性といったものに関連しています。この自己顕示は女性の場合は、自分の写真をアップロードするといった形で表れることが多く、男性の場合は文章で行うことが多い傾向があります。

搾取というのは、自分は尊敬を受けるべきである、自分には多少のズルは許される、といった社会において自分は特別であると考える傾向です。自分のことは棚上げしておいて、思い通りにいかないと相手への批判を繰り返すといったこともソーシャルネットワークでは見かけられるのではないでしょうか?

ナルシシズム傾向を下げるというのは難しいかもしれませんが、ナルシシズム全開というのはあまり美しくないものです。もちろんナルシシストは「自分は特別」と思ってるので、「いや、僕は謙虚だよ?」とか思ってるでしょうが...

この記事は、自戒を込めながら。


この記事はthe guardianの"Facebook's 'dark side': study finds link to socially aggressive narcissism"を参考に書きました。


また、以下の論文も参考にしました。
Soraya Mehdizadeh, 2010, "Self-Presentation 2.0: Narcissism and Self-Esteem on Facebook", CYBERPSYCHOLOGY, BEHAVIOR, AND SOCIAL NETWORKING Volume 13, Number 4, 2010, DOI: 10.1089=cyber.2009.025


(文・絵: やまざきしんじ)

この本はとても面白いです。そして同時に、この社会的なナルシシズム傾向とソーシャルメディアの相性の良さに恐ろしくもなります。

posted by さいころ at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2012年03月12日

無視は本当に痛い?

社会的痛み=肉体的痛み.jpg

子供の頃はよく兄弟喧嘩をして兄貴に泣かされていましたが、大人になってからは人となぐり合いをするといったこともなくなりました。

それでは大人になったら痛みは経験しないのでしょうか?


カリフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)のNaomi Eisenbergerの研究によると、会社や組織で無視されるといった社会的な痛みが肉体的な痛みに近いようです。

人に無視をされた時に脳をスキャンすると、肉体的な痛みを感じる部位と同じ前帯状皮質(dorsal anterior cingulate cortex)が反応しました。つまり、社会的な痛みと肉体的な痛みはかなり近いものと考えられます。

ちなみに、この手の「脳のXXとXXは似た部位だから、**だ」といった言説は最近はよく見かけます。ネット上には「**を司る部位はXXなので、こういうことをすると**に効く」といった適当な言説もよくみかけます。


それでは、この社会的な痛みと肉体的な痛みの部位が同じことから、どのようなことが言えるのでしょうか?

Eisenbergerの研究では、物理的な痛みを抑えることができるアセトアミノフェン(タイレノールという商品名は有名ですね)を投与した場合と、偽薬(プラシーボ)を投与した場合で、社会的な痛みにどのように影響を与えるかを調べました。すると、アセトアミノフェンを投与された人は、社会的な痛みがあっても前帯状皮質の反応が抑えられました。

この研究では、脳のスキャンから社会的な痛みと肉体的な痛みが非常に近い要素があることを解き明かしました。個人的には、このような神経科学的なアプローチはあまり好みではないのですが、それでも、結果は明確ですし、この研究は面白いですね。


この記事は以下の論文を参考に書きました。
Naomi Eisenberger, 2012, "Broken Hearts and Broken Bones: A Neural Perspective on the Similarities Between Social and Physical Pain", Current Directions in Psychological Science 21(1) 42–47


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年03月09日

落ち込むと服もドロン?

気分で服装が変わる.jpg

お気に入りの服はどういう時に着るのでしょうか?ノッてる時?それとも気持ちをアゲたい時?

イギリスのハートフォードシャイン大学のKaren Pineは100人の女性に服に関して聞きました。すると、気分と着る服は関係があることが分かりました。

・落ち込んでいる時にはジーンズを半分以上の人が履きます。一方、ハッピーな時には1/3位しかジーンズを履きません。つまり気持ちが落ち込むとジーンズ率が上がるのです。
・悲しい気持ちの時には、57%の女性がバギートップ(ドロンとしたトップス)を着ます。一方、ハッピーな時には2%しか着ないと答えています。
・ハッピーの時にお気に入りの服を62%が着ると答えているのに対して、落ち込んだ時には6%しか着ないと答えています。
・帽子(ハット)は悲しい時よりもハッピーの時に2倍多くかぶります。
・お気に入りの靴を履くのもやっぱりハッピーな時で、31%が履きます。落ち込んだ時には6%です。

やっぱり、人はハッピーな気持ちの時にお洒落になって、お気入りの服に帽子(ハット)をかぶって外出するんですね。


この記事は、ハートフォードシャイン大学の"Happiness: it?s not in the jeans"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年02月20日

日本のハッピー度はあがってる

幸せな国ってあるのでしょうか?

そりゃありますよね。もちろん、そこに住んでいる人が全員平均以上に幸せな国とかはなさそうですけど。

民間の調査会社Ipsosのレポートでは、2011年に24ヶ国で18,687人を対象とした調査で77%が”幸せ”と解答し、22%が”とても幸せ”と回答しています。ちなみに2007年では、20%が”とても幸せ”と回答していたので、”とても幸せ”と回答した人がここ4年で2%増えているようです。

とても幸せ国別.jpg

ちなみに”とても幸せ”と答えた人は性別の違いはなかったものの、35歳以下では25%が35−49歳では20%、50−64歳では19%でしたので、若い人の方が”とても幸せ”と回答した比率が高かったです。。また、高学歴の人は25%と”とても幸せの”の率が高いようです。

次に、地域別では南アメリカでは32%、北アメリカでは27%、アジアと中東とアフリカでは24%、ヨーロッパでは15%でした。

ちなみに国別のトップ3は
 インドネシア 51%
 インド 43%
 メキシコ 43%
で、ワースト3は、
 ハンガリー 6%
 韓国 7%
 ロシア 8%
でした。

日本は16%が”とても幸せ”と回答していましたが、2007年の調査では10%が”とても幸せ”と回答していたので、この4年間で”とても幸せ”な人が6%増えたことになります。

ちなみにここ4年間で一番”とても幸せ”になった人が多いのはトルコで14%だったのが30%と、16%増えています。一方で、一番”とても幸せ”な人が減ったのはブラジルで、39%が30%と9%減りました。


なお、この記事はIpsosの"Despite Woes, Conflicts, World a Happier Place than in 2007 as 22% (+2 points) of Global Citizens Say They’re ‘Very Happy’"を参考にしました。グラフもここから引用しました。


(文: やまざきしんじ)
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2012年02月14日

フェイスブック使用の精神状態は?

フェイスブックの興奮.jpg

フェイスブックを使用するとどういう気持ちになるでしょうか?以前の研究では、フェイスブックを使うと自尊心が上がるという研究がありました。

それでは、実際に使用している時はどういう精神状態なのでしょうか?

イタリアのIULM大学のMaurizio Mauriらがこれを研究しました。30人の健康な被験者が、以下の3つの行動をそれぞれ3分づつ行います。

1.自然の風景のスライドショーを見てもらう(リラックス)
2.自分のフェイスブックアカウントにアクセスする(フェイスブック)
3.数学のタスクを行う(ストレス)

このそれぞれの時に心拍、脳波測定、瞳孔の大きさなどのや肉体的および精神的な計測をして、どのような状態だったかを調査しました。なお、人の精神状態は覚醒状態と誘発性によって以下のように分けることが出来ます。

フェイスブック使用の心理状態.001.jpg

それでは、フェイスブック使用時はどのような状態だったでしょうか?ポジティブだとは思いますが、興奮状態でしょうか?それとも、リラックス状態でしょうか?

結果は以下のようになりました。

フェイスブック使用の心理状態.002.jpg

つまり、この研究ではソーシャルネットワークの使用が、人をかなりポジティブな気分で覚醒状態にすることを示しています。いい感じに興奮してるということですね。


この記事は以下を参考に書きました。
Maurizio Mauriら, 2011, "Why Is Facebook So Successful? Psychophysiological Measures Describe a Core Flow State While Using Facebook", Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking, Volume: 14 Issue 12: December 22, 2011, DOI: 10.1089/cyber.2010.0377

(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年02月10日

あの人気アイドルも幸せ? 〜整形手術の幸福学

豊胸手術は幸福度アップ.jpg

外見が魅力的な人は、そうでない人よりも幸福度は高いわけではないそうです。たしかに、昔から魅力的な人は、ちやほやされるのにも慣れていて、それが普通になりそうです。

それでは、人生の途中で外見的な魅力がアップした人はどうでしょうか?


そう、整形手術をした人たちです。

平均してみると、整形手術を受けた人は、より幸福度があがって、精神的な問題(抑うつ傾向など)が減っていることが分かりました。これは、手術の後すぐだけでなく、何年も続くようです。特に有効なのは豊胸手術のようです。


もちろん整形手術はリスクが伴います。また、美容外科を儲けさせるのもシャクです^^;; さらに加えて豊胸手術は、個人的には一番嫌なものです。

ただ、整形手術の結果の幸福度の向上がしばらく続くというのが意外でした。もしかすると、手術の場合は「自分でかなりの対価を払って」行うために、「あれだけ払ったんだから、幸せにならないと?」とか「チヤホヤしてもらえるのは、*私の*実力」などというメカニズムが働いているからかもしれません。


この記事はBarking up the wrong treeの"Does plastic surgery increase or decrease happiness?"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年02月04日

自尊心が低い人はソーシャルネットワークに注意

自尊心低いフェイスブック.jpg

フェイスブックは果たして”良いもの”なんでしょうか?

以前書いた”フェイスブックは自尊心を上げる”という記事では、自分のプロフィールを見ることで自尊心が上がるという研究を紹介しました。でも、それが全てでしょうか?


カナダのウォータールー大学の学生Amanda Forestは、Joanne Woodと共にフェイスブックの使用と自尊心に関する研究をしました。

この研究では、自尊心が低い人にとってはフェイスブックは”良いもの”とは限らないようです。

まず1つめの実験では、学生にフェイスブックをどう感じているかを質問しました。すると、自尊心が低い学生は、フェイスブックは他人とのつながりの機会と考えていて、対面が苦手でも安全にやりとりできる場と考えていることが分かりました。


次に学生がフェイスブックに何を書いているかを調査するために、「**さんは、すごい友達を持っていてラッキーですね、それじゃあ」、「@@でケイタイを盗まれて落ち込んだ」といった文章を書くように頼みました。そして、その文章を見ず知らずの学生に評価をしてもらいました。すると、自尊心の低い人が書いた文章は、より悪く評価されました。

ちなみにフェイスブックの仕組みでは、自分の友人だけでなく、友人の友人といった関係の見ず知らずの人にもコメントが表示されることがありますので、実際の環境に近い実験です。


また、実際には、自尊心が高い人には「財布落として悲しい」とか「**の食事がイマイチだったー」といったネガティブな話題に他人はコメントをくれますが、自尊心が低い人の場合はこのようなネガティブな話題にはコメントはもらえず「今日は給料日〜」のようなポジティブなことコメントをもらえます。

これは、自尊心が低い人は、他人を不快にするようなネガティブな日記などを書いて、周りをウンザリさせているからと考えられます。さらにその理由は「ソーシャルネットワークは、何を書いてもいい安全な場所」と考えているためでしょう。

ちなみに、Joanne Woodの研究は以前に”アファメーションで気分が低下...人によっては若干向上”で紹介しました。


この記事は以下を参考に書きました。
Association for Psychological Science. "Facebook is not such a good thing for those with low self-esteem, study finds." ScienceDaily, 1 Feb. 2012. Web. 4 Feb. 2012.


(文・絵: やまざきしんじ)
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2012年01月30日

悲しくなるけど、想像してたほどではない?

感情の予測は上手くない.jpg

もし、あなたのお気に入りのサッカーチームが大事な試合で負けた時にどういう気持になるでしょうか?定期試験で苦手科目に落第したらどういう気持になるでしょうか?


この答えは「悲しくなるけど、想像してたほどではない」だと思います。これまでの心理学の研究では、人は自分の感情を予測するのが上手くないと言われてきました。また、それに関連して、人は思ったほど悪くはならないので”保険は控えめに”といった記事も書きました。


それでは、「悲しくなるけど、想像してたほどではない」というのは本当なのでしょうか?


テキサス大学のサミュエル・ゴスリングらは、感情の予測に関する11の研究のメタ分析(似た多くの研究をまとめて1つの知見を得るもの)をしました。この結果から分かったことは、「悲しくなるけど、想像してたほどではないかもしれないし、想像通りかもしれない」というものです。

以前から言われているように、人は自分に何かおこった時の悲しい感情を予測することは苦手で実際よりも悲しくなると予測しますしかし、予測する際に、実際の自分の悲しさという絶対的な悲しさでなく、相対的な悲しさ(グループの中で自分はどのくらい悲しくなるか)を予測する場合はそれなりに正確です。また、例えば試験に落第すると悲しくなるが、その悲しみは落ちる前にあれこれ考えているほどではない、ということを知っていることで、その悲しみを低減することもできます。あれ?あまり新しい知見がない気もしますが...

人は未来を予測する際に、特に自分の感情については悲観的な傾向がありますが(逆に楽しいことも過大に評価しがちなので無駄な浪費をしちゃうこともある)、この傾向を知ることと、他の人との比較で考えることで少し客観的になれそうですね。


この記事は以下を参考に書きました。
Association for Psychological Science. "Are we bad at forecasting our emotions? It depends on how you measure accuracy." ScienceDaily, 27 Jan. 2012. Web. 30 Jan. 2012.

元の論文情報はこちら。
Samuel D. Gosling and Michael Tyler Mathieu, 2012, The Accuracy or Inaccuracy of Affective Forecasts Depends on How Accuracy Is Indexed: A Meta-Analysis of Past Studies., Psychological Science, 2012



(文・絵: やまざきしんじ)

ゴスリングの書いた本です。私は未読ですが^^;;
スヌープ! あの人の心ののぞき方
サム・ゴズリング
講談社
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2012年01月17日

世界は幸せにあふれている?

スマイル* - 写真素材
(c) emi*写真素材 PIXTA


両親と話していると、実際には減っているのに、「最近は凶悪な犯罪が増えた」、「少年犯罪が増えた」と嘆かれることがあります。

私の認識では、犯罪という面で見れば世界はかなり幸せになっているし、少なくとも米ソ冷戦時代の時期と比べると「世界戦争」という言葉にもリアリティが遥かに減っています。

一方で、世の中を暗いと見る人が多いのは、マスコミが不幸なニュースを流しているからと考えています。たしかに、誰かの不幸、凶悪な犯罪をマスコミは取り上げたがるし、一面は殺人事件や災害のニュースばかりな気がします。

また、ツイッターなどのソーシャルネットワークでも、「うわー、**の店ヒドイ!」とか「コーヒーこぼしちゃった ><」と書いた方がみんなに絡んでもらえそうなので、不幸なことを書きたくなるというのはありそうな話です。


それでは、私たちの身の回りには、幸福な情報と不幸な情報のどちらが多いのでしょうか?

最近の研究で、アメリカの大手新聞ニューヨーク・タイムズの20年分、グーグル・ブックプロジェクトの1520年以降の本、ツイッターの情報、過去50年分の歌詞を分析したところ、それら全てで幸福なことばの方が不幸なことばよりもたくさん使われていることが分かりました。下の図はそれぞれの研究での上位5000ワードが、幸福な単語か不幸な単語かを示したものです。黄色の幸福なことばの方がかなり多いことが分かります。

languagehappiness.jpg
(図は参考サイトより引用)

これは、少し意外な結果ではないでしょうか?たしかに本や歌詞なら、幸福な言葉の方が多くても納得です。しかし、新聞では、幸福な言葉よりも不幸な言葉の方が多そうな印象があります。しかし、実際には新聞でも幸福なことばの方が多いのです。

結局、私たちは自尊心のためか、生きていくためか分かりませんが、幸せな情報を求めている、もしくは幸せな情報を流したいようですね。私は、世界は不幸な情報に溢れていると思っていたのですが間違っていて、実は世界は幸せな情報にあふれているようです。


この記事はバーモント大学の”Study: We May Be Less Happy, But Our Language Isn't”を参考に書きました。


(文: SY)
posted by さいころ at 09:54| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年12月31日

ダイエットの必要性

デジタル体重計 体重計測  - 写真素材
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今度、さいころセミナー(平日版)として、主婦向けにダイエットの心理学というものを考えています。それでは、私たちはどのくらいダイエットの必要があるんでしょうか??

まず、手に入る一番古いデータの1947年の国民栄養調査によると、1946年の栄養状況は摂取エネルギーが都市部で平均1721kcal、1947年の栄養状況が都市部で年平均1856kcal、農村部で2142kcalです。ちなみにカロリーの半分程度が配給によるもので、残りが自由購入・自家生産・その他によるものでした。1946年→1947年でかなり栄養状態が改善していることが分かると思います。


それでは、手に入る最新のデータを見てみましょう。一体どのくらいだと思いますか?


平成21年の国民健康・栄養調査を見ると、2009年の摂取エネルギーは1861kcalでした。なんと1947年の都市部の摂取エネルギーとほぼ同じです。



摂取エネルギーについて1947年の数値と2009年の数値をそのまま比べていいのかどうかという問題があります。

仮説として高年齢化の効果を考えました。1947年の時よりも2009年は高年齢化していて、20代、30代の摂取エネルギーは増えているのに、平均すると摂取エネルギーが増えているという仮説です。これについて考えてみましょう。平成21年の国民健康・栄養調査のこちらの資料のP.56〜P.57を見ると、20代で1812kcal、30代で1820kcal、40代で1888kcal、50代で1898kcal、60代で1875kcalとなっていました。やはり、20代、30代の摂取エネルギーはかなり減っているようですね。


2009年度の摂取エネルギーが、1947年度と同じだからといってダイエットをする必要がないとは言いません。しかし、この数字を見た時に、ダイエットの意義を考えてしまいました...

(文: SY)
posted by さいころ at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

買い物で後悔しないコツ

白色 東洋人 ネガティブ  - 写真素材
(c) vantherraストック写真 PIXTA


なぜ、購入したものが期待を裏切ってしまうのでしょうか?そこではどういうことが起こっているのでしょうか?


一生懸命稼いだお金をどのように使うか考える時、よく間違えてしまいます。いくつかの例を挙げますが、ここにパターンを見つけられるでしょうか?

・休日のキャンプは、都会の喧騒から逃れて自然に帰ると漠然とイメージする時は楽しそうです。しかし、冷たくて湿った地面に座って、温かい食べ物が欲しいと考えている時には、それほど楽しいものではありません。
・驚くほど高解像度の写真について考える時、大きくて高価な一眼レフカメラを買うのはいいアイデアに思えます。しかし、大きくて重いカメラはいつも持ち歩くには面倒で、実際にはそれほど使われません。
・壊れた家を買ってそれを直して住むのは、地球に優しい素敵なライフスタイルに思えます。しかし、実際に修理をはじめると、ともかくゴミを全部無くして、綺麗な家の普通の生活に戻りたくなり、自分の素敵なライフスタイルは忘れてしまいます。

答えは、私たちが買うつもりのものについて抽象的に考える傾向があるということです。実際の使用する時と場所から離れて、購入について漠然と考えてしまうのです。


具体的に考えて、賢く買う

購入について抽象的に考える問題の一つは、現実のホコリまみれの詳細を考えないことです。そして、私たちの幸せや不幸はこういった詳細の結果なのです。

私たちの幸せは、生活環境全体よりも毎日の細かいことと関わっているということが研究から明らかになっています。(Kahnemanら,2004およびKannerら,1981


言い換えれば、幸せは生活の小さな喜びからやって来るのです。逆にいえば、ちょっとした喧嘩は私たちを不幸にします。また同様に、職場でのちょっとした喧嘩と仕事への満足度は強い関係があります。("10 Psychological Keys to Job Satisfaction"(英語の記事))

不幸なことに、私たちが購入を考える時、私たちは抽象的に考えて、日々の使用の詳細を忘れてしまう傾向があります。

最も幸せにしてくれるような購入(せめて後悔しない購入)をするために、できる限り具体的に考える必要があります。それは楽しくなさそうですが、どのように毎日の品物やサービスの使用するかを考えることは、最も幸せにしてくれる買い物のコツなのです。


この記事はPSYBLOG"How to Dodge Buyer’s Remorse"を翻訳したものです。


(翻訳: SY)
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2011年12月29日

長生きの秘訣は寛大さ

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長生きの秘訣はなんでしょうか?

この原因はいろいろ考えられます。お金持ちの方が長生きでしょう。遺伝的な要因も大きいかもしれません。また、崖に近づいたり高層ビルの窓の強度を確かめるような人は長生きできなさそうです。

東カロライナ大学のKathleen A. Lawler-Rowらの研究によると、”寛大さ”も健康のポイントになります。”寛大”な人は、怒ることが少なくなります。そして、怒ることが少ない人は、アルコールを飲む頻度がより少なく、血圧が低く、また実際に健康状態もよかったのです。”寛大さ”は様々な要因を通して、実際の健康状態に関係しているのです。


え?そんな簡単に寛大になれないですか?そういう方には、私の最も好きな作家のこちらの本をオススメします。冬休みにじっくり読まれてはいかがでしょうか?

怒りについて 他二篇 (岩波文庫)
セネカ
岩波書店
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元の論文情報はこちら。
Kathleen A. Lawler-Rowら, "Forgiveness, physiological reactivity and health: The role of anger", International Journal of Psychophysiology, Volume 68, Issue 1, April 2008, Pages 51-58


(文: SY)
posted by さいころ at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年12月18日

モーニングの心理学

パンとコーヒー - 写真素材
(c) よっし写真素材 PIXTA


昨日は、名古屋ライフハック研究会さんにお邪魔して、1〜2分間のライフハックを発表してきました。


私は、”モーニングのすすめ”という発表をしてきました。それでは今更なぜモーニングなのでしょうか?


これは、私たちが家族でやっているポイントカードシステムと関係があります。このポイントカードシステムは何かいいことをするとポイントをつけて、決められた点がたまると何かご褒美がもらえるものです。例えば、私の場合は、知らない人と名刺交換をすると1点、ブログ記事を1つ書くと2点、PSYBLOGの翻訳をすると3点もらるといった具合です。


そして、たとえば40点貯まると、ご褒美としてこれまで行ったことない店などでのモーニングに行くということをしています。なお、モーニングは一人500円以内と決めています。

このモーニングをご褒美するにするというのには理由があります。心理学では、お金の使い方と幸せに関する研究がいろいろあり、モーニングには3つのポイントが備わっているからです。

1.モノより経験!
以前の”満足感の続くお金の使い方”にも少し書きましたが、モノより経験の方が幸福感が向上します。ご褒美には、物を買うよりも、ちょっと外食する方が幸せになるのです。


2.大きく一度より、小さく何度も!
以前の”大きな幸せより、小さな幸せ”という記事で書いたように、お金は大きく1度に使うよりも、小さく何度も使ったほうがトータルでは幸せになります。600円のケーキよりは300円のシュークリーム2個を別の日に食べた方が幸せになるし、5万円の旅行に1回行くよりも2.5万円の旅行に2回行く方が幸せになります。


3.待ち遠せ!
以前の”旅行のガイドブックを買うべきです!”という記事で書いたように、実は旅行(飲食でもいいですが)については、その行く瞬間だけでなく、行くまでに楽しみにしていることも幸福度が向上します。例えば、恋人に「今日、今から高級店に食べに行こう!」というよりは、「来週の週末に高級店に食べに行こう!」といってホームページのアドレスを教えて期待をさせる方が幸福度が向上します。待ち遠しい時間は、消費している時間と同じくらい幸福度を向上させるのです。


これらの法則はモーニングだけに当てはまるものではありません、たとえば友達とおうちで鍋を囲むというのもこれに近いお金の使い方だと思います。このようなお金の使い方をすると同じ金額でより幸福になります


(文: SY)
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2011年11月24日

ミステリーが幸せの秘密?

光と陰 - 写真素材
(c) タカサンストック写真 PIXTA


突然に、誰かから贈り物をもらうと、警告のベルが鳴り響きます。一体、どうして何をしてもらいたいの?それとも何かやっちゃったの?
説明できない優しさには、何か理由があるはずです。



私たちは、普段、他人の動機を理解しようとします。合理的に考えることで、分からないことを減らして、世界を理解しようとするのです。しかし、冷静で論理的な考えは、ある瞬間の喜びやロマンスを殺してしまうという問題があるようです。場合によっては、予期しない贈り物に驚くだけにして、分からないままにしておいた方がいいかもしれません。知らないことが、魅力や興奮につながるかもしれません。理解しようとしないで、ただ楽しんでください!

それでは、ミステリーが喜びを増すという考えには証拠があるのでしょうか?バージニア大学の社会心理学者Timothy D. Wilson教授らが、このような考えについて実験をしました。それではその研究を見てみましょう。


1ドルのプレゼント

実験は、大学の図書館で1ドルのコインが貼りつけられた2種類のカードを使って行われました。この2種類のカードはほとんど同じです。カードには「これをあなたに!」という文字とスマイルマークが書いてあり、その下には「スマイル協会、学生/コミュニティ民生協会。私たちは、親切なことをいろいろしています。良い日を!」と書いてあります。ただし、2種類のカードの一方には、この文面に加えて「我々は誰でしょう?」と「なぜ我々はこれをするのでしょう?」という質問を書き加えてあり、もう一方にはありません。

実験の準備として、人々に質問つきのカードを見せたところ、論理的な説明をよりすることが出来ました、質問なしのカードはよりミステリアスなままでした。

その後、実際に、図書館に座っている人に1ドルつきのカードを配りました。それから、異なる実験を少ししてから、彼らの気分を測りました。

その結果は、自分たちがどうしてカードを貰ったのかを確信していない人の方が、より幸せな気分でいました。つまり、ミステリーが幸せを持続させるのです。


別の実験

このミステリーが謎を持続させるという考えについて、異なる2つの実験が行われました。1つめの実験では、被験者は感動するような実話の映画を見ました。彼らは、フィルムを見た後で、その主人公に何が起こったかについてのちょっとした文章を与えられました。ここで文章は2種類ありました。両方とも、いい話が書いてありましたが、片方には「この映画は実話です」とあり、もう一方には「この話は本当かどうか分かりません」と書いてありました。その後で、気分を測ると、「この話は本当かどうか分かりません」という文章を読んだグループの方が、よりよい気分でいました。

2つめの実験では、オンラインでの他人の印象を評価するというものです。6人とやりとりをした後で、相手から印象が良かったという評価の自分を褒めるような文章をもらいます。この時に片方のグループはどの人から評価をもらったかを教えてもらい、もう一方のグループではどの人から評価をもらったかを聞きません。すると、どの人から評価をもらったかを知らされないグループの人の方が、より長い間幸せを感じました。


解説

不確実性というのは心配なことでもあるので、不確実性が増すとより幸せになるというのは奇妙なことに思えます。人は、不安を減らすためにも不確実性を減らそうと努力します。研究者によると、人はトラウマになるような出来事に会うと、すぐに何が起こったかを理解して、悲しさを低減し回復しようとします。

同じような出来事が楽しい出来事でも起こります。私たちは良い出来事についても説明によって、不確実性を減らします。そして、それが私たちの幸せな感情も減らしてしまうのです。残念なことにトラウマになるような出来事からの回復のプロセスが、私たちの幸せを減らしてしまうのです。

もし、あなたが誰かに贈り物をする時に、相手から「どうして?」と聞かれたら、黙ってミステリアスに微笑んでください。そうすれば、相手はちょっと長く幸せな瞬間を過ごすことができます。説明というのは、時々、魔法の力を消してしまうのです。


この記事はPSYBLOG”How to Feel More Pleasure: Crank up the Mystery”を翻訳したものです。


また、以前、”バレンタインの心理学”というタイトルで、同じウィルソン教授の実験内容を紹介しています。この実験は秘密と相手の魅力の関係について述べたものです。


参考文献
Wilson, T. D., Centerbar, D. B., Kermer, D. A., & Gilbert, D. T. (2005). The pleasures of uncertainty: Prolonging positive moods in ways people do not anticipate. Journal of Personality and Social Psychology, 88(1), 521.

(翻訳: SY)
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2011年11月21日

幸せをつかむ14のポイント

スマイル* - 写真素材
(c) emi*ストック写真 PIXTA


”幸せ”というと、心理学ではMartin Seligman(マーチン・セリグマン)が有名です。また、Daniel Gilbert(ダニエル・ギルバート)もいい本を出しています。

それでは、1970年代に研究を行なっていた彼らの源流とも言えるMichael Fordyceが主張していた幸せになる14の方法を見てみましょう。

1.忙しくして、活動的に!
2.社会的なことに時間を使え!
3.意義のある仕事を!
4.計画して、組織的に!
5.心配を止めて!
6.期待や願望は小さく!
7.ポジティブで楽天的な性格を養え!
8.”今”に注目して!
9.健全な性格に!
10.外に出て、社交的に!
11.自分らしく!
12.ネガティブな感情や問題を絶ち切って!
13.一番幸せなものにもっと近づいて!
14.幸せが最も優先!

ここで挙げられた14のものは、テクニックというよりも考え方や性格といったものが多いので、すべてがすぐに実践できるものではないと思います。しかし、人生の目的が”幸せ”や”善く生きること”であるとするならば、このようなことを少し意識して少しづつ変えていくことは楽しい人生を送るポイントなのかもしれません。


この記事はBarking up the wrong tree"Is there a proven system for making yourself happier?"を参考に書きました。


(文: SY)

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posted by さいころ at 07:56| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年11月02日

プレゼントの心理学。情けは人のためならず?

ギフト2(横) - 写真素材
(c) 静流ストック写真 PIXTA


多くの人の直感に反して、自分のためにお金を使うよりも、他人のためにお金を使うとより幸せになります。

このことはびっくりするほど革新的なアイデアというわけではありません。ですが、このことは直感に反しているので、再考する価値があります。


Dunnら2008の研究によると、多くの人は自分自身にお金を使うと他人に使うよりも幸せになると考えています。しかし、様々な研究から、このことはおおむね真実ではないことが分かっています。


Dunnら2008の研究によると、5ドルか20ドルを他人のために使うようにとお金を渡された被験者は、自分のために使うようにとお金を渡された被験者よりもより幸せになります。
Dunnら2008の研究によると、収入のより大きな割合を他の人にあげたり、慈善事業に使う人は、自分自身にお金を使う人よりも幸せです。
Akninら2010のカナダとウガンダの研究によると、自分が他人に対して寛大と考えている学生は、自分自身にお金を使うと考えている学生よりも幸せです。


上は、お金をあげた側の幸せについて語っています。もちろんこれに加えて、もらった人の幸せ分も計算に入れないといけません。


社会に向けての支出

それでは、何故、他の人のためにお金を使うこと、つまり社会に向けての支出が私たちをより幸せにするのでしょうか?

その理由は、他の人にあげることで、自分自身がいい気持ちになるのです。人にあげることは自分は責任感があって寛大であるという感覚を強めて、そして自分が幸せな気持ちになります。また、他者にお金をつかうことは、社会的なつながりを強くします。社会的に強いつながりを持つことは、一般的により幸せにします。

それでは、もし社会に向けてお金を使うことが私たちを幸せにするなら、どうして私たちは自分のためにお金を使う方がより幸せになると考えるのでしょうか?

それは、お金が知らない間に心に及ぼす影響のためです。Vohsら2006の研究によると、単にお金を思い出させるものが、あらゆる種類のネガティブな効果を持ちます。

お金について考えることで、
・より他人を助けなくなる
・より寄付をしなくなる
・他者といっしょに過ごさなくなる
・他人がより多くの仕事を引き受けようとしていても、3倍も一人で仕事をしようとする

といった悪影響を及ぼします。他人を助けたり、寄付をしたり、他人と過ごしたり、一緒に働くといったことは私たちを幸せにする行動です、しかし、お金を思い出した人は、これらのことをしなくなるのです。


お金はいつも悪いわけではありません。適切な状況では、お金は私たちのモチベーションになりますし、現代社会ではお金なしでは上手くいかないでしょう。しかし、お金には、明らかに心理的にネガティブな効果があります。だから、お金の悪い面とは戦わないといけません。お金を馬鹿にして、お金を騙して、お金をどっかにやってしまいましょう。本当に自分が得をする性格は、寛大さなのです。


この記事はPSYBLOG”Why Spending Money on Others Promotes Your Happiness”を翻訳したものです。


(翻訳: SY)
posted by さいころ at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福