2011年10月26日

大きな幸せより、小さな幸せ

クグロフ - 写真素材
(c) Juca写真素材 PIXTA


心理学でケーキの秘密を解き明かしましょう。


この経済の時代に、どうすれば賢くお金を使えるのか、少しだけアドバイスしましょう。

これはDunn, GilbertとWilsonの'If Money Doesn't Make You Happy Then You Probably Aren't Spending It Right'(お金があなたを幸せにしないなら、あなたはたぶん正しい使い方をしていない)という魅力的なタイトルの論文からのものです。

これからのいくつかの記事で、この論文について詳しく検討します。まず、小さな喜びの不思議についてから始めます。


2つのマッサージ

まず、NelsonとMeyvis,2008の困惑させられる研究からはじめましょう。この研究では、被験者は3分間のマッサージを受けます。1つのグループは、途中で20秒の休憩をはさみ、もう一方はずっとマッサージを受けます。これは、どちらがより良いでしょうか?

人はずっとマッサージを受けている方がいいと予測しますが、実際には違います。結果は休憩を挟んだマッサージがより良いのです。これは、途中で休むことで、マッサージに慣れてしまわないのです。

幸せの敵は、順応です。不幸なことに、私たちは物事に慣れてしまうと、それが当然のこと思ってしまい、幸せが減ってしまうのです。これは悲しいことですが、真実です。

しかし、もし楽しいことを別々の小さな断片にしておけば、全体としてはより多くの喜びが得られて、より幸せになります。これは、より多くの小さな喜びは少しの大きな喜びよりも良い理由の一部です。


価格は2倍、でも良さは2倍じゃない

ケーキを2倍に食べても2倍よくはないということを小さな喜びでは利用します。量を2倍食べる方がより良いですが、良さは2倍にはなりません。ケーキを食べることは、食べないよりもずっといいですが、ケーキを2倍食べても2倍幸せにはならないのです。

二人の人間が、スポーツイベントやコンサートやショウなどに行くことを考えてください。もちろん、後ろの方に座るよりも、前の方に座る方がいいです。しかし、良い席に座ることに2倍払う価値があるのでしょうか?幸せという観点から言えば、ありません。2倍は楽しめないでしょう。安いチケットで、2回行くほうがずっといいのです。


小さなことを楽しむ

日々の生活で小さなことを楽しめる人は、より幸せです。お金を持ってる人は、小さなことを楽しまない傾向があります。これはお金を持っていると、より多くのことを人生に期待してしまうからです。このことは、自分がお金持ちであることから、十分な幸せを得ていないことを意味します。

コーヒーショップに行ったり、近くの遊園地へ遊びに行ったり、家には安い椅子を買うといったことが、ベターなことを知っています。そうすれば長い期間に渡って、より楽しむことができます。


この記事はPSYBLOG"Why Many Small Pleasures Beat Fewer Larger Ones"を翻訳したものです。


(翻訳: SY)
posted by さいころ at 06:42| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年10月21日

忙しい人は幸せ?暇な人は幸せ?

懐中時計 - 写真素材
(c) hogapapa写真素材 PIXTA


ザビエル大学のChris Manolisとベイラー大学のJames Robertsの研究は、青年の忙しさと消費欲が、幸福度にどう関わるかというものです。

この研究は、大都市の高校生1329人を対象としたものです。この研究では、自分がどの位の時間があるか、持っている物の価値、消費欲、主観的な幸福度を調査しました。

この調査の結果、持っている物の価値が高かったり、消費欲が強い人は、幸福度が低いことがわかりました。

さらに時間の余裕があると、持っている物や消費欲が抑えられることも分かりました。また、忙しすぎず、暇すぎない人は、幸福度が高いことが分かりました。ただし、あまりに時間がありすぎると、消費欲を悪化させて、その結果幸福度が下がってしまうようです。

消費欲が高いと幸福度が下がるのは納得の結果です。また、時間については忙しすぎても暇過ぎても幸福度が下がるのですが、これも思った通りといった印象でしょう。


この記事はSpringer Science+Business Mediaの"Time on your hands – good or bad?"を参考に書きました。

元の論文情報はこちら。
Chris Manolis, James A. Roberts. Subjective Well-Being among Adolescent Consumers: The Effects of Materialism, Compulsive Buying, and Time Affluence. Applied Research in Quality of Life, 2011; DOI: 10.1007/s11482-011-9155-5


(文: SY)
posted by さいころ at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年10月20日

フェイスブックの笑顔の魔法?

大きなクチ - 写真素材
(c) Rm。ストック写真 PIXTA


バージニア大学のJames Patrick Sederと大石繁宏の研究は、フェイスブックの顔写真と人生への満足度の関係を調べたものです。

この研究によると、プロフィールの写真をチェックして、笑顔の強さをチェックすることで人生への満足度を測ることができます。

この研究は、48人のバージニア大学の大学生を対象としたものです。大学生が一年の一学期により笑顔が強い人は、その写真をアップした時と、その3.5年後に確認した時の両方でより人生への満足度が高いことが分かりました。この笑顔の強さは、頬の上がり具合と、口角の上がり具合で判断しました。

また、確認のため、別の年に36人で同じ実験をしたものですが、結果は同じものとなりました。


この結果はとても興味深いものでした。最近は、フェイスブックで顔を出している人も増えてきました(”Facebookの顔出し比率は、男性67%、女性61%”参照) プロフィールの写真で相手の幸福度が測れるのは面白そうですね。もちろん、社会人だと、起業家や野心のある人や自己啓発本好きな人は、人生への満足度に関係なく”飛びっきりの笑顔”のプロフィール写真を載せているので、プロフィール写真だけでは判断できない人たちもいますが...

もちろん、相関関係があるからといって因果関係があるわけではないので、フェイスブックに笑顔の写真を載せると幸せになるわけではありませんのでご注意くださいね。


さいころニュースではこれまで、大石繁宏先生の他の研究についても書いてます。
10点満点の幸福!!
幸福の鍵は、やっぱり平等


元の論文情報はこちら

この記事はMiller-McCune”Facebook Profile Pics Predict Future Happiness”を参考に書きました。


(文: SY)
posted by さいころ at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年10月14日

バカポジティブはどういう人?

成績優秀 - イラスト素材
(c) tooru sasakiイラスト素材 PIXTA


趣味がビジネス書を読むことなのですが、そのせいかネットを見ていると”すごいポジティブ”や”ポジティブ馬鹿”と称している人をよくみかけます。個人的には本当にポジティブならばそんなに主張しなくてもいいのに、と思います。また、自尊心が十分高いならば、むしろポジティブな人よりもネガティブな人の方が反省するので、学習効果が大きいのではないでしょうか。


それでは、本当にポジティブな人とはどういう人なんでしょうか?

ロンドン大学のTail Sharotらの研究は、何か起こった時にとても楽観的な人は、自分の信念が強化されるようなことを学習する傾向があるというのです。つまり、自分の思っていたことからは学習して、自分の思っていないことは無視してしまうということです。ちなみにとても楽観的な人は前頭葉の下前頭回(IFG)の機能と関係があるようです。


やはり脳の機能とポジティブかどうかの関係があるようですね。それにしても、最近は脳の分野の発展はすごいですね。従来の心理学の研究と違い、検査機器の発展に従って研究結果が飛躍的に増えている印象があります。


この記事はFuturePundit"Extreme Optimists Only Learn From Good News"を参考に書きました。

元の論文はこちら


(文: SY)
posted by さいころ at 08:43| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年09月08日

ゲーマーはリスクテイカー?

ヘッドフォン - 写真素材
(c) 420ストックフォト PIXTA


ビデオゲームは仕事に悪影響を与えるのでしょうか?この答えは、かなりのゲーマーなら、となります。

イギリスのロンドン大学のEmily Collinsが行った600人の学生を対象とした調査は、学生を、問題のあるゲーマー、問題のないゲーマー、ゲームをしない人に分類しました。そして問題のあるゲーマーはリスクテイク志向が高いことがわかりました。このリスクテイク志向の高さは、仕事でミスをしたり、仕事をちゃんとしないといった可能性があります。ただし、リスクテイク志向の高さから、ゲーマーが仕事でミスをしたり仕事をちゃんとしないと主張するのは、どこまで強い相関があるのかという疑問が残ると思います。


また、Collinsはコメントとして「問題のあるゲーマーとギャンブル中毒者では対処方法が違う」と述べていますが、問題のあるゲーマーが高いリスクテイク志向を持っているというのはギャンブラーとの共通点が多いことも示唆するのではないかと思います。


ちなみに、問題のあるゲーマーがリスクテイク志向が強いというのは、ゲームに適応するとリスクテイク志向が高くなるということだと思います。一般的にゲームでより高いスコアを狙うにはリスク志向にならないといけないので、ゲーマーがよりリスクテイク志向になるのではないでしょうか。


この記事はBritish Psychological Society"Video games and poor work performance"を参考に書きました。


(文: SY)
posted by さいころ at 09:19| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年09月07日

新入生のフェイスブックと幸福感の関係

Facebook-Fraud.jpg
iversさんの画像を使用しています。

イギリスのキール大学のChris Stiffが141人の大学の新入生の1学期の間を対象にフェイスブック(Facebook)の使用を尋ね、またその人の自尊心、幸福感とストレスレベルを調査しました。

その結果、他の人とのやりとりが多かった学生は、より自尊心と幸福感が高くなり、ストレスレベルが低くなったことが分かりました。この時、フェイスブックのフレンドの数は関係がありませんでした。


次に169人の学生を対象とした調査は、1年の2学期を対象として行いました。すると、今度はフェイスブックの使用は、学生の自尊心や幸福感と関係がありませんでした。


つまり、学生生活の最初のスタートでは、フェイスブックを使って実際の社会関係を作っていき、その結果として自尊心や幸福感やストレスに良い影響を与えます。そして、その社会的関係が築かれた後は、フェイスブックを使っても自尊心や幸福感には影響を与えないと考えられます。


そういえば、私も大学時代で仲が良い友人は1年生の4月の最初に仲良くなった人ばかりです。フェイスブックはこのような友人関係を規定するために使われるようです。


もちろん、日本の場合はフェイスブックでなくてMixiかもしれません。


この記事はBritish Psychology Society"How Facebook helps new students adapt"を参考に書きました。



(文: SY)
posted by さいころ at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年09月01日

幸せになる2つのポイント 誰と会うかと目的志向

みてみて♪happy eco クローバー - 写真素材
(c) hanenoki画像素材 PIXTA


インディアナ大学のBernardo J. Carducciらの研究は幸せになるための示唆を与えてくれます。この研究は大学生を対象にしたものですが、社会人にも十分に応用できそうです。

この研究の結論の1つめは、パーティーに出かけたりといった不特定多数に会うことを目的としたことをすべきじゃないということです。特に大学の新入生の場合は、いろいろな人と会おうとしてパーティーにでかけたりといったことがありますが、ポイントになるのは心地良い人との絆を深めることです。パーティーに出かけて不特定多数に会うよりも、家族や仲の良い友人など気が合う人とのつながりを大事にすることに時間を使う方がより幸せになります。


結論の2つめは、目的志向の人はそうでない人よりも幸せになるということです。物事を行う時にゴールを決めてそれに到達するように努力をする人は、そうでない人よりも幸せになります。例えば資格の試験は苦しいかも知れませんが、その時間をテレビを見ていたり、なんとなく飲みにいっていたりするといったことよりも、幸せになりそうです。実際の研究では、目的追求自体が幸せになるということでなく、目的志向の人はより幸せな傾向があるということを示しているというものです。


結論の1つめは想像通りのことだったので違和感がまったくないのですが。2つめの目的志向の人はより幸せというのは意外な結論でした。なんとなく、目的志向の人は、一つのゴールを達成してもすぐにハードルが上がってより高いゴールに変わってしまい、ストレスが溜まりやすいと思っています。その結果、幸せから遠ざかるものだと思っていました。私自身が、目的志向のタイプなので、このような目的を捨て去るような人生観がないとつらいなー、と感じていたので意外でした。


この記事は以下を参考に書きました。
Indiana University (2011, August 30). Happiness depends on who you know and your goals, study of college students suggests. ScienceDaily. Retrieved September 1, 2011, from http://www.sciencedaily.com-/releases/2011/08/110830144517.htm

(文: SY)

幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学
ダニエル ギルバート
早川書房
売り上げランキング: 184570

posted by さいころ at 06:53| Comment(0) | TrackBack(1) | メンタルヘルス/幸福

2011年08月15日

若者のナルシシズムは良い面もある

お手入れ - 写真素材
(c) JNR-TAMA画像素材 PIXTA


ナルシシズムというのは好かれるものではないです。若い子のナルシストは可愛げがあることもあるのですが、それでも人間関係ではマイナス面が多いでしょうか。

たしかにナルシシズムにはポジティブな面もあります。ナルシシズムは自分への敬意とも言えます、これは自尊心を高めるという点ではプラスの面があります。ただし、大人になってからは自己顕示やうぬぼれなどのマイナス面の方が大きくなるようです。ちなみにナルシシズムは、年齢によって変わっていくもので、10代後半から20代前半にかけて増大していき、そこから減少していきます。


イリノイ大学のPatrick HillとBrent Robertsは大学生とその家族を対象としてナルシシズムの研究を行いました。この研究では、高いリーダーシップと自己顕示の形のナルシシズムを持った若者は、人生に満足していて、よりよい人生を送っているということが分かりました。つまりナルシシズムにも良い面があることが分かりました。ただし、これは母親が同じようにナルシスティックでない場合に限ります。

このようにナルシシズムは若者にとっては悪くない部分もありますが、母親のナルシシズムは悪いもののようです。ナルシスティックな母親には神経症的な傾向があり、真面目でないようにみえる傾向があるようです。

このようにナルシシズムは若者にとっては常に悪い面のみがあるわけではないようですが、大人にとってはよくないもののようです。


この記事は以下を参考にしました。
University of Illinois at Urbana-Champaign (2011, August 11). Narcissism may benefit the young, researchers report; but older adults? Not so much. ScienceDaily. Retrieved August 13, 2011, from http://www.sciencedaily.com-/releases/2011/08/110810101630.htm


(文: SY)
posted by さいころ at 13:46| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年08月09日

10点満点の幸福!!

エース A トランプ カード  - 写真素材
(c) kuppa画像素材 PIXTA


人はみんな幸せを求めています。お金をいっぱい持っている人でももっとお金が欲しいというし、家族みんなが健康な人でも食洗機が欲しい、もっと大きな車が欲しい、家が欲しい、と多くのものを望みます。そして人はもっと幸せになりたいと望んでいます。もっとお金があって、仕事は楽で、社会に認められて、友達や家族と仲良く暮らしたいと思っています。実際には何度もこのブログで書いているように、お金を上手く使うと幸せになることもできますが、お金と幸せは違うものです。

それではいったいどのくらいの幸せを求めるのがいいのでしょうか?このヒントはバージニア大学の大石繁宏らの研究に隠されています。大石らの研究96ヶ国を対象とした大規模な調査を対象としていて1981,1990,1995,2000年といった長期に渡るデータを分析したものです。

この研究では、幸福度のスコアは、収入、高い教育が終わっていること、社会的な関係、政治的な関与といったものと強い相関があることが分かりました。ただし、この相関は10段階で評価した幸福度の9までを説明することはできますが、幸福度10については説明することができません。


つまり、10段階で1−9までの幸福度は通常の幸福の延長線上にあると言えます。一方、幸福度10という完全な幸せを求めるためには、常に新しい事業を始める、常に新しい恋愛を続ける、どんどんとハードルを上げて新しい挑戦をし続けるなどといったことをしなければいけません。ただし、このような幸福は安定しないものです。


一般には幸福はより幸せであればあるほど良いと思われているのですが、完全な幸せといったものは通常の幸せの延長線上にないということです。幸せを求める時には、完璧な幸せ・究極の幸せを求めるのでなく、現在の延長線上の幸せや安定感のある幸せといったものも考えてみるといいのではないでしょうか?


ちなみに大石らの研究からの記事は以前”幸福の鍵は、やっぱり平等”という記事でも書きました。


この記事は、以下を参考にしました。
"The Optimum Level of Well-Being, Can People Be Too Happy?",大石他,PERSPECTIVES ON PSYCHOLOGICAL SCIENCE, Volume 2−Number 4,2007


(文: SY)
posted by さいころ at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年07月02日

気分のベースライン

おばあちゃんと孫[1652693] - 写真素材
(c) ヒデアスストックフォト PIXTA


人は気分がよかったり悪かったりしますが、基本的にはあるベースラインに戻ってきます。つまり、それぞれの人がベースラインであるある一定の気分(いい気分や悪い気分)に戻るのです。いつも上機嫌な人もいれば、いつもブツブツ不満を言っています。これがベースラインということです。

出産や肉親との死別、戦争や災害などの経験を通じてこの気分のベースラインは変動しますが、普段はそれほど変動するわけではありません。

心のベースライン.001.jpg

では、この気分のベースラインはどうやって決まるのでしょうか?

バージニア州立大学の精神科医Kenneth S. Kendlerらは、3つの大陸でのトータルで12000人以上の双子の研究を使うことで、このベースラインが”生まれか育ちか”どちらから決まるのかを調べました。


研究では、同じ遺伝子の双子のお互いの気分のベースラインの差は、10歳から60歳まで徐々に離れていくという結果でした。つまり、最初は”生まれ”によっているが、そこからは環境(”育ち”)によるということになります。

最近は様々な分野での”生まれか育ちか”という論争が「生まれの要素が大きいがそれが実際に発現するかどうかは育ちによる」という結論になっていることが多いと思いますが。この研究結果もそのパターンですね。

この記事はapsの”Mood and Experience: Life Comes At You”を参考にしました。


(文: SY)

やわらかな遺伝子
やわらかな遺伝子
posted with amazlet at 11.07.02
マット・リドレー 中村 桂子 斉藤 隆央
紀伊国屋書店
売り上げランキング: 49012

posted by さいころ at 13:13| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年06月15日

幸福は収入だけでなく、どうもらえるかも大事

写真素材 PIXTA
(c) Graph-S写真素材 PIXTA


"幸福の鍵は、やっぱり平等"では、幸福度は社会的な平等に影響を受けるということを書きましたが、個々人の幸福はどのように収入をもらえるかにも依存するようです。


トロント大学のSanford E. DeVoeとスタンフォード大学のJeffrey Pfefferがアメリカとイギリスで行った研究によると、幸福度は収入のもらいかたにも強く影響を受けているようです。

収入を月給でもらうよりも、時間給でもらう方がより幸福度が上がるようです。これは時間給でもらうと、自分の労働と収入がより明確にイメージできるためと考えられます。日本の場合は、時給でもらっている場合は、給料が低い場合が多いので、その点は考慮が必要だと思いますが。


このことは月給でお金をもらっている人にもヒントになりそうです。自己啓発書のような本では「自分の時給を計算してそれを元に仕事を考えろ」といった旨のことがよく書かれていますが、時給を計算しておいて、常に仕事に対する具体的な収入をイメージすることは幸福度を向上させそうです。


元論文は"When Is Happiness About How Much You Earn? The Effect of Hourly Payment on the Money−Happiness Connection"です。

関連記事:
"幸福の鍵は、やっぱり平等"

(文: SY)
posted by さいころ at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年06月14日

幸福の鍵は、やっぱり平等

写真素材 PIXTA
(c) Graph-S写真素材 PIXTA


経済と幸福度の話をする時は、ある一定レベルまでは収入が増えると幸福が増えるがそこで頭打ちになるといったことが言われます。また、自分の経済状況の良い/悪いよりも、経済格差が少ない方が幸せになるということも言われています。

実際に格差が人を不幸にするというのはよく言われていることですが、実際はどうなんでしょうか??幸福度と収入格差について示すには大規模なデータが必要となります。

この件について、バージニア大学の心理学者大石繁宏らが研究をしました。大石らはアメリカでの1972年から2008年にかけて行った48,000件のデータを含めた大規模な調査の分析を行いました。

その結果、やはり幸福度は金銭の多寡よりも、金銭の平等に影響を受けていることが分かりました。収入と幸福度については様々な国での研究があり、幸福度は様々なものの影響を受けていますが。この研究では、国に関わらず幸福度と収入格差は関係があることと示しました。


この研究は対象が国レベルですが、企業レベルでの研究なんかがあると面白そうですね。企業の場合は成果主義・能力主義vs平等主義という軸があるので、もっと複雑でしょうが。企業内での、幸福度などを含む大規模な調査というのはあまりなさそうですが…

この記事は以下を参考にしました。
Association for Psychological Science (2011, June 13). Income disparity makes people unhappy. ScienceDaily. Retrieved June 14, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/06/110613151720.htm

(文: SY)
posted by さいころ at 19:46| Comment(2) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年05月20日

メメント・モリの心理学

写真素材 PIXTA
(c) masan写真素材 PIXTA


”メメント・モリ”というのはラテン語で”死を忘れるな”という意味です。直訳すると”死を覚えておけ”ということでしょうか。

エセックス大学の学生Laura Blackieと、教官のPhilip Cozzolinoが90人に街でインタビューで死についての調査をしました。

この調査は、
1.歯が痛いと考えてもらう
2.死について考えてもらう
3.自分がアパートの火事で死ぬことを具体的にイメージしてもらう

という3つに分けて、その後で、それぞれの被験者が、どのくらい献血をしようと思うかを調べたものです。この献血の調査も、まずBBCでの記事に見せかけたもので

A.血液がとても多く、あまり献血は必要でない
B.血液がとても不足していて、献血が必要

という2つの記事のどちらかが渡されました。

この結果、1の対照群に比較して、2の”死について考えた”人はBの血液が不足している場合は献血をしようとして、3の”自分の死について具体的にイメージした”人はAでもBでもどちらでも献血をしようとしました。これは死をイメージすることで社会的なつながりを求めようとするためと考えられます。

メメントモリの心理学.001.jpg

最近、ついったーなどで、「あなたはXX日生きた。人生あとXX日しかない。今日は有意義だったか?」と書いている方がいますが、死をイメージするにしても、抽象的な”死”を考える事と、具体的に自分の”死”をイメージすることは違います。自分の”死”についても、抽象的に考えるだけんでなく、”具体的に死をイメージする”こともいいと思います。ただし、精神的に健康じゃないとあまり死について考えない方がいいと思いますが。


この記事はAssociation for Psychological Scienceの"How You Think About Death May Affect How You Act"を参考に書きました。

(文: SY)


旧題は”人生の短さについて”です。訳もよかったのに、何故改訳したのでしょう??
ちなみに、ただの私の趣味で、本文とはあまり関係ありません。個人的には最も好きな本の一つで、死生観にかなりの影響を受けました。
生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)
セネカ
岩波書店
売り上げランキング: 40571

posted by さいころ at 10:46| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年05月17日

幸せのダークサイド

写真素材 PIXTA
(c) GOETHE写真素材 PIXTA


このブログでしばしば取り上げる内容に、嘘シリーズと幸せシリーズというものがあります。幸せになりやすくなるいくつかの法則とでも言うものがありますが(最後につけた関連記事を読んでください)、今回はその幸せのダークサイドについて書いてみます。

イェール大学のJune Gruber、デンバー大学の Iris Mauss、イスラエルのヘブライ大学のMaya Tamirらの研究は、幸せのダークサイドを指摘しています。

一つには幸せを求めすぎると、思ったほど幸せにならないことが気分を低下させます。つまり、幸せを求めることが、逆に不幸を呼び込むということです。

また、幼少期に教師に賞賛されすぎるとリスクを取る傾向になってしまうといった研究もあります。実際に1920年代から子供を追跡調査したものでは、教師に褒められていた人はより若くして死んだことが分かりました。


これまでの様々な研究から、個人が幸せになるポイントはお金じゃなくて、社会的なつながりや楽しい経験であることが分かってきています。もし幸せになりたい場合は、幸せになるように努力するのでなくて(それをすると思ったほど幸せにならないことで、不幸になるかもしれない)、社会的なつながりを持って、それを育てるような経験をすることに注力をするべきです。


この記事は以下の記事を参考に書きました。

Association for Psychological Science (2011, May 16). Happiness has a dark side. ScienceDaily. Retrieved May 17, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/05/110516162219.htm

関連記事:
幸せになるための5つの方法 (特にオススメ)
旅行のガイドブックを買うべきです!
お金で人は幸せになれる。ただし周りの人より高収入の場合に限る
幸福感は深い会話と関係している
ハッピーな音楽を聞くと周りの人が幸せそうに見える
メイクで長生き?

(文: SY)
posted by さいころ at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年04月25日

幸せになるための5つの方法

写真素材 PIXTA
(c) KATSUHIKO写真素材 PIXTA


幸せは、行動の結果です。人は幸せを目的として生きています、少なくとも幸福を最大化するように行動していることが多いはずです。それでは、いったいどうすればこの幸せを増やすことができるのでしょうか?

もちろん、より健康で、よりお金もあって、より楽しい友人や家族に囲まれて、ストレスのない仕事をすれば幸せを増やすことができそうです。


この幸せについてスタンフォード大学のJennifer Aaker、Melanie Ruddとペンシルバニア大学のCassie Mogilneが”If money does not make you happy, consider time”という研究を発表をしています。この研究は、他の様々な研究のまとめ研究とでも言うもので、幸せに近づく様々な方法を他の研究よりまとめています。



まず、お金と幸せについて考えてみましょう。実際にお金があれば幸せになれそうです。不幸と感じるいくつかのものはお金で解決ができそうです。しかし、よく言われているように、幸福度はある程度まで収入が増えれば増えるものの、それを超えるとあまり収入と幸福は関係がないようです。また、自分の過去を振り返るとすると、自分が学生だったときに貯金がいくらだったのかよりも、学生時代にどういう友人とどこに旅行にいった、レストランで友達と楽しく過ごしたといったことを覚えています。


それでは幸せになるためのポイントはなんでしょうか?Aakerらによると5つのポイントがあります。

1.一緒に時間を過ごす人が大事
好きな人と一緒に過ごした時間は幸福のレベルに大きな影響があります。プライベートでも仕事でも、好きな人、気に入った人と時間を過ごすことが大事です。

2.正しい行動が大事
行動をする時に、自分がいい気分になれるものとそうでないものがあります。できるだけいい気分になれる行動をしましょう。そのためには、「その行動が自分が望んでいることか?」を考えてみる習慣が大事です。多くの場合、人は選択の結果でなく習慣で行動をします。これを改めて、少しでも幸せになるために選択した上での行動をすることが大事です。

3,時間を費やさなくとも、幸せになれる
以前に書いた”旅行のガイドブックを買うべきです!”にもあるように、人は実際に旅行をしていなくとも、旅行に行くことについてあれこれ計画したり想像しているだけでも旅行中と同じように幸せを感じます。

4.時間は増やせる
自己啓発本などではお金を使って時間を買う、といったことが書いてありますが。Aakerらの主張によると、今ここ、に集中することが大事です。ある研究では、ゆっくり長く呼吸をするということを5分間するように指示された人は、作業時間がより長く感じられ、そしてその日自体をより長く感じられた、そうです。

5.幸せは変化していく
私たちは年をとると、求める幸せが変化します。若いうちはより興奮するようなことに幸せを感じ、年をとるとより平穏な時間に幸せを感じるようになります。つまり、幸せについての意思決定は今と未来で変わってくる可能性があることを知るべきです。



こちらにJennifer Aakerの動画があります。

(文: SY)

幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学
ダニエル ギルバート
早川書房
売り上げランキング: 97327


posted by さいころ at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年04月20日

旅行のガイドブックを買うべきです!

写真素材 PIXTA
(c) nabe3写真素材 PIXTA


気心の知れた仲間や家族との旅行はとてもいいものです。たまに旅行に出かけると心身共にリフレッシュできます。

ところで旅行の前にガイドブックを買ってあれこれ計画をしたりしていますか??


幸福度という観点から言えば、仲の良い友達や家族との旅行はいいものです。そして、幸福度は実際の旅行の瞬間だけでなく、旅行前にあれこれ想像をしたり、ガイドブックを見ながら考える時にも高まります。実際の旅行中よりも、旅行前に期待している時の方がより喜びを感じることを示唆する研究もあります。


旅行のガイドブックは1000円程度で買えるものですが、これを見ながらあれこれ考えている時は旅行並の幸福度を得られます。つまり、旅行のガイドブックはコストパフォーマンスはとてもいいんですね。


ちなみに、この”事前に期待している時の方が喜びを感じる”というのは旅行だけでなく、例えば食事に行くなどにおいても使える手です。

「明日、フレンチ食べに行こうか」というよりも、「来週、フレンチ食べに行こうか」という方があれこれ想像することでワクワクが持続して幸福になれます。もちろん「来週、吉野家に行こうか」といったものでは意味が無いしょう、幸せになるには行くことを想像してワクワクしないといけません。もちろん「来月行こう」でもいいですが、定期的にあれこれ想像するというフェーズが必要になります。

ちなみに、「今から、レストランに行くから」といったサプライズの良さはまた別の話です、あしからず。

(文: SY)
posted by さいころ at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年04月19日

仕事と家族どっちが大事なの?  答えは...こちら

写真素材 PIXTA
(c) kotom写真素材 PIXTA


仕事と家庭、趣味と仕事など、私たちは様々なトレードオフの中で生活をしています。また、トレードオフといっても、実際に家族との約束をしていた日に仕事をしなければならないといったことがあります。私たちはこのようなワークライフバランスをどのように取ればいいのでしょうか?

トロント大学スカボロキャンパス(UTSC)の准教授Julie McCarthyとTracy Hechtがこのようなワークライフバランス上の戦略について研究しました。この研究では仕事を持っている大学の学部生を対象としました。

McCarthyらの研究では、ワークライフバランス上で起こる問題に対して3つの戦略があるとしています。
1.問題解決を重視する戦略(問題自身へアプローチする)
2.自分の感情を重視する戦略(愚痴を言うとか感情を吐き出す)
3.問題を無視する戦略(問題をしばらく放置する)

ベストな戦略は1の問題解決を重視することだと思われていました。実際に、何か問題があるならば問題を解決するのが一番のはずです。しかし、3の問題を無視するということがベストであると分かりました。


仕事をしながら大学に通うといった多忙な生活をしている人たちにとっては、いちいち問題解決をしていることで疲労してしまい。人生における満足感の低下や燃え尽きたりするといったリスクがあるのでしょう。


「人は、問題に対処する際の自分の戦略を考え、リソースが回復する時間を作る必要がある」とMcCarthyは言っています。

集中力や体力が回復するだけの時間があるならば問題にガッツリ取り組めばいいですが、そうでないならばいつも全力疾走という戦略以外にもあることを認識するべきです。ワークライフバランスのように長期間に渡る問題においては一度引いて別のことに取り組んでいくということが人生においての主導権を握る方法なのでしょうか。


この記事はPSYORG.com"Having trouble achieving work-life balance? Knowing your strategies is key"を参考に書きました。

(文: SY)
posted by さいころ at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年03月20日

ダイエット中はやっぱり怒りっぽい

写真素材 PIXTA
(c) YO-HEY!!写真素材 PIXTA


ScienceDailyにセルフコントロールと怒りの関係の記事が書かれていました。


ノースウェスタン大学のDavid Galとカルフォルニア大学サンディエゴ校のWendy Liuが、セルフコントロールをしている人は他者に対して攻撃的にふるまう傾向があるという研究を発表しました。

たしかに、ダイエットしている人は、いらついていて怒りっぽくなることが知られています。このようなことを調べるために、二人は以下の4つの実験を行いました。なお、実験はそれぞれ約200人の大学生を対象して行いました。


1つめの実験では、チョコレートの代わりにリンゴを選んだ人は、落ち着いた映画よりも怒りや復習を持つ映画をより好みました。

2つめの実験では、たくさんの食料品のカゴを見せられてから50ドルの食料品の商品券をもらった人は、水しぶきの舞うスパのウェブページを見せられてから50ドルの地元の温泉の消費権をもらった人よりも、怖がっている表情よりも怒っている表情により興味を示しました。

3つめの実験では、チョコレートの代わりにリンゴを選んだ人は、悲しいメッセージよりも怒ったアピールを伴うメッセージにより惹かれました。

4つめの実験では、美味しくて健康的でないものでなく、健康的な軽食を選択した人が、「これは必須」や「必要」などの広告のメッセージによりイラつくことが分かりました。


この4つの実験のように、セルフコントロールをしている人は怒りっぽくなります。このことはセルフコントロールがゴールや欲望への制限や障害であり、このような制限が怒りを生んでいると考えられます。


University of Chicago Press Journals (2011, March 18). Cranky? On a diet? How self-control leads to anger. ScienceDaily. Retrieved March 19, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/03/110317131045.htm
posted by さいころ at 07:53| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2011年03月18日

予測不能な状況に対する方法

写真素材 PIXTA
(c) YsPhoto写真素材 PIXTA


予測不能な状況において大事なものはなんでしょうか?

大事なことは、状況をコントロールできるという認識です。これは、予測不能な状況において安心できるという心理的な価値があります。


この状況をコントロールできる認識のためには、練習やゴール設定という方法があります。


練習には技能の訓練だけでなく、状況をコントロールできる認識を増すという効果があります。

また、もう一つのゴール設定もベストな方法です。予測不能な状況においては、ゴール設定をすることでより情報を集めることになります。さらにこのゴール設定が状況を測る物差しになり、不安を消すことになります。


このように練習やゴール設定によりコントロールしているという認識を持つことで、予測不能な状況で安心することが出来ます。


この記事は以下の記事を参考に書きました。

Queen Mary, University of London (2011, March 17). Psychological impact of Japan disaster will be felt 'for some time to come'. ScienceDaily. Retrieved March 18, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/03/110317102550.htm

(文: SY)
posted by さいころ at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

2010年03月26日

心の傷は箱の中に

会社での失敗や失恋など、嫌な出来事を忘れてしまいたいなら、
箱や封筒に閉じ込めるのが手っ取り早いやり方だ。

Packing Your Troubles Away Actually Works, Study Finds

トロント大学ロットマンスクールのDilip Somanらによる今回の研究によると、嫌な出来事と関連するモノを実際に箱や封筒に入れると気持ちがラクになるとのこと。

この研究では4つの実験が行われたが、嫌な出来事に関連するモノ(その出来事を書いた日記など)を箱や封筒などに閉じ込めておくと、ネガティブな感情が軽減され、心理的終結へ導くことができた。

 このような効果は、嫌な出来事を思い出させるモノが目の前からなくなることで、ネガティブな感情を意識的にコントロールする必要がなくなるからだと研究者たちは説明する。

====
 嫌な出来事は誰でもすぐさま忘れたいものです。
 こういったシンプルな行為で効果があるということは、臨床心理的アプローチの人は批判しそうですが、仮に効果がなくてもたいした労力もかかってないのでいいんじゃないでしょうか。

 今後落ち込んでいる人がいたら「封印しちゃえばいいじゃん(箱か何かの中に)」とアドバイスしてあげようと思いました。
 
 それにしても、思い出の品を目につかなくさせるだけなら、封筒や箱に入れるという行為のほかにも、捨てる、燃やす、人にあげる、など様々な選択肢もあるわけです。
 これらの行為も同じく効果があるのかないのか気になるところです。
posted by さいころ at 13:58| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福