2011年10月24日

顔を語るには、雰囲気重視

顔 スパイス               - 写真素材
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イギリスのストラスクライド大学のElspeth Jajdelskaの研究によると、顔についての記述は、個別の特徴(例えば鼻や目など)を詳細に述べても、鮮明な印象にならないというものです。通常は、瞳の色がどうで、髪がこう、といったように個々のパーツを述べていくとより詳細なイメージが出来て、鮮明な印象を与えることができそうです。しかし、ディケンズ、エリオット、チョーサー、ウォルター・スコットなどの作家の文章を調べると、詳細な特徴を説明するよりも、全体的な印象のみを語ることで、より鮮明な印象を与えるとのことです。

つまり、文学においては顔を述べるのは個々の説明よりも全体的に、ということです。


顔の認識については、他の物の認識とは違います。これはまだ小さな赤ちゃんが人の顔を見ると笑うだけでなく、スマイリーマーク(ニコちゃんマーク)を見ても笑うことからも分かりますし。顔の認識をする脳の部位があることや、”相貌失認”という人の顔が分からなくなる症状があることからも分かると思います。


このJajdelskaの研究は"journal Poetics Today"に投稿した文学に関するものですが、このように心理学的な知見は文学にも応用できるということでしょう。


この記事はストラスクライド大学"Vivid descriptions of faces “don’t have to go into detail”を参考に書きました。


(文: SY)
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2011年10月23日

顔と身体、どっちが大事?

セクシー - 写真素材
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テキサス大学のJaime Conferらは192人の男性と183人の女性の375人の大学生の男女を対象として男女の顔と身体がどちらが大事かを研究しました。この研究はオンラインで行ったもので、被験者は、顔と身体の両方が隠れている画像を見せられて、どちらを見るかを選択することで、身体と顔のどちらが大事かを調べるというものです。

顔と身体.001.jpg

この結果、男性は長期に付き合う時は、顔をより重視して、短期的には身体をより重視することが分かりました。一方、女性は長期でも短期でもあまり変わらず顔が大事ということが分かりました。


また、イギリスのロンドン大学のThomas Currieらの研究では、顔と身体の重要さを調べました。127人の男性と133人の女性の合計260人を対象としました。これは10人の異性の写真を見て、短期の関係と長期の関係での魅力度を判断しました。

この結果、顔の得点は、男女共に長期短期両方の魅力度と最も強い相関がありました。また、女性では短期と長期では得点に違いがなかったですが、男性は短期の場合は身体の重要度がより高まります


この2つの研究共に、同じ結果をしてしており、女性は長期短期共に顔と身体の好みはそれほど変わらないものの、男性は短期的には身体が大事ということでしょうか。これらの実験はそれぞれアメリカとイギリスの実験ですが、日本でも同じ傾向はあると考えられるのではないでしょうか?


この記事はBarking up the wrong treeの"When are we more attracted to a pretty face? When are we more attracted to a sexy body?"を参考に書きました。


また参考論文は以下です。
Jaime C. Confer, Carin Perilloux, David M. Buss ,More than just a pretty face: men's priority shifts toward bodily attractiveness in short-term versus long-term mating contextt, Evolution & Human Behavior ,September 2010 (Vol. 31, Issue 5, Pages 348-353)

Thomas, E. C., & Anthony, C. L. (2009). The relative importance of the face and body in judgments of human physical attractiveness. Retrieved from http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1090513809000580

(文: SY)
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2011年10月22日

iPad? Kindle? 紙の本? 一番読みやすいのはこれ!

20代 ポートレート 1人  - 写真素材
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もうすぐ日本でもAmazonのKindleが発売になると思いますし、私もeInkという紙とほとんど同じようなキメを持つディスプレイを使ったKindleについてはかなり興味津々です。また、私はあまり物欲派ではありませんが、タブレットPCについても定期的に欲しくなる発作に襲われています。


それでは、紙の本、タブレットPC、そしてKindleではどれが一番読書しやすいのでしょうか?

ドイツのヨハネス・グーテンベルク大学マインツのStephan Füsselらが、これについて研究をしました。

この研究はドイツで若い人と老人のそれぞれが、タブレットPCとしてiPad、eInkを使ったKindle3、紙の本で様々な難易度のテキストを読書をした時についての研究です。

まず、被験者の印象ではほとんどの被験者は紙の本が一番いいと述べてました。

しかし、実際の読書のパフォーマンスでは、タブレットPCがKindleと紙の本よりも良い結果を示しました。さらに、若い人でも年寄りでも、タブレットPCを使った時が一番素早く読むことができました

この研究では読書中の目の動きと脳波を測っています。また、テキストの理解度と被験者が情報を思い出せるか、読書のスピードでパフォーマンスを調査したものですので、単にタブレットPCが早いといっただけのものではありません。


この研究は非常に意外なものです。パソコンのディスプレイと紙では、紙の方がパフォーマンスがいいという研究を見たことがあったので、タブレットPCが紙の本よりも良い結果を残すとは想像していませんでした

もちろん、この研究結果は、また別の実験によって覆されるかもしれないとは思いますが、私の電子書籍ライフにも大きな一石を投じそうです。


この記事はヨハネス・グーテンベルク大学マインツの"Different reading devices, different modes of reading?"を参考に書きました。


(文: SY)
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2011年10月21日

忙しい人は幸せ?暇な人は幸せ?

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ザビエル大学のChris Manolisとベイラー大学のJames Robertsの研究は、青年の忙しさと消費欲が、幸福度にどう関わるかというものです。

この研究は、大都市の高校生1329人を対象としたものです。この研究では、自分がどの位の時間があるか、持っている物の価値、消費欲、主観的な幸福度を調査しました。

この調査の結果、持っている物の価値が高かったり、消費欲が強い人は、幸福度が低いことがわかりました。

さらに時間の余裕があると、持っている物や消費欲が抑えられることも分かりました。また、忙しすぎず、暇すぎない人は、幸福度が高いことが分かりました。ただし、あまりに時間がありすぎると、消費欲を悪化させて、その結果幸福度が下がってしまうようです。

消費欲が高いと幸福度が下がるのは納得の結果です。また、時間については忙しすぎても暇過ぎても幸福度が下がるのですが、これも思った通りといった印象でしょう。


この記事はSpringer Science+Business Mediaの"Time on your hands – good or bad?"を参考に書きました。

元の論文情報はこちら。
Chris Manolis, James A. Roberts. Subjective Well-Being among Adolescent Consumers: The Effects of Materialism, Compulsive Buying, and Time Affluence. Applied Research in Quality of Life, 2011; DOI: 10.1007/s11482-011-9155-5


(文: SY)
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2011年10月20日

目標の正しいビジュアル化

ゴルフ場 緑色 カップ  - 写真素材
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あなたがビジュアル化すると、本当にそれが叶う?


ビジュアル化の力について乱暴な主張がされています。

「イメージをすればそれは叶う」といったことが言われています。もちろん、それが完全にガラクタであったとしてさえも、自分が言ってもらいたいと思っていることを人に言ってあげるという莫大なマーケットがあります。

ビジュアル化は、たしかに目標を達成する際に大事かもしれません。多くの研究が、運動でのビジュアル化の力を伝えています。アスリートは、より高いパフォーマンスでのプレイを経験するように促されます。

今では、スポーツにおいて、自分のパフォーマンスをビジュアル化するようにプレイヤーに言わない心理学者をみつけるのが難しいです。

また、ビジュアル化は、人の行動を変えるための心理セラピーでも使われます。例えば、アルコール中毒の人は、飲酒をしたくなったらどのように対処するかをビジュアル化するように言われます。


効果的なビジュアル化

ビジュアル化が目標達成に役立つことはよく知られています。しかし、未来についてのビジュアル化は、様々な形で表れます。いったい、どのようにして、正しい方法のビジュアルをしていると知っているのでしょうか?

人気のある自己啓発本には、私たちは結果をシミュレートすることで成功する、と書いてあります。そして、昇進、理想のパートナーとの出会い、大掃除をすること、などをイメージすれば、私たちは目標に近づくと言っています。

”ポジティブな空想の罠”という記事では、ポジティブな空想よりもネガティブな空想の方がより良い結果になることを述べました。おそらく、未来のビジュアル化の効果的な方法というのは、目標を達成した状態でなく、目標を達成するプロセスについて考えることなんでしょう。


プロセス対結果

結果とプロセスは、1対1に対応するものです。PhamとTaylor,1999の実験は、学生のビジュアル化に関するものです。この実験では、試験の結果が上手く行くとビジュアル化した学生と、勉強するなどの目標へのステップをビジュアル化した学生を分けました。


その結果は明確なものでした。参考書を読んだり、必要なスキルを得ることをビジュアル化した学生は、より長い時間実際に勉強をして、試験でもより良い点数を取りました。
(ちなみに意外なことに、勉強の時間と試験の点数は、弱い相関しかありませんでした)

このことは、プロセスをビジュアル化する2つの効果について示しています。

・計画: プロセスをビジュアル化することで、目標達成に必要なステップに集中できます。
・情動: プロセスをビジュアル化すると、心配が減ります。


計画の誤信

結果をビジュアル化することが上手くいかない理由の一つは、計画の誤信です。これは、私たちはすべてのことが実際によりもより簡単であると考えていることによります。このことは何年も経験しているのに、ずっと過信したままです。そして、私たちはどのくらいの計画が上手く行って、どのくらいが失敗するかの予測に失敗し続けているのです。

一方、プロセスについて考えることは、潜在的な問題に集中して、どうやって解決するかに役立ちます。

単に目標について夢見ることは、役立たないどころかより悪い結果を起こすかも知れません。それはパフォーマンスを落としてしまいます。最近の研究では、成功した結果をビジュアル化した被験者は、勉強の量が減り、モチベーションも低下することが分かっています。

つまり、結果を願うのでなく、どうやって成功するかの過程をビジュアル化することが大事なのです。


この記事はPSYBLOG"The Right Kind of Visualisation"を翻訳したものです。


(翻訳: SY)

フェイスブックの笑顔の魔法?

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バージニア大学のJames Patrick Sederと大石繁宏の研究は、フェイスブックの顔写真と人生への満足度の関係を調べたものです。

この研究によると、プロフィールの写真をチェックして、笑顔の強さをチェックすることで人生への満足度を測ることができます。

この研究は、48人のバージニア大学の大学生を対象としたものです。大学生が一年の一学期により笑顔が強い人は、その写真をアップした時と、その3.5年後に確認した時の両方でより人生への満足度が高いことが分かりました。この笑顔の強さは、頬の上がり具合と、口角の上がり具合で判断しました。

また、確認のため、別の年に36人で同じ実験をしたものですが、結果は同じものとなりました。


この結果はとても興味深いものでした。最近は、フェイスブックで顔を出している人も増えてきました(”Facebookの顔出し比率は、男性67%、女性61%”参照) プロフィールの写真で相手の幸福度が測れるのは面白そうですね。もちろん、社会人だと、起業家や野心のある人や自己啓発本好きな人は、人生への満足度に関係なく”飛びっきりの笑顔”のプロフィール写真を載せているので、プロフィール写真だけでは判断できない人たちもいますが...

もちろん、相関関係があるからといって因果関係があるわけではないので、フェイスブックに笑顔の写真を載せると幸せになるわけではありませんのでご注意くださいね。


さいころニュースではこれまで、大石繁宏先生の他の研究についても書いてます。
10点満点の幸福!!
幸福の鍵は、やっぱり平等


元の論文情報はこちら

この記事はMiller-McCune”Facebook Profile Pics Predict Future Happiness”を参考に書きました。


(文: SY)
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2011年10月19日

自分に甘いとグズグズしない?

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自分を許さないと、ぐずぐずは雪だるま式に増えるかも


人はしばしば自分自身を嫌って、非難して、そして自分をグズグズの淵に叩き落とします。

Wohlら,2010の新しい研究では、自分を非難することが生産性を落とすかもしれないと述べています。119人の大学1年生の2つの中間試験を通じた研究をしました。この研究では、1回目の中間試験の前にグズグズすることを許すことと、2日目の中間試験が関係を調べました。


普通、自分に甘くするとグズグズが起きてしまうと考えますが、Wohlらは、逆になることを明らかにしました


寛大さがあることで、学習の妨げとなる前回の悪い行動を認めて、次回の試験に集中できるのです。

この理由は、グズグズする自分を許すことは、前回の試験の結果によるネガティブな感情を減らして、次のグズグズを減らす効果があるためです。


このことは、接近回避行動という点からも説明できます。私たちは悪い気分になることを避けるので、以前の試験に対する罪の意識を封じるために次の試験を避けようとしてしまいますもし、自分を許すことができると、罪の意識を減るので、次の試験により集中できるのです。

この説明は、人は他人との感情的な関係を持つだけでなく、試験などのタスクとも感情的な関係を持つことを強調します。古くからの親友のように、好きで楽しみにしているタスクがあれば、私たちの時間を奪う強盗のように感じるタスクもあります。

これは被験者が普通にしていたことを研究しただけなので、自分を許すことがどのくらい簡単なのかを教えてくれません。残念なことに、心理学者は、自分を許すプロセスについては”いいこと”という位で他にほとんど情報を持っていません。

たぶん、自分を許すことが健康的だと知っているだけでも役に立ちます。皆さんがこの知識を役に立てることを願っています。


”How to Avoid Procrastination: Think Concrete”(未訳)も参考にしてください。


この記事は、PSYBLOG”Procrastinate Less By Forgiving Yourself”を翻訳したものです。


(翻訳: SY)

忘れることが覚えること

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物事を覚えることはいいことで、忘れることは悪いことという印象があります。しかし、実際には忘れることも大切なことです。例えば、大きなスーパーの駐車場に車を停めた時に、どこに停めたのかを覚えていることは大事ですが、覚えておきたいのは今日の分だけで、先週や先月の停めた場所は忘れておきたいです。


イリノイ大学のBen Stormは研究の中で、忘却の良い面について述べています。

Stormの実験は、関連したジャンルの単語を全部覚えてテストをして、次に、その半分だけを覚えてテストをするというものです。例えば、鳥に関連する単語ということで、最初の実験で、たとえば「ハト、タカ、ハシバミ、ツグミ、ワシ、フクロウ」と覚えて、次の実験では「ハト、ハシバミ、ワシ」という単語を覚えます。この実験は単語を覚える実験ですが、実際には単語を忘れる実験と見ることができます


このように忘却というのは記憶をするために必要なものと見ることも出来ます。人間の記憶はなかなかおもしろいもので、覚えるのも忘れるのもなかなか思ったとおりにいかないようです。

ちなみにこの忘却が大事ということで、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの”伝奇集”という短篇集の中の”記憶の人、フネス”を思い出しました。これは、完全記憶能力者の話で、記憶が完璧すぎて昨日見たものと今日見たものが同じことが分からないといった起こる人の話です。小説ですが、記憶と抽象化能力についての示唆が得られます。他にも”伝奇集”には、指示するもの(シニフィアン)と指示されるもの(シニフィエ)の関係についての小説などおもしろい短編がたくさんあります。


この記事は以下を参考に書きました。
Association for Psychological Science (2011, October 18). Forgetting is part of remembering. ScienceDaily. Retrieved October 19, 2011, from
http://www.sciencedaily.com-/releases/2011/10/111018111938.htm

関連記事:
学習におけるひとつの冴えたやりかた
勉強の際には”頭に入れておく”よりも、”思い出せるようにする”ことが大事と見るのがいいようです。

”うっかり”は記憶力とはちょっと違う?
”記憶力”と一括りに言ってしまいますが、物事を覚えておくこととある時間になったら何かを忘れないでやることは別物です。


なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎 (日経ビジネス人文庫)
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(文: SY)
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2011年10月18日

音楽が二人の距離を縮める?

音楽を聴く女性 - 写真素材
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人にはパーソナルスペースというものがあります。これは、心地よい相手の距離があり、それよりも近づくと不快になるというものです。 ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校のManos Tsakirisらは、ミュージックプレイヤーなどでこのパーソナルスペースの距離がどう変わるかを調べました。

これは32人の19歳から24歳の男女を対象とした実験です。実験はそれぞれ、楽しい曲、悲しい曲、音楽なしで、それぞれ心地よい距離がどう変わるかを実験したものです。


1つめの実験はヘッドフォンをつけて音楽を聞いている被験者と相手との心地よい距離を調べたものです。条件は2つあり、片方は被験者は止まっていて相手が近づいてくる場合、もう1つは被験者と相手の両方が近づいていくというものです。

音楽とパーソナルスペース.001.jpg

結果を見て分かるように、明るい曲はパーソナルスペースを縮めます。そして、暗い曲の場合は、互いに近づく場合はパーソナルスペースが縮まりますが、相手が近づいてくる場合は逆にパーソナルスペースが広がります


2つめの実験は音楽プレイヤーをつけた場合とスピーカーで音楽を流した場合にどう変わるかを調べたものです。今度の実験では被験者は止まっていて、相手が近づいてきます。この時に、被験者はヘッドフォンをつけて音楽プレイヤーを聞いているか、近づいていくる相手の斜め後ろのスピーカーから音楽が流れてきます。

音楽とパーソナルスペース.002.jpg

その結果、明るい曲はパーソナルスペースを縮めて、暗い曲はパーソナルスペースを広げます。そして、ヘッドフォンよりもスピーカーの方がその効果が大きいという結果になりました。これは、ヘッドフォンはスピーカーよりも大きくパーソナルスペースを縮めると思っていたので、意外な結果でした。


また、この結果から、いくつかの応用を考えることができます。まず、多くの人が実際に経験をしているように、満員電車などの混雑した状況では音楽を聞くことで、パーソナルスペースを縮めて、少しでも快適に過ごすことができそうです。この時は明るい曲がいいようです。また、狭い居酒屋ではアップテンポの曲を流しておくのが効果的と考えられます。

もちろんBGMを流す時には”音楽のイメージはブランドにすぐ利く!”ことを注意しなければなりませんし、心地よい空間を作るには”ハッピーな音楽を聞くと周りの人が幸せそうに見える”ことにも注意してください。


元の論文はこちら

この記事は以下を参考に書きました。
University of Royal Holloway London. "MP3 players 'shrink' our personal space." ScienceDaily, 17 Oct. 2011. Web. 18 Oct. 2011.

(文: SY)

2011年10月17日

複数の目標でも集中できる方法

悩むホームヘルパーの女性 - 写真素材
(c) Ryo.WATANABEストックフォト PIXTA


新しい研究は、具体的な計画が心理的な余裕を作って、目標に集中する方法を示しています。


我々は平均して15個の個人的なプロジェクトを同時に実行しています。ヨーロッパ旅行を計画しながら、家の大掃除を週末にしようとしていて、転職活動を裏で進めながら火曜日のプレゼンの準備をするといったように様々な目標があります。さらに私たちは毎日、仕事や買い物や読書のようなことをしています。

それでは、目標について考えることは、他の目標をどのくらい妨げてしまうのでしょうか?ヨーロッパ旅行を考えると、どのくらい仕事の気が散ってしまうのでしょうか?

心理学者は、終わっていない目標が私たちの心の周りをグルグル回っていることを1世紀近く前から指摘しています。これは、ツァイガルニック効果と呼ばれています。



具体的な計画は、心を解き放つ

まだ終わっていない目標に気を逸らされて、別の目標に集中できないかもしれません。新しい研究によると、これはまだ終わっていない目標をきちんと具体的に計画するまで続きます。

MasicampoとBaumeister,2011の研究によると、小説を読んで楽しんでいる間、被験者は毎日の終わっていない仕事についての考えがしばしば浮かんできて、小説を読んでいる邪魔をされます

しかし、もし終わっていない目標について、とても具体的に計画をするように言われると、仕事のことを考えてしまうことが、仕事がない時と同じくらいまでに減ります。このことは、別の実験でも確認されました。

先にやることをより具体的に計画をしておくことで、今実行していることのための心理的な余裕を生み出して、現在のことをより効率的にこなすことができるのです。

目標を具体的にするというのは、私達がやりたいどんなことについてでも、いつ、どこで、なにを、どうやって、かを決めることです。もし旅行を計画しているなら、夕食後にパートナーと一緒に、ホテルや飛行機についてリストアップして、それから、土曜の朝にオンラインで予約すると決めてはどうでしょうか?(あなたは”目標の正しいビジュアル化”(未訳)してください)

もし、計画が十分に具体的ならば、夕食後になったらこの計画を自動的に行います。その結果、残りの時間は旅行の計画にわずらわされることなく、他の目標に集中することができるのです。


この記事はPSYBLOG"How to Avoid Being Distracted From Your Goals"を翻訳したものです。


(翻訳: SY)