2011年10月16日

困惑する人は、寛大な人?

任意のタイトルを入http://pixta.jp/mypage/manager/?edit=1&img_no=3088250&img_no=3088253&img_no=3088254&img_no=3088255&img_no=3088256&img_no=3088257&img_no=3088259&img_no=3088260&img_no=3088261&img_no=3088262&img_no=3088263&img_no=3088264&img_no=3088265&img_no=30882 - 写真素材
(c) vantherra写真素材 PIXTA


カリフォルニア大学バークレー校の Dacher Keltnerらは困惑に関しての研究をしました。

1つめの実験では、60人の大学生が被験者となりました。まず、ビデオで録画されて困惑する場面の数をカウントされました。その後、10枚の宝くじのチケットを渡されて、独裁者ゲームをしました。独裁者ゲームというのは、独裁者が民衆にあげるチケットの枚数を決めて、それから民衆が自分と独裁者が決められた枚数のチケットを受け取るか、自分も独裁者も受け取らないという選択をするというものです。つまり、独裁者は、民衆が怒り出さない範囲でチケット枚数を配分するのです。

その後に、クレイグリストで募集した38人を被験者として、普段どのくらい当惑を感じるかを尋ねてから、同様に独裁者ゲームをして、当惑と寛大さの関係を調査しました。

この結果として、より困惑をする人は、よりたくさん民衆にチケットを配分します。つまり、困惑する人は寛大な傾向があるのです。


2つめの実験では、被験者は俳優が「テストで満点だった」と話しているのを見ます。この時、一部の俳優は困惑しながらしゃべって、一方の俳優は自慢っぽくしゃべります。それから被験者が相手の俳優を信用しているかどうかを調べるために、ゲームをしてもらいました。この結果、被験者は困惑を見せた俳優に対して、より打ち解けさせることが分かりました。


困惑をしている人を見ると、たしかに親近感を感じるのは納得がいきます。しかし、より困惑をする人が、寛大というのは興味深い結果でした。


この記事はカリフォルニア大学バークレー校の”Easily embarrassed? Study finds people will trust you more”を参考に書きました。


(文: SY)

2011年10月15日

目標設定のダークサイド

My Goal - 写真素材
(c) shen写真素材 PIXTA



目標はどこにでもあります、しかし目標設定は全てがいいものでなく、危険でもあります。

目標設定についてはたくさんのことが言われています。また、個人にとっても、企業にとっても、政府にとっても、信仰の対象にまでなってきていて、現代の労働者は、しばしば、自分自身を目標に向かわせるために、自分でパフォーマンスのレビューをしています。目標がしばしばバカバカしかったり、無意味なものだったりするという事実もあるののに、それはどうやら無関係なようです。

すべての国が目標に向けて行動しています。他の国と同様に、ここイギリスでも政治家は目標設定をしています。経済指標から保険医療の改善項目や犯罪指標まであらゆることに目標が設定されていて、計測できるものは目標とされてしまいます。


制御できない目標
心理学者は、目標設定への並外れた流行の一端を担っています。1970年代から1980年代の大規模な研究は、どのように人が目標に反応するかを伝えます。

BanduraとSimon,1977の初期の研究では、平均より50%オーバーの肥満の人を被験者としました。これらの被験者は、食事行動を変えることがとても難しい人で、多くは子供の頃から肥満でした。

彼らの減量実験では、あるグループは食事をできるだけ制限するようにと言われ、もう一方は具体的な目標を決められました。

4週間後、できるだけ制限すると言われた人に比べて、具体的な目標を決められた人は2倍食事量を減らしました

このように具体的な目標の力は、長らくあらゆる分野において発見されています。例えば、食品工場の労働者は、具体的な目標を示されることで、劇的にパフォーマンスが上がり、怪我も減ります。

コールセンターでの研究では、具体的な目標を設定することで病欠が減り、安全性とパフォーマンスが向上しました。

肉体的および認知的なタスクは、具体的な目標によって促進されます。エンジニアと科学者に対する研究でも、ベストを尽くすという形や目標が全くないよりも、目標が具体的ならばよりパフォーマンスが上がるという結果があります。


反動が始まる
具体的な目標の力が有効であるという研究は無数にあり、また具体的な目標は曖昧さを減らします。マネージャーが「ベストを尽くせ」と伝える時、それは相手に解釈の余地を残してしまいます。他の人の「ベスト」は、あなたが考えている「ベスト」よりも少ないかもしれません。もし目標が曖昧ならば、人は自分勝手に解釈します。そのためにも明確な目標がいいのです。少なくとも理論的には。

ただし、実際には予想外の結果になることもあります。ここに悪い目標設定の副作用を書きます。(Ordonezら,2009

・具体的すぎる
具体的すぎる目標に取り組むのは用意ですが、全体を見失ってしまうことがあります。個別の目標は、最終目標に従うものであって、個別の目標に全てが従うわけではありません

・多すぎる
目標が多すぎると、簡単な目標に集中してしまいがちです。そして、難しい目標が重要なものだと、最終目標に失敗してしまいます。

・短すぎる
短期的な目標は、短期志向を生んでしまいます。ビジネスを5年、10年、20年と続けていくのでしょうか?ニューヨークで雨の日にタクシーを捕まえるのが難しい理由は、運転手はそれほど良い仕事ではないから、運転手はその日の目標を達成したら家に早く帰ってしまうのです。どうして、儲かる時に仕事を止めてしまうのでしょうか?それは、目標設定の期間が短すぎるからです。

また、よくない目標設定が我々の学習能力やモチベーションに害をなすという証拠もあります。さらに目標を達成しようと倫理的でない行動をしてしまうこともあります。


個人的な目標設定
組織心理学の研究には様々な示唆があります。組織心理学は、従業員にベストなパフォーマンスを出させるように管理するためのものです。

組織心理学で言われていることは、悪い目標設定は職場や組織において実行されるかもしれないが、基本的な考え方は正しいということです。もし、自分が具体的な目標を設定したら、目標がよいものである限りは、あなたはよりよく実行できます。

最終目標から逸れないために、目標設定のダークサイドを覚えておくことは価値のあることです。目標は役に立つかも知れませんが、目標があまりにも柔軟すぎてもいけません。

また、他人でなく自分で目標を設定する時、完全にコントロールする利点があります。もし上手くいかなかったら、目標を捨てることができます。適切でなくなれば、変更することができます。漠然と1つか2つの目標を持つことは、悪いことではありません。

目標がパフォーマンスをしばしば改善することにはほとんど疑問の余地がありません。しかし、多くの組織のように目標の奴隷にならないようにしなければなりません。


この記事はPSYBLOG"The Dark Side of Goal-Setting"を翻訳したものです。


(翻訳: SY)

2011年10月14日

バカポジティブはどういう人?

成績優秀 - イラスト素材
(c) tooru sasakiイラスト素材 PIXTA


趣味がビジネス書を読むことなのですが、そのせいかネットを見ていると”すごいポジティブ”や”ポジティブ馬鹿”と称している人をよくみかけます。個人的には本当にポジティブならばそんなに主張しなくてもいいのに、と思います。また、自尊心が十分高いならば、むしろポジティブな人よりもネガティブな人の方が反省するので、学習効果が大きいのではないでしょうか。


それでは、本当にポジティブな人とはどういう人なんでしょうか?

ロンドン大学のTail Sharotらの研究は、何か起こった時にとても楽観的な人は、自分の信念が強化されるようなことを学習する傾向があるというのです。つまり、自分の思っていたことからは学習して、自分の思っていないことは無視してしまうということです。ちなみにとても楽観的な人は前頭葉の下前頭回(IFG)の機能と関係があるようです。


やはり脳の機能とポジティブかどうかの関係があるようですね。それにしても、最近は脳の分野の発展はすごいですね。従来の心理学の研究と違い、検査機器の発展に従って研究結果が飛躍的に増えている印象があります。


この記事はFuturePundit"Extreme Optimists Only Learn From Good News"を参考に書きました。

元の論文はこちら


(文: SY)
posted by さいころ at 08:43| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福

お金への執着が結婚生活を縮める?

家計簿をつけながら悩む主婦 - 写真素材
(c) *ちはる*画像素材 PIXTA


結婚生活にとってお金は重要なのは間違いないことないですが、お金をどう思っているかも重要です。

ブリガムヤング大学のJason Carrollらのアメリカ全国の1734人を対象として研究をしました。

この研究では「お金は自分たちにとって重要ではない」と二人が思っているカップルは、他のカップルよりも10〜15%結婚が安定していました。

また、約20%のカップルが二人ともに「とてもお金を欲しい」と思っていました。しかし、二人が「とてもお金を欲しい」と思っているカップルは、一人が「とてもお金を欲しい」と思っているカップルやそう思ってないカップルよりもより、結婚の状態がよくないという結果になりました。やはり、お金のことで喧嘩するのはよくあることなのでしょう。


アメリカと日本の違いはあると思いますが、相手のお金に対する感覚は結婚にとっても大事なポイントの1つです。双方共が「とてもお金が欲しい」と思っていると、同じ目的を共有してより良い結婚生活が送れるのかもしれないと思ったのですが、やはりお金は夫婦間でもトラブルの種ですね..

この記事はEurekAlert!”Can't buy me love: Study shows materialistic couples have more money and more problems”を参考に書きました。


(文: SY)
posted by さいころ at 07:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛・男女関係

2011年10月13日

目標達成のための11の方法

写真素材 PIXTA
(c) IYO写真素材 PIXTA


●目標設定での空想、可視化、目標へのコミットメント、躊躇、目標設定の副作用について

私たちは目標設定についての様々なことを聞いています。目標設定については、具体的で、チャレンジングで、報酬を使って、進捗を記録して、みんなに宣言をするといったことが言われています。

それでは、どうして我々はいまだに失敗してしまうのでしょうか?

心理学の研究からこの疑問に回答し、さらにどのような考え方が目標設定の役に立つかを示します。

1.空想を止める
どんな目標でももっとも大きな敵は、過大なポジティブな空想です。”ポジティブな空想の罠”で述べたように、ポジティブな空想が仕事をみつけたり、パートナーをみつけるのを失敗させてしまいます。目標達成においては空想はよりネガティブな方がよいです。成功するまでは、将来の成功を経験しないようにしなければなりません。


2.まずコミットする
私たちが目標を達成しないのはコミットメントの不足が理由です。

強力な心理学的なテクニックで、コミットメントを強化することができます。この手法はメンタル・コントラストと言われるものです。目標達成の難しい点と簡単な点を考えることで、よりコミットメントが高まります


3.最初の一歩をはじめる
"ツァイガルニック効果"を使うことで、目標に近づくことができます。"ツァイガルニック効果"というのは、完了した課題よりも、達成されなかった課題や中断している課題の方が記憶に残りやすいというものです。

ロシアの心理学者、Bluma Zeigarnikは、ウェイターは注文を受けている間だけオーダーを覚えいて、オーダーが終わるとそれを忘れてしまうことに気づきました。
ツァイガルニック効果は、優柔不断に対する一つの武器としてともかく何かをはじめるということを示唆します。最初にはじめてさえしまえば、ツァイガルニック効果によって目標があなたの心の中に居座ることになります。


4.結果でなく、プロセスをイメージする
私たちは、過信による計画の影響を受けやすいです。上手くいってない時でも、上手くいっていると考えてしまいます目標へのプロセスをイメージすることで、次に行うべきステップに集中でき、また、不安を減らすこともできます。


5.どうにでもなれ効果を避けろ
私たちは目標を失敗すると、”どうにでもなれ効果の罠”に落ちることがあります。ダイエット中の人は、毎日の摂取カロリーの制限を超えると、「どうにでもなれ」とたくさん食べてしまうことがあります。

"どうにでもなれ効果"の影響を受けやすい目標は、短期の目標や禁止に関わる「〜しない」といった目標です。逆に長期的な目標や、「新しく〜する」目標では、どうにでもなれ効果を避けることができます


6.優柔不断を避ける
目標が困難で目標に本当に価値があるかわからない時に、私たちは躊躇します。このような状況では、大きな目標を忘れて詳細に没頭することがキーとなります。デッドラインを設けて、足元のことに集中しましょう。”だらだらを避けるには”(未訳)も参照のこと。


7.焦点を変える
足元だけ見ていたらどこに向かっているか分からなくなってしまいます。最終的な目標と現在やっているタスクを完了させることの間で焦点を切り替えることが目標達成のキーです。研究によると、進捗を評価する時に、特に難しいタスクを評価する時には、じっとタスクに集中することがベストな方法となります。しかし、タスクが簡単だったり、終わりかけている時には最終的な目標に集中することがベターです。”大きなプロジェクトを終わらせるには”(未訳)も参照のこと。


8.自動的な行動をしない
しばしば私たちの行動は自動的になります。私たちは、本当にそう考えるから物事を行うのでなくて、習慣や無意識の他者の真似をして行動してしまいます(Bargh他, 2001)。このような行動は、目標への努力の邪魔となります。自分の行動が、本当に目標に近付いているかを自問しましょう。


9.目標を忘れろ、何をしたいのか?
目標は私たちの最終的な狙いと一致しているべきです。しかし、”目標設定のダークサイド”があります。目標があまりに具体的な時、行き詰ってしまいます。

例えば、あまりにも目標が多いと、重要じゃなくて簡単な目標が優先されてしまったりします。また、あまりにも目標が短期的だと短期志向を生んでしまったりします。また、悪い目標設定はモチベーションを下げてしまったり、非倫理的な行動を増やしたりします。

第一に、目標の全体を覚えておいてください。


10.引き際を知る
始める時でなく、いつ止めるかを知ることが問題になることがあります。心理学者は、サンクコスト(埋没コスト)が奇妙な行動をさせることをみつけました(Arkes & Blumer, 1985)。サンクコストは、既に使ってしまって取り返せない努力やお金を意味します。このサンクコストのため、計画が失敗しても、それを続けようとしてしまいます。

研究では、目標に対して努力やお金を投入すればするほど、実際に成功しそうかどうかに関係なく、より成功すると
考えてしまいます
。進路をいつ変更して、無駄なことをいつ切り上げるかを知ることが大事です。


11.if-thenプラン
これらの研究は、目標達成においての自己管理の重要性を示しています。もし、目標達成のためのコスト全てが分かると、自己管理はとても難しくなります。

このようなことを防ぐための方法としては、”if-then(もし〜ならば、〜せよ)プラン”という方法があります(Gollwitzer他, 2006)。あなたはある状況になったらやることを、事前に決めておきます。これは単純に思えますが、私たちは計画するよりも即席でやりがちです。”if-thenプラン”は、これまで説明したような障害を乗り越えるために使えます



この記事はPsyblog"11 Goal Hacks: How to Achieve Anything"の翻訳記事です。


(翻訳: SY)

グズグズと戦う4つの方法

赤鉛筆とものさし - 写真素材
(c) Dw1写真素材 PIXTA


私たちを重要な仕事から、引き離す心理的な要因について見て行きましょう。

古いジョークにこういうのがあります。
「仕事の日にグズグズするのは何故?」「明日があるからさ」

もし、あなたがグズグズ屋だとしても、あなたは一人ではありません。大学生の75%が自分をグズグズ屋と考えていて、50%が自分を問題があるグズグズ屋と考えています。

Steel 2007によると、グズグズには4つのポイントがあり、それが対処法にもなります。


1.価値の低い仕事
目標の価値は、私たちのグズグズに影響を与えます。例えば、つまらない仕事の場合はますますグズグズします。つまらない仕事は退屈なので、時間制限を厳しくしたり、特殊な条件を自分に課したりするといったように、敢えてもっと難しい仕事にすることで、グズグズしなくなります。

また、嫌いな仕事を面白くすることはできます。集団で楽しむ学生は、しばしば勉強のグループを作ります。彼らは、試験のための復習と同時に、グループでいることを楽しみます。

他の方法として、正しい行動にはちょっとしたご褒美を、グズグズには罰を与える、といったように自分を犬のように扱うこともできます。


2.グズグズ屋の性格
中には生まれながらのグズグズ屋もいます。自己管理ができておらず、注意力が散漫で、衝動的な人です。自分の性格について出来ることはあまりないですが、環境をなんとかすることはできます。

基本的なアドバイスは、仕事をするように強制されたり、誘惑を避けさせてくれるような正しい環境にいなさいということです。コンピュータで書きものをするには、コンピュータの後ろからインターネットのケーブルを抜いてどこかにしまっておきましょう。また、何かに取り組む時には、スマートフォンも隠しておきましょう

グズグズは立ち止まって考えないといけない時に起こりやすいです。仕事でのほんの小さな決定でも、グズグズが起こるかもしれません。そのため立ち止まって考えないですむように、あなたがやらないといけない仕事は、自動化していく習慣をつけましょう


3.成功への期待
仕事が簡単に終わると思っているなら、グズグズしないでしょう。成功の期待を増やすことはグズグズを減らします。しかし、期待を変えるにはほとんどの場合、経験が必要です。成功の経験がないと期待も変わらないというのは、ジレンマです。

しかし、一度あなたが仕事を始めてそれを完了させたなら、似たような仕事では今後はグズグズしなくなります。


4.目標の失敗
グズグズの定義によって、”もう少し”というのは、目標へ到達しなかったことを意味します。正しい方法で目標を設定することは、大事なことです。長期的な目標だけでなく、短期的な目標も用意して、無理にでも締め切りを作ることはグズグズを防ぐのに有効です。目標設定についてはこちらの”目標設定のための11の方法”を参照してください。


自分への許し
自分に厳しくなりすぎてはいけません。グズグズする自分を許すことは、グズグズのサイクルを止める助けになります。以前書いた”自分に甘いとグズグズしない?”を参照してください。


この記事は、PSYBLOG"How to Fight the Four Pillars of Procrastination"を翻訳したものです。

(翻訳: SY)

2011年10月12日

看板は見落とし注意

看板 広告 飲食店        - 写真素材
(c) norihiro画像素材 PIXTA


シンシナティ大学のJames Kellarisらの北アメリカの100,000世帯を対象とした調査によると、新製品の広告で有効なメディアは、

1.テレビ
2.店内の広告などの屋内広告、雑誌の広告
3.屋外広告
4.ラジオ
5.インターネット
6.新聞広告

の順だそうです。日本ではどのような順位か分かりませんが、テレビ、屋内広告、雑誌の広告が有効というのは分かります。そして、手元にデータはありませんが、今後はインターネットの広告や広告ではない口コミの有効性が高まっていくだろう、という予測もできると思います。


また、Kellarisらの調査は、屋外広告の看板についてを指摘しています。この指摘は、看板が小さかったり、わかりにくかったりすることで、看板を見落としてしまうというものです。

調査対象の50%近くの人が看板を見落としたことがあると報告しています。特に35-49歳,50-64歳以外では、見落とすことが多いとのことです。これは老人や車に慣れていない若者やが、そばを通ってもお店に気づかないということでしょう。

日本では最高の消費者は高齢者になっています。看板のデザインを凝ったものにして、その結果オシャレだけどわかりにくいというものにならないように注意しないといけません。


この記事はシンシナティ大学の"UC Research Finds that Consumers Rely on Signage over Other Ad Media"を参考に書きました。


(文: SY)
posted by さいころ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2011年10月11日

子供への広告の影響

フライドポテト - 写真素材
(c) HAL画像素材 PIXTA


テキサスA&M国際大学のChristopher Fergusonらは子供が食べ物を選ぶ際の広告の影響を研究しました。これは3から5歳の75人を対象とした実験です。

被験者となる子供はアニメを見せられます。1つのグループは、アニメの合間のCMでフライドポテトのCMを見せられます。もう一方のグループはアニメの合間にディップソースつきのアップルスライスのCMを見せられます。

その後で、親がヘルシーなものを選びなさいというか、もしくは親は何も言いません。それから、子供に食べ物のクーポンを選ばせました。

この時に子供がフライドポテトを選んだ割合を下に示します。

フライドポテトを選んだ割合.002.jpg

図から分かるように、フライドポテトのCMを見せられた子供は、フライドポテトを選び割合が上がります。また、親がヘルシーなものを選ぶように言うことで、フライドポテトを選ぶ割合が減ります。

この結果は、CMの力を示していますし、同時に親の指示の力も示しています。CMの効果を消し去ることはできませんが、親はその力をある程度緩和することはできるのです。


元の論文情報はこちら
Christopher J. Ferguson, Monica E. Muñoz, Maria R. Medrano. Advertising Influences on Young Children's Food Choices and Parental Influence. Journal of Pediatrics, 2011; DOI: 10.1016/j.jpeds.2011.08.023

この記事は以下を参考にしました。
Elsevier Health Sciences. "Children's food choices are affected by direct advertising and parental influence, study suggests." ScienceDaily, 10 Oct. 2011. Web. 11 Oct. 2011.


(文: SY)
posted by さいころ at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動

2011年10月10日

意思決定の行動経済学


今月のDHBR(ダイアモンドハーバードビジネスレビュー)2011年11月号に行動経済学で有名なダニエル・カーネマンらが”意思決定の行動経済学”という記事を書いていたので紹介します。

この記事は、意思決定においては、直感的なシステム1と合理的なシステム2の2つから行われており、様々な認知バイアスの影響をうけるためにシステム1の結果をシステム2で見直すことが大事であるとしています。

そして、この合理的なシステム2によって、直感的なシステム1を律するための12の質問を紹介しています。なお、説明部分は新しく書き起こしています。


1.提案チームが「私利私欲にかられて意図的に誤りを犯したのではないか」と疑われる理由はないか
自分は客観的に判断しているつもりでも、利己的バイアスによって”自分の”利益のために判断を誤っていないか?

2.提案者たち自身が、その提案にほれ込んでいるか
感情ヒューリスティックは、自分の好きなものはリスクを過小評価し、メリットを過大評価します。メリット・リスクを客観的に判断したつもりでも、好きなものや嫌いなものに対しては本当に客観的かどうかをチェックしなければなりません。

3.提案チームのなかに反対意見があったか
グループシンク(集団浅慮)というのは、集団で意思決定をする時にベストを求めるのでなく、集団で最も争いが発生しないような妥協点に落ち着いてしまうということです。

4.顕著な類似点が、状況の分析に大きく影響するおそれはないか
顕著性バイアスというのは目立ったものを重要視しすぎてしまうというものです。例えば、直近の成功例を過大評価してしまって、同じような選択をしたり。意思決定対象の分かりやすい点のみについて、検討を深めたりしてしまいます。

5.信頼できる代替案が検討されたか
確証バイアスというのは、自分のアイデアを支持するような証拠ばかりを集めてしまうという傾向のことです。最初に思いついたアイデアを検討していくと、そのアイデアを支持する方向にいってしまうので、他の案がないかを慎重に検討する必要があります。

6.一年後に、同じ意思決定を繰り返さなければならないとしたら、どのような情報が必要になるか。それがいま入手できるか
利用可能性バイアスは、利用可能なデータが全てのものであると考えてしまうことです。手元にあるデータだけでストーリーを組み立てるのでなく、どういった情報がさらに取得できるか?何が足りないかを検討する必要があります。

7.数字の出所を承知しているか
例えば相手の企業を買収する時に、買収金額の出所を確認する必要があります。数字を検討する時にはアンカリングを意識しなければなりません。人は最初に与えられた数字に影響を受けてしまいます。例えば、全く新製品の市場規模についての検討をする時に、仮に100億円と仮定して話を進めていくと、最後までその100億円の市場規模というのが頭に残ってしまいます。

8.「ハロー効果」が見られていないか
ハロー効果によって分かりやすい単純なものがすべての原因と考えてしまうのはよくあることです。例えば、トヨタの良さは全て”カンバン方式”に帰着させたり、あるIT企業の成功が実は製品投入のタイミングが良かったのを全て経営者の先見と見なして永続的な成長と見誤ったりすることがあります。

9.提案者たちは過去の意思決定にこだわりすぎていないか
過去の決定の埋没費用(サンクコスト)にこだわってしまい、間違いを続けてしまうということはよくあります。新しく始めた事業が今後ずっと赤字と予測されていても、「これまでこんなにお金を使ったから」と続けるというのはよくあることです。

10,基本となるケースは楽観的すぎないか
意思決定のほとんどは未来についての事柄です。また、未来の予測についてはリスクを過少に見積もったり、自分たちの能力を過剰に見積もったりします。また、自社のみが製品開発を進めて、競合企業は新製品を投入しないと想定してしまったりします。人は未来について楽観的ですが、意思決定においてはそれが予測を誤らせるのです。

11.最悪のケースは、本当に最悪なのだろうか
意思決定の際には、当然リスクを想定します。この時の最悪の事態に備えているつもりでも、実際にはそれ以上の最悪な事態が起こることはよくあります。人は、滅多に起こらないことは、全く起こらないと想定してしまうことがよくあるのです。過去100年で、第一次世界大戦、第2次世界大戦、ベトナム戦争、キューバ危機、人類初の月面着陸、ベルリンの壁の崩壊といったことがありました。このような大きなことが起こった場合にビジネスにどのくらいのインパクトがあるのでしょうか?

12.提案チームは慎重すぎないか
人はリスクについて過剰に評価する傾向があります。つまり、一度得たものを失うことを過剰に恐れるのです。そのためにほとんどの組織ではリスクを取ってでも、利益を取りにいこうとしなければなりません。


このような意思決定のバイアスは、本人が気づかない間に入り込んできます。これを合理的なシステム2によって、意思決定から取り除かなければなりません。

予想どおりに不合理[増補版]
ダン アリエリー Dan Ariely
早川書房
売り上げランキング: 9758


実践 行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択
リチャード・セイラー キャス・サンスティーン
日経BP社
売り上げランキング: 73921


まさか!?―自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠
マイケル・J・モーブッサン
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 70246



(文: SY)
posted by さいころ at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 発想法・問題解決

2011年10月09日

化粧の効果はいったいどれだけ?

ハーバード大学医学部のNancy Etcoffらが化粧の効果についての実験をしました。これは25〜50歳の女性の写真を250ms(0.25秒)だけ見せられて印象を測る実験と、写真をじっと見て印象を測る実験の2つからなります。1つめの250msの実験の被験者は男性61人、女性88人の合計149人で、次のじっと見る実験の被験者は男性30人、女性89人の119人です。

使用した写真の例は下にあります。左から、メイク無し、ナチュラルメイク、プロフェッショナルメイク、グラマラスメイクとなっていて、メイク無しと様々なメイクでの印象を7段階評価で調査しました。

化粧をした顔.jpg

その結果が以下となります。なお、グラフの250msは0.25秒だけ写真を見たパッと見の印象、無制限はじっと写真を見た時の結果になります。

化粧の効果.001.jpg

これを見るとグラマラスメイクは魅力などが上がりますが、信頼しやすさは変わらないことが分かります。また、ナチュラルメイクは全てがそれなりに上がっていることも分かります。このグラフにはありませんが、プロフェッショナルメイクの効果はおよそ2つのメイクの中間の効果を持っていますが、有能さは最も高い値となりました

この実験では、評価者が男女一緒なので男女それぞれの評価を知りたいと思いますが。やはり、化粧はそれほど欠点がなく相手の印象を上げることができそうですね。


この記事は以下の論文を参考にしました。また、記事中の写真、グラフも以下によるものです。
Etcoff NL, Stock S, Haley LE, Vickery SA, House DM (2011) Cosmetics as a Feature of the Extended Human Phenotype: Modulation of the Perception of Biologically Important Facial Signals. PLoS ONE 6(10): e25656. doi:10.1371/journal.pone.0025656


(文: SY)
posted by さいころ at 16:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 恋愛・男女関係